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形の見えない「銀行」

拡大中のAppleブランド

今日は先日発表された「アップルの預金口座」を題材としたい。

昨今、銀行の持つ「ブランド力」は年々低下していると考えられている。
大きな要因には

・金利収益の低下
・手数料等の非金利収益の横ばいといった原因が考えられる。

https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/researchfocus/pdf/13430.pdf

この二つの要因に代表されるように、年々銀行の収益構造は変化を求められている。
昨今のコロナ禍も影響し、新規ビジネスへの投資意欲が薄れ、資金需要の低下、金利ビジネスの衰退に繋がると考えられる。

こうした銀行の役割が一つに限定されなくなる時代において
我々に最も身近な存在かつ、一挙手一投足が日々報道される企業であるアップルが参入してきた。

破格的年利 「4.15%」

私は音楽アプリ「Spotifyでポッドキャストを聴く」という
何かと「意識高い系大学生」に代表されるような趣味を持っている。

日常的に拝聴している番組は上記にリンクを貼った
「SONOSTA ~投資、金融、経済を楽しみながら考えるポッドキャスト~ - End Of Ocean」である。
当番組で銀行や金利について述べられている回があり、日本の銀行の金利は「どれも0%代」と100万円預けても一年後に
数百円から数千円にしか利益が生じないことを意味している。

この現状を考慮すると、どれだけアップルが提案している「年利4.15%」が圧倒的なものかわかるだろう。
高度経済成長期の「年利8%」という、知識や経験がなくとも気づいたらお金が増えているというバブル期に比べると見劣りする部分はあるが、現代において「預けているだけで増える資産」に魅力は十分感じられる。

信用力がものをいう時代

米シリコンバレー銀行の破綻のニュースは記憶に新しい。
企業の信用度を測り、融資を行う事業を展開する銀行が破綻。
多くの預金者が不安、自身の金融資産のポートフォリオを改めて考え直す必要性が高まってきている。

不確実性・不透明性を表す言葉「リスク」は現代人にとって
最も憂慮するべきことであるのは明白だろう。
人類が長い間信頼し続けていた銀行の地位が揺らいだ今、我々が頼るべき場所はどこになるのだろうか。

そうした意味でアップルが金融業に参入し、大手ゴールドマン・サックスと提携し「高利回り預金口座」の提供を行うことは
「信用✖️信用」の現代人が最も欲するビジネスモデルを構築している。

大学生である私は、社会に出るタイミングで自身の口座を新たに開設することになるだろう。
その時に選ぶ銀行は日本の大手銀行なのだろうか、
それとも破格的金利を提供し続ける他業種からの新規参入企業だろうか。

日本人だからといって日本の銀行に限定される必要性は減っている。


今回の引用文献・サイト

https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/researchfocus/pdf/13430.pdf


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