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思想

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#思想

ただそうであること

ただそうであること

他者を理解すること、他者を認めること。
理解、あるいは解釈や考察は、自己、ある視点、ある立場からの納得を目的とすることから逃れらないだろう。それは他者を自己、視点、立場の理解等に適用させようとすることでもある。それとは違い、見る、聞く、読むことは、どこまでもただそうである現実を認めることである。
もちろん社会にはある程度納得は必要であるし、自分に訪れた運命を、ただそういう運命だったと受け入れるにも

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踊りと踊る

踊りと踊る

僕は”踊り”はできないけど”踊る”ことはできる。音楽にノッては不器用に身体を動かし、至るところで踊っていることだろう。
踊りと踊るは違うことだと思う。踊りは技術がいるが、踊ることは誰にでもできる。
踊り/踊るをあえて二項対立的に分けるのであれば、文化/自然、行為/反応、能動/受動、意味/無意味、開/閉、外/内、目的的/非目的的というようになるだろう。
踊りを表現行為と考えれば、それは文化であり行為

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名無しの条件 ー 名前のない関係について

名無しの条件 ー 名前のない関係について

最近友達から親密な人との話を聞いた。僕はその人と友達の関係が「名前のない関係」という名前の関係のように思った。それは結局友達や恋人と同じで、一つの名前が付けられた関係なのではないだろうかと。

そもそも名前がないということはどういうことだろう?名前とは人間が事物に対してつけるものであり、世界には名前の付けられていない事物もある。しかしそれらの事物は名前がなくても存在している。ただ存在している。

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微妙な動きー「知る」「愛する」は動作動詞か状態動詞か

微妙な動きー「知る」「愛する」は動作動詞か状態動詞か

はじめに愛についての問いがあった。「愛する」とはどういうことだろう。人を愛するという行為はどういうことかという問い。しかし、この問いについて考えているうちに、いつのまにか行為の世界から言葉の世界に迷い込んでいた。行為の世界に戻るために、ひとまずこのテクストを書くことにした。

迷い込んだきっかけは「I love you」という英語だ。ここでの「love」は状態動詞となる。つまり「私はあなたを愛して

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【思想】高解像度と粒子

作曲家、ピアニスト、アコーディオン奏者である、Leo Svirskyのアルバム、「River Without Banks」を聴いた時、僕は粒子的音像世界の中にいた。
2台のピアノによる、密度の高いアルペジオで紡がれる音像世界。
一つの音を構成する、一粒一粒の粒子を表現しているかのように感じる。
この音像世界には、高解像度で見ることとは違う、別の見方があることを思わせてくれる。
高解像度によって忘れ

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