ジマーマン

幸せよりも楽しみたい。思想/批評/日記/詩など。

ジマーマン

幸せよりも楽しみたい。思想/批評/日記/詩など。

マガジン

最近の記事

  • 固定された記事

クナーファの夜〜生と他者へ

あなたはどう生きているだろうか。最近嬉しかったことはなんだろうか。最近悲しかったことはなんだろうか。 早起きをしてパンを焼いたり、待ち合わせの30分前に着いたり、好きな人と散歩をしたり、分厚い本に悩んだり、悪口を言い合ったり、ゆっくり珈琲を飲んで1時間過ごしたり、たまに旅をしたり、路地に座ったり、傷付いたり傷付けてしまったり、日が短くなったとため息をついたり、笑ったり、夜更かししようとして朝日の手前で眠ったり、ビールを10本飲んだり、夜にクナーファ(アラブのおかし)を食べたり

    • 24/3/28 陰の光

      明大前駅で井の頭線に乗り換える。先週の日曜日のマルシェで隣の隣のブースだった方に遭遇する。もちろんお互いに驚く。今思い返してこういう驚きのときの顔って素敵だなと思う。僕も素敵な顔をしていただろうか。 その後僕のnoteを読んでくれたようで嬉しい。その人はこれから下北沢に行くらしく、僕は渋谷に行く。Puma Blueのライブに行く。さらに驚いたのだけど、どうやらその人の恋人もPuma Blueのライブに行くみたいだ。 下北沢駅で扉が開く。お互い楽しんでと別れの言葉と笑顔を交わし

      • 24/3/24 のぞき穴

        雨が降るわけでもなく、風が強いわけでもない曇りの日。ここ最近は雨が降るか、晴れの日には風が強いかのどちらかだったから、天気の傾向が変わってきたのかもしれない。 ふとした縁がきっかけで武蔵境のマルシェに立ち、合間で吉祥寺のZINEフェスや個展に行った。 たくさんの出会いがあった。たくさんの人に自分の書いた文章を手渡した。実際に読んでもらえるか、どう感じるかはともかく、そのこと自体は楽しかったし、受け止めてくれることは嬉しかった。 最近タテマエということを考えている。タテマエ

        • 梅とミント

          枝の先で梅の花がポンとしている 膨らみと線と膨らみのリズム ミント色のミキサー車が 通りに停泊中 だらだらと回転している 白い犬が僕を見ている 僕も白い犬を見ている 春にはまだ届かない

        • 固定された記事

        クナーファの夜〜生と他者へ

        マガジン

        • 日記
          52本
        • 13本
        • 思想
          17本
        • 映画
          7本

        記事

          3/17 Too Shy Too Good

          一日が終わりに近づいている。一橋大学前の駐輪場で友達とさよならをして、大学通りを歩いてる。今日は本当に暖かったけど、今は冷たくて、少し力のある風が吹いている。Rockのライブを観てきたはずだが、耳鳴りは聞こえない。風の音と、風と風の間で夜の静かさが聞こえるだけだった。 今更だけど、植え込みから香っている甘い香りは沈丁花だと気付く。 思えば梅と桜の間も、木蓮や沈丁花が咲いていて豊かだ。桃や桜のように目立つ訳でもなく、金木犀のように季節に定着するわけでもない。期待と喜びの間で、ぼ

          3/17 Too Shy Too Good

          24/2/6 したたる音に囲まれて

          ケヤキの枯れ枝の向こうに家々の白い屋根が見えた。氷のような曇り空。いつもの朝より静かだと感じる。誰かの口から白い息が漏れる音が聞こえてきそうだ。昨日はざんざんと雪が降った。 ゴミを出しに行く。積もった雪がまぶしい。寒さは意外と気にならなかった。1階の住人の部屋の前には雪かきのスコップが立て掛けてある。 お昼。ご飯を食べるのと夜ご飯の買い出しに外に出る。団地の敷地は水のしたたる音に囲まれている。タルコフスキーの映画のようだと思う。水がしたたる音とはどの音だろう。水が落ちた瞬

          24/2/6 したたる音に囲まれて

          2/5 雪が降る 冷たくなる 心が沸く

          ケヤキの枯れ枝の向こう。遠くのマンションの灯が綺麗だと思った。今ままでも感じていたはずなのに、初めて言葉にしたような気がする。今日は雪予報。どんな雪が降るのか。どのぐらい白いのか。 お昼頃、友達からのLINEで窓の外を見る。確かに雪が降っていた。だけど水分が多そうな雪だった。もっとふわふわとした雪を期待している。このままの雪だったら悲しい。天気予報を読む限りでは、もっとやわらかい雪になりそうだが。 不安はすぐに消えた。はっきりと白い粒が見える。空からやわらい雪が降っている

          2/5 雪が降る 冷たくなる 心が沸く

          D 2 4 U / Dream Donuts For You

          『D 2 4 U』 ロッテルダムの港にさっきついた。タバコをふかしている。 再開発により、店を閉めてから早5年。心に穴が開いているような気がして、7つの海を渡り、いくつもの国を巡った。 朝の静かな港を歩いているとドーナッツショップがあった。コーヒーの香りが寝起きみたいに漂っている。店内ではPrinceの『Starfish and Coffee』が薄く、甘く流れている。ソルティドーナッツと珈琲を頼み、港が見える窓際のテーブルに座る。コーヒーカップには店のロゴ、そしてオランダ

          D 2 4 U / Dream Donuts For You

          24/1/29 朝の部屋の匂い

          昨日の続きでロバート・ワイアットのアルバムを色々と聴く。やはり前は全然良さを感じられなかったのに、いいなと感じられるようになっていた。この勢いでアルバムを全部聴いてしまおうか。ロラン・バルトを読みながら短い夜明けの時間を過ごす。 珈琲とトーストを入れる。朝はこの組み合わせじゃないとダメような気がしてきた。手洗い場から部屋に戻る。珈琲とトーストの、朝の自分の部屋の匂いが好きだと思った。 少し頭がくらくらする。日にあたり過ぎたか(最近はよくある)、もしくは酸欠か。窓を開けて換

          24/1/29 朝の部屋の匂い

          郷愁の灯

          小さな祈りを運ぶ それが狂気に映っても 孤独でも 根拠がなくても なにも変えることはなくとも 祈りを包むその手は 頼りを探していて 祈りを見つめるその目は 希望をつなぎとめる 祈りはゆらめきながら 消えそうになりがなら続く 私が消えても その祈りは残るのだろうか どこかに 誰かの残した孤独な祈りは 灯っているのだろうか

          【日記】 24/1/28 淋しさと仲良く

          最近は反動がすごい。淋しさが冷たい。昨日はお昼に友達が谷保に来て、カレーを一緒に食べて小鳥書房に行き、たくさんお話しをして、友達と別れた後、ふらりと珈琲を買う目的でいったみんなのコンビニでは、たまたまおでんのイベントがやっていて、そこでおでんとトマトシャーベットの試作を食べた。 夜は再び小鳥書房。夜のイベント、良夜(あたらよ)があり、お昼とは別の友達が友達を連れてきてくれて、随分と楽しい時間を過ごした。 深夜僕を悩ませた頭痛(たぶんビールの飲み過ぎ)は、朝にはどこかに行って

          【日記】 24/1/28 淋しさと仲良く

          セックスは怪物 ー 映画『哀れなるものたち』について

          私たちは人間なのだろうか?それとも獣なのだろうか?いや、そのどちらでもないのかもしれない。 私たちは現実と現実的なファンタジーのキメラ。獣という肉体に人間という概念を拡張したもの。獣でもなく人間でもないものであり、獣でもあり人間でもある。つまり怪物という哀れなものたちだ。しかし、私は怪物であることの肯定をこの映画に見た。 ベラ。母であり子であり、大人であり子供であり、死者であり生者であり、自己であり他者であり、そしてそのどちらでもない者。 ベラには現実しかなかった。ベラにと

          セックスは怪物 ー 映画『哀れなるものたち』について

          【日記】 24/1/26 キッチンの灯

          割と仕事が忙しかった。今日はなんだか淋しさに翻弄されるような日だった。 外は寒そう。風が鳴っている。ガラス戸や扉を震わせている。今日は散歩はやめておこう。 そんな淋しいなかでもキッチンに立てた。以前の僕からした割とすごいことだと思う。 本当は昨日作るつもりだった。だけど昨日はふらりと小鳥書房に行って、そのままスナック水中に行って、帰りに天極家でタンメンを食べた。 大根をすりおろす。今日はぶりのみぞれ煮。それと玉ねぎの塩スープ。 この前買ったメスカルを飲みながら作る。ストレ

          【日記】 24/1/26 キッチンの灯

          【日記】 24/1/24 タナトス溢れるうどん

          久しぶりに深いオレンジ色の朝焼けをみた。それは朝のせいではなくて、僕が朝を忘れていたせいだろう。もしかしたら見ていたのかもしれないけど、僕が見たと感じれなかったのかもしれない。年末年始は今ままでにないぐらい忙しかったけど、ようやくふと我に返ったのかもしれない。 まだ薄暗い部屋、MacでSpotifyを開く。今日はZAZEN BOYS。この日世に出るアルバム『らんど』を聴く。スピーカから炸裂する音が夜明けに切り込む。ギターのカッティング、ヘヴィーなグルーヴ、そして向井秀徳の「

          【日記】 24/1/24 タナトス溢れるうどん

          夢は私に何を夢見るのか ー何かをすること、何かになること

          夢は語る。夢が語る言説を考えてみる。 夢は「何かをしたい」「何かになりたい」と言う。 「何かをしたい」と「何かになりたい」は何が違うのだろうか。 例えば詩が好きな人にとって、詩を書きたい人にとって、詩を書くことが夢なのか?詩人になることが夢なのか? より純粋なのは詩を書くことのように思える。 詩人になるということは、詩を書くこととは別の行為だ。詩を書くという行為に、詩人になるという行為が混じることになる。純粋ではなくなる。 また、詩人というものに基準があるとしよう。それ

          夢は私に何を夢見るのか ー何かをすること、何かになること

          【日記】 23/12/21 谷保祥寺

          ひたすらに真っ直ぐ歩くというのは不安を感じる。随分歩いた気がする。いつになったら着くのだろう。通り過ぎてはないだろうか。足音の代わりに、そんな言葉が聞こえてくる。その言葉を消すように、早歩きで冷たい風に切り切られながら歩く。 吉祥寺通りをひたすら真っ直ぐ歩いた。といっても15分程。『ひととてま』というシェアスペースにて開かれる、『喫茶よるべ』にやってきた。 この建物は見覚えがあった。昔バスでたまに通り過ぎていた。目立つ建物だったので覚えていた。正面の白い木製の壁。ステンドガ

          【日記】 23/12/21 谷保祥寺