見出し画像

30代、それぞれの道。

この間、高校の頃の友達から突然電話がかかってきた。

「久々!元気?」

「おお、元気だよ。
 突然どうしたの?」

「再来週、関西帰って来れん?
 金曜の夜、飲もうや」

突然だなぁ。
しかし、いきなり平日の夜を指定されても難しいぞ。こっちは東京で働いてるんだから。

「平日はちょっとキツイかも。
 その次の日の土曜とかあかんの?
 実家やし、泊まって行けばいいやん」

「いや、実はさ。
 次の土曜、奥さんの出産予定日が被ってて」

「え?まじ?3人目ってこと?」

友達はちょっと照れ臭そうに笑った。

「そうやねん。
 だから、その報告も兼ねて飲もうと思って」

こいつ、いっつも突然なんだよな。

「もっと早く言えよー。
 分かってたら休み取っておいたのに」

こいつは僕の友人グループの中でも早めに結婚し、子宝にも恵まれた。第三子は友達の中で初めてかもしれない。

「oilは?最近どんな感じなの?」

そう聞かれて、僕の頭の中に浮かんだもの。

『サーモンラダーがさぁ、振りなしで上がらないんだよね』

…多分、これを言ったところで絶対に盛り上がらない。というか、多分意味が通じない。

「まあ、トレーニングかな。基本」

言葉がうまく出てこず、そう濁した。

「相変わらずだなー。
 お前もそろそろ考えろよ。
 俺らのグループ、最初の2人が結婚してから誰も動きないぞ」

「知っとるわ」

30代、それぞれの生き方がある。
結婚した奴。
子供もいる奴。
仕事に生きる奴。
趣味に懸ける奴。

どれが正解なんてない。
30代、それぞれの道。
自分が歩んでいる道を、正解にするしかないんだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?