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映画、小説、コンテンツ

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2022年8月の記事一覧

一貫性を求められない時代へ

一貫性を求められない時代へ

いま欧米を中心に「ソバーキュリアス」というのが流行っているらしい。これは「お酒を飲まないことを楽しむ」という意味なのだそうだ。

ちなみに「ソバー + キュリアス」である。「sober (しらふ) + curious (興味がある)」なので、直訳すれば「しらふに興味がある」となる。

断酒、禁酒とどうちがうのか?というと、「楽しむ」という点に尽きる。

専門家じゃないので、あくまでぼく流の理解でし

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近未来のメガネについて心配していること

近未来のメガネについて心配していること

いつの時代を生きていようと、人は時代の外側に出ることはできない。江戸時代だろうが、平安時代だろうが、令和時代だろうが、時代の空気の外に出られないのは同じだ。

しかし、映画が生まれて以来、その点がやや改善された。

映画のいいところのひとつは、ちょっとだけ時代の外側に出られることだ。いまなら、2000年代の映画も、戦前の映画も、ストリーミングで簡単に見られる。

そして、いろいろな時代の映画をたく

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「役に立てる」気持ちなしで、コンテンツを消費してはいけない

「役に立てる」気持ちなしで、コンテンツを消費してはいけない

今日の話はかなり絶対です。「自分の役に立てる気持ちなしで、デジタルコンテンツを消費してはいけません。

ぼくの意見というより、かぎりなく真理にちかいはずで、

レベルである。やや大きく出てしまったけど、こんな書き方をすることはめったにないので許してほしい。

さて、なぜ「利用する気持ちなしで、なにかを消費してはいけない」のか。その理由をなるべくサクッと1000字くらいで書こうと思ったけど3000字

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自分がピンとくるような人になりたい

自分がピンとくるような人になりたい

身もふたもない話をしてしまうと、ぼくはSNSに社交みたいなものは求めていない。気晴らしも求めていないし、共感も求めていない。求めているのは情報だ。

情報といっても、ニュースみたいなせまい意味での情報ではなくて、発信者独自の視点や考え方や蓄積された経験などもふくめた広い意味での情報だ。

テレビにはニュース解説番組というのがあるけど、あれなんかが広い意味での情報である。単なるニュースなら「○○が爆

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いざというときに誰と組むか?

いざというときに誰と組むか?

映画などによくあるシチュエーションで、たとえば、これから銀行強盗をやるとか、だれかと組んで危ない橋を渡らないといけないようなばあいに、いちばんだいじなのは

ということだ。

黒澤明の『七人の侍』では、浪人が7人あつまって盗賊から村を守るという用心棒を請け負うわけだけど、7人そろえばだれでもいいというわけではない。

パートナーが頼りなければこっちの命まで危なくなるのだから誰と組むかが生命線である

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イメージは人を簡単に操作できる

イメージは人を簡単に操作できる

むかしむかし、『Shall We ダンス ? 』(1996)というとてもステキな映画があったのございます・・・。

当時大評判だったし、ぼくも劇場へ見に行ったし、もちろんステキな映画だったんだけど、最近、ふとしたことでこの映画の予告編を見なおすチャンスがあった。

そうしてみたら、当時の自分には見えていないものがあったということを思い知らされた。それで、急にこの映画を見直したくなったのでこれから見

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うらばなしを好きな人というのはどういうひとなのだろう

うらばなしを好きな人というのはどういうひとなのだろう

うらばなしを好きな人というのはどういうひとなのだろう。でもゴシップ雑誌が売れているということはきっと好きな人が多いのだろうな。

ぼくはうらばなしが好きではないが、それは人間が高尚なのではなくて、そこまで情報処理能力が追いつかないからだ。オモテの話だけで手いっぱいなのである。

たとえば、ぼくは映画を見るのがとても好きだけどネットフリックスには加入していない。仕事の関係でやむをえず1か月だけ無料加

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圧倒的な作品『長江』

圧倒的な作品『長江』

・・というのが昨日のnoteの書き出しだったんだけど、いま書き直すとこうなる。

昨日の「見たい」が今日「見たかった」に変わったということは、すなわち24時間以内に見てしまったということなのであーる。

なかなか見れない幻の作品だったわけだが、なんことはない。丸々YouTubeにアップされていた。これが中国と合作するということの恐ろしさであり、だいご味でもある。

長江の河口から源流付近までさかの

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独自の美意識を忘れた日本人は、内向きで元気のないアジア人でしかない

独自の美意識を忘れた日本人は、内向きで元気のないアジア人でしかない

『長江』(1981)という映画を知っているだろうか。

さだまさし監督、主演のドキュメンタリー作品で、ぼくがいまいちばん見たい映画である。

さださんは、これを撮ったせいで35億円の借金を抱えることになり、完済に30年かかったそうだ。

さだまさしというと「年間100回コンサートをやる人」として知られているけど、コンサートをやりまくるようになったそもそものきっかけは、『長江』の借金を返すためだった

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心のバランスのとり方についての1つの提案 ― 酔って星空を眺めること

心のバランスのとり方についての1つの提案 ― 酔って星空を眺めること

ぼくはわりとお酒は好きなほうだが、ここ2週間ほど飲んでない。ダイエットである。

禁酒というほどおおげさなことではなく、こういうことはよくある。酒とぼくとは遠慮のいらないあいだがらというか、つかず離れずのほどよい付き合いだ。

とはいえ、若いころはかなりのむちゃをしていた。また、親族にはアルコール依存症で亡くなった人もいるので、素質はあるはずだ。振り返ってみると、依存症になってもおかしくなかったと

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