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短編小説

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最後まで読まないと分からない事多めな文章。 短編小説の目標はバイク川崎バイクさんのショートショート! 頑張ろう!
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#夢

「じゃあTSUTAYA集合で」@Contrails/ジャニーズWEST

「じゃあTSUTAYA集合で」@Contrails/ジャニーズWEST

「海外で仕事をします。お世話になりました」
そう言って新卒で入社した会社をあっさり辞めた。
あっさりとは淡白な言い方だが、実際にそうだったかと思う。
話した上司は何度も止めてきたが、キャリアのある先輩方や同期達からは「ついに海外に、やりたい事をしに行くのか」と応援してくれた。
理解ある会社で働けた事、支え合う同期が最高の人財だった事を誇りに思い、私は会社を後にした。

でも実際のところ、辞めると上

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セフレ以上、恋人未満。短編小説

セフレ以上、恋人未満。短編小説

「もうキミ、要らない。」
そう言われると目が覚めた。
夢か。
息を忘れていたかの様な感覚で冷や汗をかいている。暖房が暑過ぎたのか、それとも…。そう思いながら息を整え、隣に目をやると愛おしい彼が寝ていた。

彼。いや、正式にお付き合いをしているわけでは無い。
単に、彼の一人暮らしの家のベッドで、隣で寝ている関係。
いや、違うな。

セックス?そんなものはやり終えた。私達は"身体の関係"が既にある。

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「大好きだからね、いつまでも」と届きましたか?短編小説

「大好きだからね、いつまでも」と届きましたか?短編小説

「カナちゃん、次お風呂お母さんが入って良い?」
脱衣所からのドア越しから安心する声で話す母に、はぁいと浴室で響く大きさで答えた。
もう十分に温まった身体を確認し、もう一度湯船で顔を洗ってから立ち上がる。

身体を拭いていると、母が脱衣所に戻ってきて
いそいそと服を脱ぎ、しっかり乾かすのよと声をかけてきたので、私は浴室に繋がる扉を譲った。

髪を乾かそうとドライヤーを背伸びして取り、
鏡にはまだ頭し

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一富士二鷹三茄子。

一富士二鷹三茄子。

「ねぇ、お寿司食べに行かへん?」
そう気軽に誘った私を助手席に乗せて、流行りの曲を口ずさみながら車を出す彼。
行き先を決め、予約もスマートにこなし、連れてきてくれたのは、ネットには掲載されていない"回らないお鮨屋さん"。
私の行き慣れている"回転寿司"では無く、"お鮨屋さん"と言いたくなる様な隠れ家的にひっそりと佇むそこに、彼は落ち着いた手つきでエスコートしてくれた。 

「こんな素敵なお店、よく

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2025年のあなたはどうしてますか?

2025年のあなたはどうしてますか?

今日のお話しはね、私のママのお話。

私のママはね、"おんがく"が好きみたい。
だって幼稚園で習った曲全部、楽譜見ただけでスラスラとピアノを弾けるの。
早い曲も遅い曲も、アレンジだって出来るの。すごいの。
私は上手く弾けないけどピアノはとても好き。
たまに、ママと"おんがく"を聞いて、一緒にお歌歌ったりするの。
いっつも、私はママの真似ばっかりしてる。それが楽しいの。

私のママはね、"おでかけ"

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