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一富士二鷹三茄子。

「ねぇ、お寿司食べに行かへん?」
そう気軽に誘った私を助手席に乗せて、流行りの曲を口ずさみながら車を出す彼。
行き先を決め、予約もスマートにこなし、連れてきてくれたのは、ネットには掲載されていない"回らないお鮨屋さん"。
私の行き慣れている"回転寿司"では無く、"お鮨屋さん"と言いたくなる様な隠れ家的にひっそりと佇むそこに、彼は落ち着いた手つきでエスコートしてくれた。 


「こんな素敵なお店、よく知ってたね!楽しみ!」
テンションがhighになりながら、カウンターの横に座る彼にこっそり伝えると、彼はにんまりと隠す様に照れ笑いをしてきた。
"あ、笑った"
嬉しそうにする彼を見て、私の心はお鮨を味わう前に満たされた。



"ああ。この人やっぱり素敵だなぁ"
そうしみじみ思って彼を見つめたら、


スーツを着た、真っ白ののっぺらぼうだった。


「え。」
自分の地声の低い声が出て目が覚めた。
え、ああ。なんだ夢か。
あ、新年か。

なんか笑える。え?これが、初夢?
あれは、だれだ?
え、若干汗かいてるねんけど。
もしかして、ホラー的な?

たしか、初夢って、一富士二鷹三茄子を見たら良い一年になるんだよ、ね?
え?お寿司?いや、お鮨?
いやいやいやいや。待て待て待て待て。
え、誰?好きな人?出会ってない人?だれ?

え?


いやいやいや。
納得出来ない。いろいろ納得出来てない。



そう思った私は真剣に初夢について調べた。

字義どおりに新年最初に見る夢とされることは少なく、現代では元日(1月1日)から2日の夜、または、2日から3日の夜に見る夢とされることが多い。
ーーーGoogleのWikipediaより引用

よし。まだ間に合う。初夢を変更出来る。笑

変更してやる。





みなさん、初夢はまだ始まっていません。
今晩の夢で一富士二鷹三茄子が出てくる事を祈って眠りにつきましょう。

初夢は、あなたの今年が良い一年になるか否かを測る、自分自身で出来る唯一の占いですから。

チョコレートに牛乳


みなさま、あけましておめでとうございます。

今年は短編小説的なのを極めようと思います。

今後とも宜しくお願いします。

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