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2019年11月の記事一覧

『タイムリッチ』に生きること

『タイムリッチ』に生きること

抜けるように青い秋晴れの空を見て、『今日はイヤホンを外して歩こう』と思った。
目も耳も、体のすべてで秋を感じたいと思ったのだ。

普段は自らに課したノルマに追われるように英語のリスニング教材を聞き、電車待ちで時間が開いたら英文を読んだりSNSをチェックしたりと忙しなく過ぎていく時間。
その一瞬をイヤホンもスマホもなしで歩くだけで、こんなにも世界の色は違って見えるのか、と驚いた。

インプットでもな

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表現とは、「正解」の数を増やすことである

表現とは、「正解」の数を増やすことである

りんごが「りんご」である確証はどこにもない。赤くてまあるくて、皮を剥けばみずみずしい黄色をしているそれは、わたしにとっては確かにりんごだけれど、他者から見たら全く違う果実なのかもしれない。わたしが見ているりんごの姿は、所存わたしひとりの目を通して映し出されているものであって、全人類が同じようにその姿を目にしているかどうか、何年生きても自信がない。

そもそも、自分では「赤い」と認識している物体が、

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手の中にある透明なバトン

手の中にある透明なバトン

親しい人が、ぽつりと言った。

「自分がいない場所に、違う時間が流れていることが、さびしい。」

自分はあまり考えたことがなかったし、さびしいと思ったことがなかった。

いつも一緒にいる人が過ごす「自分がいなかった時間」を想像すると、どんな気持ちになるだろうか。

あるいは自分がいなくなってしまった後の時間を想像すると、どんな気持ちになるだろうか。

人と過ごす時間の希少さ自分が知らない間に、他人

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「祈り」によって形作られている

「祈り」によって形作られている

いきなり惚気からはじまって大変恐縮なのだけれど、私の旦那は、とてもやさしい。

人の悪口なんてめったに言わないし、何なら愚痴のようなものも、ほとんどこぼさない。

「嫌いな人とか、いないの?」

ある日、あまりにも不思議に思って、そんなことを彼に聞いたことがある。すると旦那は、「人のことを、嫌いになりたくないんだよね」と、言葉を続けた。

もう少し話を聞いてみると、彼は、自分が弱いということを、も

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人の心と意思について語るときの自分が語ること

人の心と意思について語るときの自分が語ること

noteを書き始めるとき、自分で自分の語る言葉に興味を持っています。

どんな言葉で語るかが、どんな自分になりたいかを表しています。もしいま自分が語る言葉にしっくり来ていないなら、何かを見直した方がよいのかもしれません。

他人を通して、自分の過去に出会う過去の自分が置いてきたものを他人の中にみつけてしまい、忘れていたものを思い出してしまうときがあります。それはきっと他人を通して、自分の中の自分に

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家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった

家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった

私が住んでいる東京という大都会に、母と弟が来た。
ひろ実と良太が来たとも言う。

母からのリークによると、新幹線の中で、弟は何度も「奈美ちゃんは?奈美ちゃんは?」と、母に聞いていたそうだ。

なるほど、なるほど。
それはそれは猛烈な歓迎を受けるに違いないと、相応の準備をしていたら。

弟に真顔で「よう」と言われた。
ちょっとちょっと。話が違うじゃないか。

弟心は、秋の空ほど移り変わる。

さて、

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怒りと冷静の狭間で、僕は他人を理解したい

自分の怒りはどこにいってしまったのだろうか、と感じることがある。

トラウマ的な体験やパワハラ、セクハラ、バッシングなどSNSをみていると被害を受けて怒りの声をあげている人たちがいる。最近、毎日のように見る。怒りは当然だ。理不尽な想いをして生きるのがつらくなったり、今までの生活とは切り離されて非常にくるしい想いをすることになる。数年間かけてその苦しい状況から抜けれるかもしれないが、その数年が本人に

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