【短編小説】踊るわたしは、水の中から
酸素が、薄いせいだ。照明が明るくなった瞬間、心の中にそんな言葉が降ってきた。まばらに響く拍手の中、深いお辞儀から顔をあげた自分の笑顔を想像すると泣きたくなる。
いつだってそうだ、こうやって自分は。浴びる拍手に罪悪感を覚えるのは、どこまでも自信がないせい。自信が発生する源がわからなくて、周りと比べては悲劇のヒーローみたいに恐れを抱く。
ダンスを極めたい故に身体を動かし続けていたら、自分の目指すものから反比例するようにわたしからしなやかさは奪われた。舞台に立ったというのに、今日は