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聖騎士シリーズ

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オリジナルRPG曲集×音楽寸劇のシリーズです。造語コーラス曲が特徴のダークファンタジー。
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聖騎士シリーズまとめ

聖騎士シリーズまとめ

オリジナルRPG曲集、聖騎士シリーズのまとめです。
2021年5月2日〜公開順にまとめています。時系列順のまとめはこちらから。

■ ラスボス編 / 過去の英雄と黄金の城「昏き英雄」

1作目。この曲から始まりました。

「冥府の婚礼」

2作目。婚約者も出てきてます。

「昏き目覚め」

3作目。遠い昔の穏やかな記憶。

■ 過去編/ 聖騎士が英雄となった頃の話「理の形象」

4作目。《魔王》の

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パースつきの背景を描いてみた話

パースつきの背景を描いてみた話

新しいイラストを描きました。掌編小説と寸劇のサムネイル用で、聖騎士シリーズよりルカリス先生とデイルズ(創作キャラ)です。

デイルズが熱を出して寝込んでいるところに家庭教師のルカリス先生がやってきた、という設定のお話です。過去編。

■ 今回の制作テーマ今回はパースのかかった背景を描けるようになりたいと思い、窓とベッドのある部屋を描くことにしました。

前回同様デッサン人形の写真を下敷きに使ってい

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カラーラフに挑戦してみた話

カラーラフに挑戦してみた話

新しいイラストを描きました。寸劇と掌編小説のサムネイル用で、聖騎士シリーズよりアデルバート、グリス、グレッグ(創作キャラ)です。

■ 今回の制作テーマ今回はとにかく省エネモードで制作しました。人物同士の距離感や位置関係を把握するため、全身のラフを描いてそれぞれを拡大縮小しながら配置を決め、後からトリミングするという手法を取りました。

一番上にトリミング範囲を示すレイヤーを作成しています。

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聖騎士シリーズ 制作メモ(2022年10月)

聖騎士シリーズ 制作メモ(2022年10月)

創作コンテンツ『聖騎士シリーズ』の制作記録と考え事のメモです。今月は新たにスピンオフの掌編小説を書くことができたのが一番の収穫でした!

■ 掌編小説 2作(4話×2)というか逆に言うと、今月これしか成果がないです。潔すぎる。

でもシリーズ全体を通して8回のコンテンツ更新があった、と考えると悪くはないんじゃないでしょうか。欲をいえばひとつくらい楽曲を公開しておきたかった気がしますが、その選択肢を

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ミハルカ・テーゼの章(4)【掌編小説】

ミハルカ・テーゼの章(4)【掌編小説】

 ――親愛なるミィハへ

 お元気ですか? 私は元気です。
 あなたとお喋りしていたのが昨日のことのようになつかしい!

 この数ヶ月で、私の髪やまつ毛はすっかり白くなってしまいました。以前にも話したとおり、私の家系の人たちは扱える魔力の種類によって髪の色を変えます。中でも白はとても珍しいそうです。
 まだ私たちの家に御三家だなんて区切りがなかった時代にこの国を救った、初代大賢者様の髪がこの色だっ

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ミハルカ・テーゼの章(3)【掌編小説】

ミハルカ・テーゼの章(3)【掌編小説】

 エリーネが体調を崩したと聞いて、北の森にあるロジウ様の別邸に見舞いに行くことにした。
 別邸を囲う結界の入り口へは案内役の使い魔が馬車を誘導し、そこから先は使用人が案内してくれる。

「ミィハ……来てくれたの? 嬉しいわ!」

 部屋では寝巻き姿のエリーネがベッドに横たわっていた。
 これまで彼女との間にあった距離は、いつも彼女が詰めてきてくれたのだと知る。今日は一歩一歩、自分が近付いていく番だ

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ミハルカ・テーゼの章(2)【掌編小説】

ミハルカ・テーゼの章(2)【掌編小説】

「ねえミハルカ、勉強会はどうだったの? 楽しかった?」

 まるでデートの報告を待ちわびる少女のような瞳で、エリーネがたずねてきた。

「楽しかったかどうかはわからないけれど……とても興味深い内容だったわ。詳しく聞きたい?」
「ふふ……遠慮しておくわ!」

 予想通りの反応だ。

「で……誰か気になる人はいた?」

 エリーネがずいと距離を詰めてくる。
 第一賢者様の主催する魔導薬学の勉強会には、

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ミハルカ・テーゼの章(1)【掌編小説】

ミハルカ・テーゼの章(1)【掌編小説】

 ミハルカという名前には、大空という意味があるらしい。
 テーゼ家の長女として生まれた私に、当時の王国付き魔導師であったお祖父様がつけてくれた名だ。

「また古代文字の勉強か?」

 王宮図書館で一人勉強していると、積み上げた分厚い魔導書の隙間からロジウ様が顔を出した。

「はい。今は先祖の故郷で用いられていた言語の解読にいそしんでいます」

 第一賢者であるロジウ様は、私の親友エリーネのお父上で

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聖女ミェゼの章(4)【掌編小説】

聖女ミェゼの章(4)【掌編小説】

 目を覚ますと、そこには僕の顔を覗き込むミェゼの姿があった。身体中がやけるように熱く、指一本満足に動かすことができない。

「私ね、お父様からこの命をもらったの。これはその印……」

 小さな手に包まれた僕の指が彼女の胸の刻印をなぞる。それは翼を広げた鳥の形をしていた。

「私たちが最も愛した者に贈る印よ。今はあなたの胸にもある……」

 何か喋ろうにも意識が朦朧として、喉笛がひゅうひゅうと音を立

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聖女ミェゼの章(3)【掌編小説】

聖女ミェゼの章(3)【掌編小説】

 その日はいつも通り聖女様のお部屋の前で見張り番をしていた。
 聖女様はこのところ体調が思わしくなく、前ほど頻繁にはお話されなくなっていた。

「今日は少し冷え込みますね。聖女様も温かくなさってお過ごしください」

 返事はなくとも、こうして毎日声をかけるのが日課となっていた。それが僕がここにいる意味だと思っていたから。
 そして――。

『ナスカ――逃げて』
「え……?」

 突然の声に振り返る

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聖女ミェゼの章(1)【掌編小説】

聖女ミェゼの章(1)【掌編小説】

 聖女ミェゼの第一印象は、小鳥のような声の人、というものだった。

 衛兵である僕が彼女と顔を合わせることはない。朝昼晩と数人の世話係が出入りする扉の前で、日がな一日見張り番をする仕事についた。夜は別の者と交代するが、互いの名前や素性を教え合うことは禁止されている。

「今日から新しい方なのね。お名前を聞いてもいいかしら?」
「ナスカと申します、聖女様。今日から配属になりました。これからどうぞよろ

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聖女ミェゼの章(2)【掌編小説】

聖女ミェゼの章(2)【掌編小説】

 聖女様はとても博識だった。持ち主の魔力によって身体の色を変える使い魔や、全身がお菓子でできた空飛ぶドラゴンの話、太古の魔術師が残した禁断の魔導書の話。
 そのどれもが、世の中のことをよく知らない僕の心を素晴らしくワクワクさせるのだった。

「……というのは全部嘘よ。忘れてちょうだい」
「ええっ!」

 そして僕はしばしば、こうして聖女様の嘘に騙されている。

「ナスカは本当に人がいいんだから。聞

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聖騎士シリーズ 制作メモ(2022年9月)

聖騎士シリーズ 制作メモ(2022年9月)

創作コンテンツ『聖騎士シリーズ』の制作記録と考え事のメモです。最近全然進んでないな〜と思っていたけれど、今月はかなりのブレイクスルーがあって色々と捗りました!

イラスト3点に楽曲3点。とてもよかったと思います。

■ イラスト制作(4枚+リメイク3)木炭画を始めたのが性に合っていたみたいで、とても捗りました。1時間ほどで描けるので、ストックした木炭画を後日リメイクする流れを作ると良さそうだなと思

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副団長デイルズ | 木炭デッサン風③

副団長デイルズ | 木炭デッサン風③

新しいイラストを描きました。聖騎士シリーズ(創作)より、副団長デイルズです。

■ 今回の制作テーマ前回に引き続き木炭画風のイラストです。木炭のテクスチャを借りながら明暗だけで描いていけるのが凄く楽だし、今必要な画力を伸ばすのに最適な練習方法だと思っています。

色を使うと色の印象に振り回されて、形を追うことをおろそかにしてしまいがちなんです。

あと難しいアングルに挑戦しました。めちゃ難しかった

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