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「運用じゃなくて、支出を意識した方がいいですよ」と厚切りジェイソンさんが言っていました

Yahoo!ニュースを流し読みしていたら、「厚切りジェイソン、投資よりも“支出の見直し”の重要性力説「意識を変えた方がいい」」というタイトルの記事が目に入り読んでみた。

厚切りジェイソンさんは昨年11月に「ジェイソン流お金の増やし方」という本も出版し、お金の教育分野においては色々と知恵を発信する存在となっている。彼は「Whyジャパニーズピープル!」で一躍時の人となり、現在ではNHKでは英語を教え、さらにはお金の教育で本を出版したりと本当に多彩な人物だと感じる。

そんな彼は実は既にFIREを達成しており、家族全員が生涯困らない資産を築き上げることに成功しているそうだ。資産形成を支えたのは、芸能活動とIT企業の役員報酬によるところもあるが、彼の記事を読んでいると彼は金融リテラシーがとても高い事も読み取ることができるのである。

【お金の教育】

家庭で取り組むお金の教育では子供たちにお小遣いを「稼ぐ・使う・貯める・運用する」という4つの学習テーマに取り組んでもらう事になる。

この4つの取り組みテーマで「運用する」事に注目が集まりがちだが、実はそれぞれの学習テーマで大切な学びを積み重ねることとなる。

まず「稼ぐ」事だが、これはお金を稼ぐ事の疑似体験を積み重ねることになる。そしてお金を稼ぐことにおいて「一攫千金」という方法はなく、コツコツ作業の積み重ねであることを体験する。

さらには、自分の時間を使って「稼ぐ」方法ではもらえるお金に上限がある事を知り、「稼ぐ」方法を増やす為にはどうすれば良いかという工夫にも取り組む。この際、最初のステップとしては不要になったモノをメルカリなどで販売するという取り組みがあげられる。

次にお小遣いを「使う」という取り組みになるが、この学習テーマではお金は使ったら無くなってしまうという体験を積み重ねる事が最初の学習目的となる。そしてお金を使う際、「必要なものと欲しいもの」を区別することも学ぶことになる。さらにお金を使う際は出来るだけお金が出ていかないようにする方法を知ることも取り組みテーマとなる。

また「貯める」では将来の突然の出費に備える事に加え、お金を手元に置いておくと使いたくなる衝動を生じさせる為、手元にお金を置いておかないという工夫でも「貯める」に取り組む。

さらには、1000円以上するものが欲しくなった場合、手元にあるお金を使うのではなく、欲しいものの為にお金を「貯める」という事にも取り組みます。

そして「運用する」では長期的な積立投資に取り組み、相場を体験することとなるのです。また株式相場には上昇・下落という価格の動きが存在しており、上がり続けたり下がり続けたりすることはなく、上がれば下がり、下がれば上がるを繰り返しつつ、長期的に見れば、相場は物価上昇と連動して上がっていくという事を学ぶことがとても大切になります。

長期積立運用に早いうちから取り組む事はこの相場体験を積むことになるため、将来不動産投資や金融資産の運用にさらに大きなお金を投資する上で、強い武器になるのです。

【支出を意識した方がいい】

記事の中で厚切りジェイソンさんはお金の教育でいうところの「使う」事の重要性について次のように触れていました。

  • 『そこじゃなくて、支出を意識した方がいいですよということが一番大事。多くの人が投資の輝きに惹かれているみたいで、それが注目されていますが、それよりも大事なのは、お金が入ってきてそれを無駄遣いしている人は、いくら投資で稼いでもお金が増えないですね。まずは自分のお金とどう付き合っているのか見つめ直した方がよくて、そこからは収入を増やすとか投資で資産運用とかでいろんなことができるんですけど、一番大事なのは第一歩、支出の見直しですね。ただそれは地味すぎてあまり興味が湧かない人が多いというか、当たり前のことではありますけど、それが非常に大事で一番意識を変えた方が、考え直した方がいいというのが僕の言いたかったところなんです』

そして「支出を見直す理由」を次のように述べていたのである。

  • 『節約は稼ぐよりも力があるんですよ。例えば時給1000円のところで1時間働いたら、そのお金で100均で何個のものが買えるでしょうか。10個と計算上は言いたくなるんですけど、所得税とか住民税とか引かれたら残る700円となるかというと、そうではない。消費税とかも引かれて残るのは600円。600円節約するのは1000円稼ぐのと同じ価値になるんですよ。お金を使わない方が将来の財産になるという考え方ですね』

言われてみれば当然な話ではあるが、実際にこのように考え、支出、すなわちお金を「使う」スキルについて考えている人はそう多くはないように感じる。

それは、お金は使いたい分「稼げばいい」と多くの人が考えるからである。

しかし、お金の学習に取り組めばすぐに分かる事だが、「稼ぎ」を増やすのは決して簡単な道のりではない。それなりにプロセスが必要であり、努力が問われるのである。

さらにもし年月をかけ「稼ぎ」をうまく増やせても、支出が比例して増えることになってしまったら「稼ぎ」はいくらあっても足りないということになってしまう。

お金の教育に取り組めば意外とスムーズに気がつく事なのだが、お金は「稼ぐ」と「使う」は関連しており、「稼いだ」お金以上「使う」事は出来ないのである。そして「運用する」ことに取り組むようになると、「稼いだ」お小遣いから長期積立運用の投資金も捻出しなければならないので、「使える」お金は更に減ることになる。

しかし、長期積立運用にお金を使う事と、欲しいものを買うためにお金を使う事は同じ「使う」でも手に入れる結果は全く違うものとなる。積立運用であれば、将来の自分の為にお金を使う事になるが、欲しいものの為にお金を使うと、欲しいものが手に入る代わりにお金は手元から無くなってしまうのである。

このような体験を繰り返すことで、収入と支出のバランスを考え、手元により多くのお金を残せるようにお金を「使う」事を学ぶわけだが、その学習の中で、当然「買わない」という選択肢がある事も学んでいくわけである。

今回の記事で厚切りジェイソンさんが特に強調したのはFIREする方法ではなく、FIREしたければ支出を見直す必要があるという事であった。

別の記事「厚切りジェイソンが家族全員が一生困らない財産を築いた方法」でも触れたが、彼のお金の使わないっぷりは脱帽するほどである。移動手段は「足」であると考え、歩ける場所であれば1時間かかっても歩いていく。さらに嗜好品のワインだってバリュープライスのものを購入するという事である。

芸能界での地位があり、IT企業の役員もやっているような方であれば少々高価なワインを飲んだって誰も文句は言わないだろう。しかし彼の金融リテラシーは彼に支出を見直させ、出来るだけ出費を抑えるという購買活動へと彼を向かわせているのだ。

私もお金を使う際の工夫は以前とは比べ物にならないほどできるようになったが、お金を「使わない」という選択をするまでのものにはなっていない。

もちろん、稼ぎが十分にあり、使っても困らないお金の範囲であれば多少の贅沢は許容されるだろう。しかしこの許容範囲を学ぶまでの道のりでは「必要なもの・欲しいもの」を区別するスキルを養い、欲しいものを買わないという選択も学びつつ、しっかりと自分の資産を作り上げる必要がある。それは「運用」の際の「タネ銭」を捻出する必要があるからだ。

厚切りジェイソンさんの水準まで節約に取り組む必要は無いかもしれないが、彼のような考えを持った人が実際にはFIREを達成し、現在お金の心配をすることなく、芸能活動やIT企業の役員という仕事に取り組み、さらには家庭生活を守っているという事を知るのはやはり良い学びの機会となる気がしている。

少なくとも私はお金を「使う」という学びの深さを彼の記事から学び得ることが出来たと感じている。

【まとめ】

「支出を見直す」事は厚切りジェイソンさんが言うように、確かに地味な作業かもしれない。また、それなりに苦痛も伴うように感じる人もいるかもしれない。

しかしお金を使う際に、よりお金を使わない方法を知ることで「得した気分」も手に入れることができ、購買活動はより楽しいものになる事も知っている。

支出を見直す方法は一つではない。頭を柔らかくし、出来る方法を一つでも増やしていくことで最終的には買わないという選択肢も含め、上手に買い物をする方法を手に入れることになるのだと考えている。


本:ジェイソン流お金の増やし方 厚切りジェイソン (著) 

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