マガジンのカバー画像

短編小説集

14
あなたは、さっき聞いた曲をどんな気持ちで聞いていましたか?みんな違った感情で聞いているはずです。あなたの世界観を、共有してみてはいかがでしょうか?
運営しているクリエイター

#思い出の曲

仲間【短編小説】

仲間【短編小説】

※この小説は3分で読めます。

『あぁ、もうだめだ。 』

中3の肌寒い季節。
公立高校の受験が終わった。

そう言って落ち込んでいる
友人が目の前にいる。

『そんな目で見んなよ』

友人はそう言った。

別に怒っている訳では無い。
ただ、まだ決まったわけではないのに
諦めている姿に嫌気がさしているだけ。

そんな友人に僕は言った。
『そんな下向くなって、決まったわけじゃないやん。 』

そう

もっとみる
マタアイマショウ【短編小説】

マタアイマショウ【短編小説】

※この小説は3分で読めます。

『 あぁ、別れたんだ。』
隣にもういない彼女を思い出した。

あの時は何も考えてなかった。
いや、ずっと隣にいるものだと思っていた。

君も同じことを思っているのかな?
『そうであってほしい。 』
なんて言えない。

『マタアイマショウ 』
別れたあの日、最後に言った一言だ。

僕は、君の手をずっと握っていた。
君は今まで見たことない泣き顔をしていた。

そんな顔を

もっとみる
HANABI【短編小説】

HANABI【短編小説】

※この小説は3分で読めます。

僕は今この世界に生きている。
生きる価値なんてあるのかどうか。
嫌なことがあるといつもこう思う。
まあ、病み期ってやつなのか。
自問自答を繰り返す日々。

何かを得て、何かを捨てる。
そう簡単には何もかも手に入らない。
そうやって切り捨ててきた大事なものは
たくさんある。
上京した時なんて、まさに。
都会に一人暮らしという夢を得て、
大切な友達を地元においてくる。

もっとみる
猫【短編小説】

猫【短編小説】

※この小説は3分で読めます。

※この小説は3分で読めます。

今日は何だか夕焼けがすごく綺麗でオレンジ色に街が染まっている。
そんな日にあなたと別れた。

明日からは1人か。
不安に嫌気がさす。

いっそのことこの綺麗な夕焼けが
僕を飲み込んでくれればいいのに。

だけど現実そうはいかない。
どれだけ悲しくても明日は来る。

あーあ、なんだか笑っちゃう。
眠たくなってきた。

家に帰ろう。もう一

もっとみる
夜を駆ける【短編小説】

夜を駆ける【短編小説】

※この小説は3分で読めます。

とある夜。空の下に
まるで沈むように、溶けてゆくように
2人だけで。

『さよなら。 』と、フェンス越しに一言。
僕はその一言で察した。
君の姿が、まるで日が沈み出した空みたいに
病んでいるように見えた。

あなたと初めてあった日、
なんていう?どこか儚い空気感がある。

あなたは、寂しそうな目で僕を見ていた。
その時、あなたに心を奪われた。

時計はチクタクと、

もっとみる
いつかのメリークリスマス【短編小説】

いつかのメリークリスマス【短編小説】

※この小説は3分で読めます。

結婚してから何年たったろう?
けど、1年は長く感じる。そんなこんなで
いつの間にか12月になっていた。

クリスマスのイルミネーションが
1つ灯り始めると、まるで連鎖反応のように
街全体が慌ただしく灯りを灯り始める。

そんな綺麗な街、誰でも好きになる。

あの当時、僕は彼女がいた。
隣町にデートしたある日、
素敵な椅子を見つけた君は、
『サンタさんがくれたらいいの

もっとみる