ラルフ【歌詞短編小説作家】

"歌詞には意味がある" 何気なく聞いているその曲の歌詞を、 …

ラルフ【歌詞短編小説作家】

"歌詞には意味がある" 何気なく聞いているその曲の歌詞を、 あなたはどこまで想像していますか? そんな歌詞を短編小説っぽく書き上げました。 この小説を見たあと、曲を聞いてみて。 ◥◤◥◤◥◤◥◤◥◤◥◤◥◤◥◤◥◤◥◤◥◤

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  • 短編小説集

    あなたは、さっき聞いた曲をどんな気持ちで聞いていましたか?みんな違った感情で聞いているはずです。あなたの世界観を、共有してみてはいかがでしょうか?

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旅立ち【短編小説】

※この小説は3分で読めます。 明日旅立つ君に手紙を描き始めた。 色々思いながら時間を見ると、午前0時。 日が昇る時間にお前は旅立つ。 いつもの駅で、一言 『気をつけてな! 』と言って笑えるように 今の気持ちを全部手紙に描こうと思う。 君は目標に向かって進もうとしている。 それは、後ずさりできない自分だけの リレーみたいなもの。 泣いて、帰ってきたら許さねー! まだ僕らが知らない場所で 泣きたくなっても、踏ん張れ。頑張れ。 君の新しい人生の1ページを刻む旅路で、 不安

    • 仲間【短編小説】

      ※この小説は3分で読めます。 『あぁ、もうだめだ。 』 中3の肌寒い季節。 公立高校の受験が終わった。 そう言って落ち込んでいる 友人が目の前にいる。 『そんな目で見んなよ』 友人はそう言った。 別に怒っている訳では無い。 ただ、まだ決まったわけではないのに 諦めている姿に嫌気がさしているだけ。 そんな友人に僕は言った。 『そんな下向くなって、決まったわけじゃないやん。 』 そう言うと、友人は頷いた。 友人の努力は知っている。いつも隣の席で 何か問題を解き

      • マタアイマショウ【短編小説】

        ※この小説は3分で読めます。 『 あぁ、別れたんだ。』 隣にもういない彼女を思い出した。 あの時は何も考えてなかった。 いや、ずっと隣にいるものだと思っていた。 君も同じことを思っているのかな? 『そうであってほしい。 』 なんて言えない。 『マタアイマショウ 』 別れたあの日、最後に言った一言だ。 僕は、君の手をずっと握っていた。 君は今まで見たことない泣き顔をしていた。 そんな顔を、横目で見ていた。 目は合わせられなかった。 だから、手をずっと握っていた。

        • HANABI【短編小説】

          ※この小説は3分で読めます。 僕は今この世界に生きている。 生きる価値なんてあるのかどうか。 嫌なことがあるといつもこう思う。 まあ、病み期ってやつなのか。 自問自答を繰り返す日々。 何かを得て、何かを捨てる。 そう簡単には何もかも手に入らない。 そうやって切り捨ててきた大事なものは たくさんある。 上京した時なんて、まさに。 都会に一人暮らしという夢を得て、 大切な友達を地元においてくる。 いちいち憂いていても、誰も助けてはくれない。 赤の他人が同情してくれることなんて

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          14本

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          Beautiful【短編小説】

          ※この小説は3分で読めます。 喧嘩しても、いつもあなたは、 『ごめんね!はい、これで終わりね!』 と、微笑んだ顔を見せる。 そのたびにいつも思う感情がある。 ありのままの君が1番美しい、と。 喧嘩する理由なんていつもしょうもないこと。 一つだけ忘れないで欲しい。 君が好きだということはずっと変わらない。 普段はお互い仕事で忙しい。 会えない時間の方が僕らは多い。 お互いが忙しいって分かってるから、 頼りたくてもなかなか頼れない。 そんな時、どうしても 1人で涙

          猫【短編小説】

          ※この小説は3分で読めます。 ※この小説は3分で読めます。 今日は何だか夕焼けがすごく綺麗でオレンジ色に街が染まっている。 そんな日にあなたと別れた。 明日からは1人か。 不安に嫌気がさす。 いっそのことこの綺麗な夕焼けが 僕を飲み込んでくれればいいのに。 だけど現実そうはいかない。 どれだけ悲しくても明日は来る。 あーあ、なんだか笑っちゃう。 眠たくなってきた。 家に帰ろう。もう一緒に帰る人はいない。 昨日のことなんて幻だと言い聞かせながら。 やけくそよ。あ

          夜を駆ける【短編小説】

          ※この小説は3分で読めます。 とある夜。空の下に まるで沈むように、溶けてゆくように 2人だけで。 『さよなら。 』と、フェンス越しに一言。 僕はその一言で察した。 君の姿が、まるで日が沈み出した空みたいに 病んでいるように見えた。 あなたと初めてあった日、 なんていう?どこか儚い空気感がある。 あなたは、寂しそうな目で僕を見ていた。 その時、あなたに心を奪われた。 時計はチクタクと、 時間はいつものように進んでいる。 心ない言葉やアンチコメントに 泣きそうになる

          夜を駆ける【短編小説】

          いつかのメリークリスマス【短編小説】

          ※この小説は3分で読めます。 結婚してから何年たったろう? けど、1年は長く感じる。そんなこんなで いつの間にか12月になっていた。 クリスマスのイルミネーションが 1つ灯り始めると、まるで連鎖反応のように 街全体が慌ただしく灯りを灯り始める。 そんな綺麗な街、誰でも好きになる。 あの当時、僕は彼女がいた。 隣町にデートしたある日、 素敵な椅子を見つけた君は、 『サンタさんがくれたらいいのにな。』 と一言。 仕事の都合上、 なかなか隣町に行くには時間がなかった。 それ

          いつかのメリークリスマス【短編小説】

          アンマー【短編小説】

          ※この小説は3分で読めます。 あれは初夏の晴れた昼下がりだったらしい。 母から昔教えてもらった、私の生まれた瞬間 父からは、こう聞いた。 『母さんの喜びようときたら大変だったぞ!』 名前の由来も教えてもらった。 とにかく悩んだらしい。 そして、悩み抜いた末に、 "ただ真っ直ぐ信じる道を歩んで欲しい" と、願いのこもった名前を貰った。 私の家は、あの頃から裕福な方ではなかった。 自慢げに買ってもらったものを見せてくる友達 そんな友達の姿を見て、 『あれほしい!買って

          アンマー【短編小説】

          マリーゴールド【短編小説】

          ※この小説は3分で読めます。 とある夏の日。強い風が吹いた その時僕の心が揺さぶられた 君を見ていると、だんだん恋しく思えた。 毎日マンネリの日々 悲劇のヒロインぶって だらだら愚痴なんか言ってみたりした分 君は光って見えた。 僕は幸せ者だと改めて思えた。 麦わら帽子のあなたの後ろ姿が 揺れたマリーゴールドに似ていた。 そういえば、2人恋に落ちたのは まだ空が青い夏の日だった。 『懐かしいね! 』 2人で笑いながら思い出した。 あの日の恋の話。 うるんだ目で僕

          マリーゴールド【短編小説】

          ひまわりの約束【短編小説】

          ※この小説は3分で読めます。 君は泣いている。なんでかはよく分からない。 僕が泣くタイミングなのに。 告白して、返事がない。脈ナシか? 僕よりも悲しんでるように見えるから、 つらいのがどっちか分からなくなる。 だって、今までずっと変わりない日々が、 あなたがいることで特別な日々になるから。 あなたの横にいてもいいですか? あなたのために僕にできることが あるかは分からないけど。 それでもただ、あなたに笑って欲しい。 あなたのそのまっすぐな優しさ、温もりは まるでひまわ

          ひまわりの約束【短編小説】

          オレンジ【短編小説】

          ※この小説は3分で読めます。 別れてからしばらく経つけど、 まだ中学生の僕たち。 そんな僕たちもいつかは大人になる。 今日の夕日はとても綺麗だ。 色んな感情が押し寄せ、涙ぐんで 夕日が揺れて見える。 10年後も同じように揺れるのかな? イタズラのように天気雨が通った。 バスよりも早く通り過ぎた。 夕日越しの雨が街をオレンジ色に染めた。 そう言えば、学校の帰り道、 君を送るために遠回りして 2人乗りで自転車で帰ってた。 夕日のあたたかさが、僕の背中に感じた あなたのあたた

          オレンジ【短編小説】

          欲望に満ちた青年団【短編小説】

          ※この小説は3分で読めます。 まだペーペーだったあの時。 "いける!!"と思って夢をみた。 その夢はとても非現実的で、 キラキラしていた。 あの日描いた夢は馬鹿みたいだった。 夢のまた夢みたいなことを思っていた。 その描いた夢に対し、 僕たちは足踏み状態だった。 毎日同じ夢を語り合うだけで、 前に進んでいる気になっていた。 それも、今だから笑える。 夢を語り飽きた僕たちは、 ついに夢に向かい行動しはじめた。 夢の幕を開けた。 けど、待っていたのは想像を軽く超える

          欲望に満ちた青年団【短編小説】

          レモン【短編小説】

          ※この小説は3分で読めます。 あなたとの過去は 夢だったらよかったのに。 またあなたの夢を見た。 さよならした後に 『あ、忘れ物』 と思ってまたあなたの元へ また会いに行くみたいに もうだいぶ前にさよならした 懐かしい思い出と戯れている 幸せだった時間は二度と戻ってこないと あなたと別れた時に初めて感じた。 ぶっちゃけ言いたくない昔話も、 あなただったから初めて打ち明けた。 あの日以上に傷つくことなんて 今後ないことなんて分かっている 悲しかっ

          ドライフラワー【短編小説】

          ※この小説は3分で読めます。 別れてしばらく経つ。 私はドライな性格だ。 自分ではそう思っている。 お互い忙しくてすれ違うことの方が多く、 喧嘩ばかりしていた日々を思い出した。 基本的に私が悪かったと思う。 『多分私じゃなくてもよかった』 今ではそう思っている。 ある日のこと。 本当は価値観が合わないことも 薄々分かっていた。 ちゃんと話そうと思っていた。 2人きりの部屋でいざ話そうとすると、 結局私は何も言わないまま あなただけがちゃんと話して

          ドライフラワー【短編小説】