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アルバムレビュー

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漫然とアルバムを聴いていると印象を忘れてしまうので、アルバムを聴きながら1曲づつ感想を書き留めてみることにしました。特にジャンルレス。その日選んだアルバムを聴いてレビューしていき…
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#ハードロック

Creeper / Sanguivore

Creeper / Sanguivore

2014年デビューのUKのバンド、Creeperの3枚目のフルアルバム。気が付けば毎回アルバムを出すたびに取り上げています。

1st。

2nd。

「凄く好きなバンド」というほどでもないと思っていたんですが、毎回記事を書いているし過去2作はLPも持っているからかなり好きなのかもしれない。正直、前作はあまり出来が良くないなぁと思っているんですがLPを買っていました。何かコレクター心をくすぐるとこ

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人間椅子 / 色即是空

人間椅子 / 色即是空

日本の誇るストーナー/ドゥームメタルバンド、人間椅子の2年ぶり、23枚目のアルバム。1989年のデビュー以来、ほぼ1年か2年おきにアルバムをリリースし続けるという偉業を成し遂げています。継続は力なり。ドラムがナカジマノブ氏に変わった2004年以降、現体制としては12枚目のアルバム。現体制でのアルバムが全カタログの過半数を超えました。不遇の90年代後半~00年代を経てOzzfest Japanへの参

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Metallica / 72 Seasons アルバムレビュー(第一印象)

Metallica / 72 Seasons アルバムレビュー(第一印象)

いよいよMetallicaの新譜が公開されました。あまり前情報を入れず、初聴した感覚を書き残しておこうと思います。

1."72 Seasons" 7:39 ★★★★☆先行発表されていたタイトル曲、リフがなだれ込んでくる。これはすべてダウンピッキングだろうか。今の基準だとそこまで高速というわけでもないが体感として早く感じるリフワーク。そのまま疾走感のあるドラムが入ってくる。アップテンポなナンバー。

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Steve Vai / Inviolate(2022、US)

Steve Vai / Inviolate(2022、US)

音の変態度 ★★★★☆

音の魔術師、と呼ばれるVai先生。ギタリストとしてよりルックスがどんどん奇術師みたいになってるからな気がしなくもないけれど、貴重な「大道芸としてのギタープレイ」を伝承する御方。もともとバンドは大道芸みたいなものだし、60年代のギタリストは手品みたいなところがあったからね。バイオリンの弓でギターを弾いて見せたジミーペイジとか、手元を隠して弾いていたリッチーブラックモアとか(

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Night Resident / Darkness Is My Home

Night Resident / Darkness Is My Home

昨日の「Black Soul Horde」と中心メンバー2名が同じバンド。こちらはイニシャルで活動しているようですが、JT=John Tsiakopoulos、CP=Costas Papaspyrouですね。JTはBlack Soul Hordeではリズムギターとベースを兼任していましたが、こちらではベース兼ボーカルのよう。こちらはメタルよりもう少しロック寄りの音像のようです。こちらも2021年作

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Eclipse / Wired

Eclipse / Wired

総合評価 ★★★★★

スウェーデン、北欧メタルの中堅、エクリプス。「北欧のメタル」というと人によってイメージするものが違うが(世代によって最初に想起するのが透明感のあるハードロックなのか、あるいは激烈なブラックメタルやメロデスなのかが違うだろう)、こちらは80年代的な、元来の意味での「北欧メタル」を奏でているバンド。完成度がとにかく高い。80年代スタイルのメタルを頑なに演奏しているけれど十分今の

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Lordi /  Humanimals(1989)

Lordi / Humanimals(1989)

総合評価 ★★★★★

まだ華やかな、80年代の終わりに向かう時期。最後に咲き乱れるメインストリームだった時代のメタル。アルバム全体がどうこうというより単曲の集まったようなアルバムで、B面が少し息切れ気味だがどの曲もしっかりとしたメロディはある。まさに89年という時代を映すアルバム。レーベルからシングルヒットを求められる、MTV全盛期の煌びやかな時代。その中でしっかり時代に適応して活動していたんだ

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Lordi / SKELECTRIC DINOSAUR(1975)

Lordi / SKELECTRIC DINOSAUR(1975)

総合評価 ★★★★

1975年リリース、Lordiの1stになるのだろうか。この頃はまだあまり「北欧らしさ」は前面に出ていない。6,8に片鱗が見られるぐらいか。70年代に一世を風靡したハードロックサウンドであり、KISSやAlice Cooperバンドのようなオカルティックな装いがある。音的にはUSっぽく、意外とカラッとしている。あまりUK的な、楽器隊のせめぎあう感じや情念的なものはない。もっと

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Volbeat ‎/ Servant Of The Mind

Volbeat ‎/ Servant Of The Mind

総合評価 ★★★★★

50年代~90年代までのロックミュージックのさまざまなスタイルを取り入れた硬派なメタル。このバンドのトレードマークであるロカビリー感はもちろん、サーフミュージックや70年代的なハードロック、80年代ヘアメタル(およびヨーロッパに代表される美メロの北欧メタル)、90年代のグルーヴメタル(というかメタリカ)、そして90年代中盤以降のメロコアを取り入れたかなりミクスチャーなサウン

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The Darkness / Motorheart

The Darkness / Motorheart

総合評価 ★★★★☆

安定して良質なハードロック、80年代ヘアメタル化したキンクスみたいな。ファーストアルバムでいきなり全英1位を取り、クィーン的と評されたダークネスも2作目にして分解。その後2012年に再結成してすでに7作目のアルバム。安定した固定ファンが付き、その期待を裏切らない良質なハードロックアルバムをリリースしている。曲調はクィーン的、特にコーラスのつけ方は初期クィーン(オペラ座の夜以

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GREEN LUNG / Black Harvest

GREEN LUNG / Black Harvest

Green Lungは2017年からロンドンで活動しているUKのドゥーム、ストーナーバンドです。TIDAL(使っているストリーミングサービス)で「Luciferを聴いた人におススメ」で出てきました。本作が2枚目のアルバムの様子。こうした関連性レコメンドがTIDALはしっかりしているんですよね。一番精度が高い気が個人的にはしています。1曲目を聞いてみたらカッコいいし、各種メディアで絶賛気味なので聞い

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Lucifer / IV

Lucifer / IV

2020年のベストアルバムにも選んだLuciferの新譜。ルシファーは、2014年にフロントウーマンのヨハンナ・サドニスによってベルリンで結成された多国籍ヘビーメタルバンドです。いくつかのメンバーの変更後、ボーカリストのサドニスは唯一のオリジナルメンバーであり、現在のラインナップにはドラマーのニック・アンダーソン(元エントゥームド、ヘラクプターズ)がいます。もともとの活動国はドイツですが、現在ドイ

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A Day To Remember / You're Welcome

A Day To Remember / You're Welcome

デイ・トゥ・リメンバー(しばしばADTRと略される、以前はEnd of a Eraという名前で活動)は、2003年にフロリダ州オカラで結成されたUSのロックバンドで、メタルコアとポップパンクの融合で知られています。

本作は5年ぶり、7作目のアルバム。激烈性が後退し、よりポップになった作品と評されているようです。2022年、ダウンロードUK(キャッスルドニントンで開催される旧モンスターズオブロック

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Crazy Lixx / Street Lethal

Crazy Lixx / Street Lethal



Crazy Lixxは2002年にスウェーデンのマルメで結成されたグラムメタルバンドです。モトリークルー、デフレパード、エアロスミス、キス、アリスクーパーなどいわゆるヘアメタル、日本ではLAメタルと呼ばれる80'sの華やかなポップメタルの直系のサウンドを鳴らすバンド。以前、スウェーデンのメタルバンドを特集したときにも取り上げました。

本作は2年ぶり、7枚目のアルバムで、2010年のセカンドア

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