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アルバムレビュー

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漫然とアルバムを聴いていると印象を忘れてしまうので、アルバムを聴きながら1曲づつ感想を書き留めてみることにしました。特にジャンルレス。その日選んだアルバムを聴いてレビューしていき… もっと読む
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2021年10月の記事一覧

Mastodon / Hushed and Grim

Mastodon / Hushed and Grim



マストドンは2000年にUSのジョージア州アトランタで結成されたメタルバンドです。グラミー賞のベストメタルパフォーマンスに4回ノミネートされ、2018年には受賞。過去2作もビルボードトップ10に入るなど一定の商業的成功も収め、USメタルの中堅バンドとして確固たる地位を築いています。フェスだとセカンドステージのヘッドライナーとかそういう立ち位置。専任リードシンガーはおらず、楽器隊4人のうち2人(

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Beast In Black / Dark Connection

Beast In Black / Dark Connection



Beast In Black(BIB)はフィンランドで2015年に元バトルビースト(Battle Beast)のメインコンポーザー/ギタリストであったアントン・カバネンを中心に結成されたパワーメタルバンドです。北欧メタルの超新星、フィンランドメタル界の期待の星であり、前作「From Hell With Love」は2019年ベストアルバムの1位に選びました。大サビが終わったと思ったらさらにメロ

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Biffy Clyro / The Myth of The Happily Ever After

Biffy Clyro / The Myth of The Happily Ever After



ビッフィ・クライロはスコットランドのキルマーで1995年に結成され、2002年にアルバムデビュー。結成以来変わらない3人組のロックトリオです。本作が9枚目のアルバムで、過去3作は全英No1を獲得しており、本作で4作連続でNo1を獲得するかもしれません。今のUKでとても人気が高いバンドで、2022年のダウンロードUK(旧Monsters Of Rock)の3日目のトリなんですよね。

錚々たるメ

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Architests / For Those That Wish to Exist

Architests / For Those That Wish to Exist



アーキテクツは、2004年に双子の兄弟ダンとトム・サールによって結成された、イーストサセックスのブライトン出身のUKのメタルコアバンドです。デビュー当時はThe Dillinger Escape Planなどに影響された攻撃性が高く、リズムが複雑なカオティックなサウンドでしたが、だんだんメロディアスな要素を取り入れたポストハードコア、メロディックハードコア的な音像に変化。その後、メインソングラ

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U.D.O. / Game Over

U.D.O. / Game Over



ジャーマン・メタルの大御所、UDOの3年ぶり、17作目のアルバム。スコーピオンズと並ぶジャーマンメタルの源流とも言えるAcceptを脱退後、ボーカルのウド・ダークシュナイダーが結成したUDO。もはやAccept時代よりもUDO時代の方がダークシュナイダーは長くなったわけですが、一時期はヘヴィ&ダーク路線に変更したりしていたものの近作ではパワーを取り戻していると評判です。今年はDIRKSCHNE

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Cradle of Filth / Existence Is Futile

Cradle of Filth / Existence Is Futile



クレイドル・オブ・フィルスは、1991年にイギリスのサフォークで結成された英国のエクストリームメタルバンドです。デビュー当初はブラックメタルでしたが、ゴシックやシンフォニックな要素を取り入れて音楽性を拡張してきたバンド。英語版wikiだと「エクストリームメタル」とだけ表現されていますね。確かに、細かい区分よりそういった方が分かりやすいのかも。とはいえ、基本的にはダークでゴシック、中世的、黒魔術

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Dream Theater / A View from the Top of the World

Dream Theater / A View from the Top of the World



ドリームシアター、1985年にUSで結成されたプログメタルバンドで、プログレッシブメタルというジャンルを開拓したバンドの一つです。2年ぶり、15枚目のアルバム。2020年10月から2021年3月の間に録音され、20分を超える大曲で終わる7曲、70分のアルバム。「鑑賞する音楽」としてメタル音楽を再定義した偉大なバンドと言えるでしょう。コンスタントに良作かつ大作を発表し続けており、これだけベテラン

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Employed To Serve / Conquering

Employed To Serve / Conquering



エンプロイドトゥサーブ(ETS)は2012年にUKで結成されたハードコア、メタルコアバンドで、女性ボーカルを擁する4人組。本作は4作目の作品となります。メディア評価が高いバンドでKerrangが100点。本作は最初にどこで触れたのか忘れましたが、TIDALのレコメンド新譜で出てきてちょっと聞いてみたらよい感じだったのでアルバムリストに入れておいた気がします。まだあまり本作のレビューは出ていませ

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Magdalena Bay / Mercurial World

Magdalena Bay / Mercurial World



マグダレナベイは、シンガーソングライターのマイカ・テネンバウムとプロデューサーのマシュー・レビンで構成されるLA出身のアメリカのシンセポップデュオです。2016年結成で、結成当時は別々の大学に通う学生でしたが、もともと二人は高校生の時に出会って放課後プログラムの一環としてプログレッシブロックバンドを組んだのがきっかけだそう。TikTokで活発に活動し、MVが少しバズったようですね。本作がデビュ

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Paradox / Heresy II

Paradox / Heresy II



パラドックスは1986年に結成されたドイツのパワー/スラッシュメタルバンドです。本作は彼らが1990年にリリースしたスラッシュの名盤「Heresy(異端者)」の31年ぶりの続編となる作品。Heresyは13世紀のアルビジョア十字軍についてのコンセプトアルバムで、本作はその続編となります。

活動歴は長いですが、1990年から2000年はアルバムをリリースしておらず、本作が8作目。リリース数は活

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TWELVE FOOT NINJA / VENGEANCE

TWELVE FOOT NINJA / VENGEANCE



今週は平常運転、テーマなく新譜を聴いていこうと思います。1組目はTwelve Foot Ninjaの「Vengeance」。Twelve Foot Ninjaはビクトリア州メルボルン出身のオーストラリアのヘビーメタルバンドで、2012年にデビューアルバムSilent Machineをリリース。前作「Outliner(2016)」は好評を持ってうけ入れられ、オーストラリアのレコードアワード「AI

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CHAI / WINK

CHAI / WINK



邦楽ウィーク最終日、今日は6枚目でCHAIの「WINK」を聴いてみます。一応、6枚で今のJ-POPの輪郭が掴めるような盤を選んでみたつもりです。その中で最終日のCHAI(チャイ)は一番海外に活動の軸足を置いているというか、世界で勝負しようとしているバンド。前作「PUNK(2019)」はオルタナティブロック史でも2019年のアルバムの一つに選びました。

2017年のSWSX(アメリカの、インデ

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Official髭男dism / Editorial

Official髭男dism / Editorial



邦楽ウィーク5日目。今を時めくOfficial髭男dism(ヒゲダン)の「Editorial」を聴いてみます。名前は当然知っていますが、きちんと聴くのは初めて。

Official髭男dism(オフィシャルひげだんディズム、英: Official HIGE DANdism)は、日本の4人組バンド。2012年に大学のサークル仲間を中心に結成され、2015年にインディーズデビュー。2018年、イン

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折坂悠太 / 心理

折坂悠太 / 心理



邦楽ウィーク4日目。今日は折坂悠太の「心理」を聴いてみます。折坂 悠太(おりさか ゆうた、1989年9月16日 - )は、鳥取県出身のシンガーソングライターで、2013年から人前で演奏を始め2014年に自主制作盤をリリース。初のワンマンライブ開催やイベントに参加して着実にファンを増やしていき、2018年にリリースしたセカンドアルバム「平成」は第11回CDショップ大賞2019で大賞(青)と、ミュ

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