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日々の演劇

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#演劇

伝わる/伝わらないとか受け取り方/受け取られ方とかの話

伝わる/伝わらないとか受け取り方/受け取られ方とかの話

今年の10月にとある演劇コンペティション(つまり早川倉庫杯くまもと若手演劇バトル DENGEKIのことなんだけど)で25分程の短編を上演した際に、お客さんのアンケートに「実験が長過ぎるように感じた」という感想があった。

先日、同じくその上演を観ていただいた方にも、その「実験」の部分に関して、こうしたらいいんじゃない、ここがこうだった(のでだめだった)、というダメ出しをもらった。

僕は両方にその

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夢の話

夢の話

改めて言うほどのことではない、「夢」の面白いところは、目が覚めてみると現実ではどんなに道理の通っていない経験も、体験者がその一切をあっさり受け入れてしまうことだ。その世界の常識をこの現実で考察するところから超現実は見え始める。そこで僕たちは自らの深層心理と会話する。

現実で「道理が通る」とはあくまで物理的法則のことで、まだ我々が知らない現象は宇宙、あるいは地球上で、空中で、山奥で、深海で、僕たち

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護身術、始めました。

護身術、始めました。

まず動機としては、単に身体を動かしたい、できれば、演劇に応用したい、というもので、最初はヨガをやろうと思ってた。
しかし、剣道有段者の自分としては、久しぶりにスポーツというか、もう武道をやりたいと思って、合気道とか柔術とか「福岡 武道」で色々検索したところで偶然見つけた「護身術」 やるしかねぇ。

今3回ほど通ったんだけど、これがめちゃくちゃ面白い。
今日教わったのは「合気」、まさに合気道の中心に

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香川に行ってきました

香川に行ってきました

写真は商店街に突然現れた空中オブジェ。
いつからあるのか、どんなコンセプトなのかも分からないけど、かなりでかい。隣には瀬戸内国際芸術祭2016の垂れ幕も。

9月4日で瀬戸芸夏会期も終わり。
3日には直島の宮浦ギャラリー六区で、丹羽良徳さんのクロージングイベントがあって、参加してきた。以前冷泉荘でお会いした、劇作家の岸井大輔さんも。

丹羽良徳さんの、既に亡くなっている歴代町長を様々な霊媒師が呼び

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上演の指示「pump ver.2.0」

上演の指示「pump ver.2.0」

・メトロノームか、テンポが一定のBGMとそれを流す装置。
テンポを変化できるもの。
音(曲)を3種類に変えられるもの。
・これを操作するための装置(タブレットやカセットプレーヤーなど)
・1人以上の人

パターンA
何人かの人は息を吸うと共に動き、残りの人は息を吐くと共に動く。1小節で吸い、1小節で吐く。

パターンB
全員が息を吸う時と吐く時、両方の時に動く。

パターンC
音に関係なく自由に喋

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今朝の熊本日日新聞。演劇で復興に携わる団体が、熊本でも立ち上げ。

演劇と映画鑑賞に関する後悔の話

演劇と映画鑑賞に関する後悔の話

演劇を週一以上の頻度で観に行くようになると、必ず「ハズレ」に出会う。
頻度との関係はまあ経験的なものだけど、週一以上で観に行く程ならそれなりに目も肥えるし、それくらいの感じでハズレの公演が紛れてるって話。
それに、ハズレって言っても好みはあるから。

で、この「ハズレ」を観た時に、僕はあんまり後悔しない。
浪費したお金と時間は戻ってこないが、まあそれなりの「経験」は得られたと、少なくとも2000円

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芸術鑑賞、印象派から、現代アートへ

芸術鑑賞、印象派から、現代アートへ

先日島根県立美術館の「ポーラ美術館コレクション展」に行ってきた。

印象派のモネをはじめ、彼に影響を与えた画家や、その後の芸術の動きを追える展示だった。

島根県立美術館は宍道湖のすぐ隣にある。
宍道湖では、水平線に沈む夕日が有名で、この美術館の閉館時間が「日没後30分後」になっているのも面白い。
そんな美術館で、モネの「セーヌ川の日没、冬」はが見れたのが大きかったと思う。
セーヌ川の夕日を宍道湖

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「陰湿集団の記録(仮)」

「陰湿集団の記録(仮)」

複数人の役者。
舞踏家。
音楽の演奏者or音響操作スタッフ。

呼吸と身体を互いに真似し合う。
ズレないように、慎重に動く。(ドウチョウ)

音楽が流れ出したら、役者は歩き出す。
舞踏家は踊り出す。
時折、1人の役者がもう1人の役者を〈掌を顔の前にかざす〉〈目を合わせる〉といった方法で自由に動かす。舞踏家が混ざっても良い。(サイミン)

曲調が変わると、再び役者は互いに真似し合う。
ゆっくり

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観劇記録「Good bye, Robert」

観劇記録「Good bye, Robert」

先月初めに観た、陰湿集団にも所属し、大学演劇部時代には九州戯曲賞大賞を受賞した木下氏の新作で、彼の個人企画砂漠のクロ猫企画の初公演。

会場は、毎週のようにジャズセッションやイベントが行われる箱崎水族館喫茶室。
(ちなみに箱崎水族館とは昔近くに実際にあった水族館らしく、夢野久作の「ドグラ・マグラ」にもその名前が出てくるが、今は箱崎宮の近くにその跡地だけがある)
この喫茶店はたくさんの本や漫画がおか

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稽古ノート0421(リンク)

稽古ノート0421(リンク)

http://insitusyudan.blog.fc2.com/blog-entry-340.html

久しぶりの陰湿集団での稽古。
内容は上のリンクを参照のこと。
メンバーは馬場と長野と。

前にやったことがある稽古に関しては、意識する点を変えることで発見が。
俺自身も身体を動かすことで、発見がある。
やっぱり、トレーニングは実践することで意味をなす。当たり前だけど。机上のゲームで終わってい

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「時代」感、古い戯曲の上演

「時代」感、古い戯曲の上演

今日は九大演劇部の後輩の新入生歓迎公演を観に行った。

新3年生、つまり2つ下の代の演目は岸田國士の「紙風船」で、90年も前の戯曲。
僕が以前参加した戯曲解釈のワークショップで扱われていたこともあって、演出を楽しみにして行った。

初々しい夫婦の会話。
縁側で夫は本を読み(これ、戯曲では新聞だった気が)、人一人入る程度のスキマを開けて、妻が裁縫をしている。既に、なかなか現代では見られない光景。

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次の作品、ただの好奇心

次の作品、ただの好奇心

散々、というほどでもないけど、複数の人に「演出に集中した方がいい」と立て続けに言われて落ち込んでたので、開き直って懲りずに作品を作る。

トレーニング内容

・セリフを読む(台本に書かれたもの)

・身体を動かす(指示にしたがって)

・セリフを読みながら身体を動かす

・トレーニングの前後で自分の身体の状態を測定する(心拍数・血圧・体温など、変化に富むもの)

これが新しく作る作品の、今のところ

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観劇記録、コックピット「あしぶみ」

観劇記録、コックピット「あしぶみ」

演劇ユニットコックピットの「あしぶみ」北九州公演に照明スタッフとして参加して、ゲネプロを観させてもらった。

初演は福岡学生演劇祭で上演した30分の芝居で、今回の再演は全国学生演劇祭に向けて脚本を改変し、俳優も一部変わり、45分の芝居になっていた。

誠一は戦争で死に、「霊魂」が娑婆に留まっている。誠一の家族は彼が死んだこと初めは受け入れられないものの、互いに感情を吐露し、前を向き始める。その光景

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