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140字の小説を集めてみました。(それ以外の短編もあります)
お時間がお許しならば、少しでもお立ち寄りください。
このマガジン、読めば笑顔になるかもです。
笑いはあなたのお薬です…
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2023年2月の記事一覧
ワンちゃん (140字の小説)
犬に出会った。僕の目を睨んでいる。だが犬の目に力は無い。
「お前、僕に何か用か?」
と聞いてみたが、答えるはずが無いと想っていた所に返事がきた。
「お前こそ、私に何か用か?」
僕は驚き犬に聞いてみた。
「お前、話せるのか?」
「おい、そこのあんた、何で犬に向かって、ワンワン言っているんだ!」
念願のマイホーム、欠陥住宅か?(140字小説)
完成間近の、この住宅。
だが、僕の眼には歪んで見える。
大工が言うには、
「歪んだ様に見えるのは、目の錯覚です」
「でも、左右の隙間が違うのですが?」
「デザインですよ左右対称では、面白味に欠けます。」
「でも可笑しく無いですか、この建物?」
「あんたね!私の家にケチを付けないでくれないか!」
憂い(140字の小説)
僕は、憂鬱である。僕だけ外には出られない。他の奴らは、外に出て存分に謳歌しているのに、僕が外に出ると失笑される。
僕はいつも、穴に篭って埃の侵入を防いでいる。
僕は、大事な役割をしているのだ。
穴ばかりに居たくない
僕も外に出たいのだ
思い切って飛び出した!
「やだ〜おじさん。鼻毛出てる〜」
忖度麻雀(140字小説)
私は3度の飯よりも、麻雀が好きだ。
「好きこそ物の上手なれ」と云う諺があるが、
私の実力は巷ではプロをも凌ぐと、言われている。
だが、そんな私でも会社の得意先が
相手となると、忖度し故意的に、まけなければならないのだ。
規定の満貫でも、私は言う
「ここは、4000点におまけさせて頂きます」と
魚と猫(140文字小説)
人が生造りを食べる様に、猫だって生の魚が食べたい。
魚は僕を見ると、逃げてしまう。
猫「魚君、友達になろうよ」
魚「騙して、食べるつもりだろう」
猫「そんな事しないよ」
魚「じゃあ、握手しよう。手を水の中に入れてくれ」
猫「解った、入れるよ。痛い何するんだ。」
ピラニア「美味しいよ。生の猫は」