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車窓から見える理想論と心のドア

座席に身を落ち着ける。

皆が通学通勤する朝に
私はいつもと違うことをしている、
と非日常の始まりに胸を躍らせる。


特急列車で出発を待つのもそう。

片側はいつものせわしない列車で、出たり降りたり。
一方こちら側は旅する特急。
乗客の時の流れがなんだか違う、ゆったり。


あぁ、走り始めた。
ほら、旅のアナウンスも流れてきた。

電車が好きだ。
バスと比べて、パーソナルスペースがそれなりに保たれる。
窓が大きく、景色も味わいやすい。

私はスマホの小さな画面にかじりつくより、横の大きな窓ガラスから変わりゆく景色を眺めていたい。

もちろん、長距離なら読書やビデオ鑑賞もいい。あなたの自由自在に移動時間を過ごそう。

「ぼくらが旅に出る理由」という小沢健二さんの曲をいつも思い出す。
Bank Bandで桜井さんが歌っていたのがきっかけで知ったっけ。


田園や川を眺めるのが好きだ。

夏の稲穂が青いさまや、秋になれば黄金色なさま。
畑と家が一定のスペースごとにいくつも並んでいるさま。
畑の作物、トラクター、どこまでも続く自然。
どこからか繋がっている川の流れ。太陽に反射してきらきら光る水面。


…のどかさに仕事のせわしなさや普段の不安と寂しさをしばし忘れ、頭の隅においやる。



いつかちょうどいい田舎にも住んでみたい。
前にも別の投稿で話したが、海のある町に住みたい。
海が好きなのだ。

そんな理想はぼんやり出てきても、
あぁ、でも仕事が限られているかな。運転免許もないし。
などと、すぐ現実的な理由で自分をがんじがらめにして諦めてしまう。

現実的な目をすることは社会を生き抜くうえで必要だけれど、あまりにも社会の常識だとかマジョリティに縛られてしまうと自分の好きすら見つけられなくなるのね。

それがこどもの頃の夢と大人の夢の違いかな。

ちょっとの夢見心地とちょっとのリアリティが必要で、どちらも一緒に自分の中に存在させておかなきゃと思う。

チャンスは自分で作らないと永遠には来ないかもしれないけれど、願いを口に出したり、やってみたいことを計画立てて見たり、それだけでも可能性の自分への扉は開けられる気はするんだ。

ほら、ドアは開いてるよ、ここにきてねって。

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