「日本コロムビアの谷川恰と大滝詠一」 第19回 Epilogue Part2 ゆらりろの唄
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「日本コロムビアの谷川恰と大滝詠一」 第19回 Epilogue Part2 ゆらりろの唄

霧の中のメモリーズ

日本レコード大賞

1986年(昭和61年)12月31日に日本武道館で開かれた第28回日本レコード大賞では、大瀧詠一作曲の小林旭「熱き心に」が金賞をとった。

同じ年の日本レコード大賞では、企画賞として、6枚組のLPボックス『三木鶏郎集大成』も受賞している。

このLPボックスには、宮城まり子の「毒消しゃいらんかね」やダーク・ダックスの「ゆらりろの歌」など、三木鶏郎の手掛けた音楽がレコード会社を問わず多数収録されており、本人も“生涯の「夢」の再現”であると語っている。

三木鶏郎は、1958年(昭和33年)、44歳のときに糖尿病で入院した後、1969年に「糖尿友の会」を作るなど、セミリタイアしてからも糖尿病と明るくつきあってきた。SONYの作ったオープンリールの大きなテープレコーダーの第1号機を個人で導入するほどの趣味人で、自分のラジオ放送を録音・所蔵しており、『集大成』ではそうした自家用録音音源も多数収録された。

三木鶏郎はこの『集大成』の発売に際し、「座礁膠着に救助艇谷川氏が見事に船を離礁させ航路を彼岸に導いてくれた」と谷川に感謝の意を振り返っている。

谷川は、昔から三木鶏郎にあこがれていた。NHKの日曜娯楽版を作った名物プロデューサー丸山鐵男にも可愛がられていたものの、なかなか鶏郎本人と直接面会する機会には恵まれていなかった。

日本コロムビアを退職することが決まったときに、TBSの部長に挨拶に連れて行ってもらい、『集大成』の制作を途中から手伝うこととなった。谷川は、音源の権利関係の問題を解決し、発売に漕ぎ着けた。三木鶏郎は、谷川ならという信頼の念をもち、思い立ったときに谷川に連絡をよこすようになった。

谷川としては、この『集大成』をコロムビアから発売しようと考えていたが、コロムビアを退職し、徳間ジャパンで働いている知人と道でばったりと出会い、自社からの発売を強く懇願され、結果的に徳間ジャパンから発売することに落ち着いた。

この『集大成』には、三木鶏郎と大滝詠一の対談も掲載されている。大滝はインタビュアーとして的確な相槌をうちながら、掘り下げた質問を行い、憧れであり研究対象でもあった三木鶏郎から、当時の様子を詳しく語らせた。

谷川は、対談の企画には直接携わっていないが、谷川が発売に携わることとなったときに、大滝から谷川に直接挨拶があった。

大滝担当をはずれて約10年後、谷川と大滝の名前が再び同じアルバムに掲載され、鶏郎の頂のもとで、やさしい夢のトライアングルが完成していた。(完)




はい、いかがでしたでしょうか。「Epilogue Part2 ゆらりろの唄」をお送りしました。

さて、昨年の10月25日から約半年ほどかけて続けてきました「日本コロムビアの谷川恰と大滝詠一」ですが、今回の第19回を持ちまして終了と相成りました。誠にありがとうございました。

それでは、またお目にかかる日まで。That'll Be The Day。
Bye Bye!

  2022.03.21
  霧の中のメモリーズ

Editor's Note
『あとがきにかえて』 <2022.03.21>

(これまでの回一覧)
はじめに <2021.10.25>
第1回 プロローグ(舞台袖の谷ヤン) <2021.11.15>
第2回 コロムビアレコード移籍 <2021.11.22>
第3回 『ナイアガラ・トライアングル』レコーディング <2021.11.29>
第4回 『ゴー・ゴー・ナイアガラ』放送終了危機<2021.12.06>
第5回 『ナイアガラ・トライアングル』レコーディング パート2 <2021.12.13>
第6回 ナイアガラのパッケージ・デザイン<2021.12.20>
第7回 ナイアガラのパッケージ・デザイン パート2 <2021.12.27>
第8回 『ナイアガラ・トライアングル』プロモーション <2022.01.03>
第9回 「ナイアガラ音頭」プロモーション <2022.01.10>
第10回 難産の『ゴー!ゴー!ナイアガラ』 <2022.01.17>
第11回 ついに『GO! GO! NIAGARA』発売 <2022.01.24>
第12回 『SUMIKO LIVE』 <2022.01.31>
第13回 『ナイアガラ担当2年目の谷ヤン』 <2022.02.07>
第14回 『ナイアガラCMスペシャル』発表 <2022.02.14>
第15回 ガール・シンガー、シリア・ポール <2022.02.21>
第16回 『ファースト・ナイアガラツアーと「青空のように」』 <2022.02.28>
第17回 最終回 『カレンダー』と別れの季節 <2022.03.07>

Epilogue
第18回 『Epilogue Part.1 西武球場コンサート』 <2022.03.14>
第19回 『Epilogue Part.2 ゆらりろの唄』 <2022.03.21>

Editor's Note
『あとがきにかえて』 <2022.03.21>

【一言コラム】
豊川稲荷 <2021.11.29>
日本コロムビア本社 <2021.12.13>
niagara ✕ COLUMBIA バインダー<2021.12.27>
ABC会館ホール <2022.01.03>
コロムビア・グランド・スタジオ・ロビー<2022.01.10>
TBS "G"スタジオ <2022.02.07>
谷ヤンとヨーロッパ・ツアー <2022.02.28> <UPDATED 2022.03.07>
シャルル・オンブル楽団 <2022.03.07>

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