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カナダ生活

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記事一覧

トロントパブリックライブラリーに行った日

トロントパブリックライブラリーに行った日

「図書館に行こうと思ってるんだけど一緒に行かない?」

友人からの誘いは突然だった。早めの夕飯を食べていた私は30分後にはストリートカーの停留所にいた。近所に住む友人はすでにそこで待っていた。地下鉄に乗り換えると、ちょうど午後5時半過ぎで仕事が終わった人たちの帰宅ラッシュに巻き込まれた。とはいえ、東京の平日の昼下がりの空いた電車程度の混み具合である。所々に空席もあるし、隣の人と肩が触れ合うこともな

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深夜1時のバナナブレッド

深夜1時のバナナブレッド

私は食材を無駄にするのが大の苦手だ。お皿に少しでも何かが残っていようものなら、ご飯粒一粒までしっかり食べる。入院していた時、おそらく何百人もの患者さんを見てきただろう看護師さんに、食べ終わったお皿が綺麗だよねとわざわざ褒められたほどだ。もちろんそれは、冷蔵庫の中も同じだ。毎日料理をする前に野菜や肉の状態をチェックし、悪くなりそうなものから順に使っていく。だから私が食べ物を捨てるということは、残飯や

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カナダの映画館で魔女の宅急便を観た

カナダの映画館で魔女の宅急便を観た

少し年末の話に戻るのだけど、大晦日、トロントの映画館Revue Cinemaで魔女の宅急便を見た。ジブリの中でも大好きな作品の一つで何度も観ている映画だけれど、初めてスクリーンで観ることが出来た。一緒に行った友人はイタリア系移民のカナディアンで、覚えている限り初めてジブリを観るようだった。

私たちは近所に住んでいるので、同じ停留所でストリートカーに乗り、約1時間ほどコトコト揺られて映画館に向かっ

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こんにちは、2023年––おせちを作った

こんにちは、2023年––おせちを作った

新年明けましておめでとうございます。
2023年って未来だなあともうここのところ毎年思うけれど、これからもずっと未来を生き続けていくと思うと怖いような、何が起こるかワクワクするような。

さて2023年元旦は、一緒に暮らすカップル(カナダ生まれ)と、同じコンドー(マンション)に住む友人カップル(カナダ育ち)に、おせち料理とお雑煮を振る舞いました。お世話になっているカナディアンに日本文化を少しでも紹

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カナダへ帰国します

カナダへ帰国します

カナダへ帰ろう。
やっと、本当にやっと、決心がついた。

私のカナダ留学第一章はいろんな理由でかなり難航した。コロナ禍でオンライン留学となり、クラスメイトに会うこともできず、学業の忙しさと金銭的な余裕のなさとコロナ禍により引きこもりになり、ついに体調を大きく崩した。

体調を崩してから生活を変えて楽にはなったのだが、二年間の留学のうち最初の一年間は、自室にほぼこもりきりでパソコンにかじりつき、学業

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写真日記

写真日記

湖畔を友人たちと歩いてきた。
湖畔では展示をやっていて、アートの町、直島を思い出させた。
私は久しぶりにiPhoneで写真を撮った。なんだか、こうやって写真を撮るようなわくわくすることをもう長らくやっていなかったな、と思う。人と出歩くこともずっとなくて、きっとだから少し疲れてしまったんだろうと思ったりする。

永住権を目指してカナダにきたわけだが、こちらに来てから日本に住む日本人のパートナーができ

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病院に行った

病院に行った

またしても更新が遅れてしまった。このひと月ほどとにかく体調が悪い。
微熱と頭痛、時に頭が割れんほどの激しい頭痛、一日ベッドから起き上がれないほどの倦怠感。体調が悪い。体調が悪いので気分も落ち込む。課題も進まない。

二週間前オンラインでクリニックを受診した。
カナダではホームドクター(主治医)の制度があり、何件か近くのお医者さんに電話するも今は新規の患者さんを受け付けていないと断られた。コロナ禍な

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知識ゼロで英語でプログラミングを学んで思ったこと

知識ゼロで英語でプログラミングを学んで思ったこと

私はカナダの永住権をプログラマーで取ろうと、プログラミングを専攻するカレッジに入った。その時のプログラミングに関する知識は文字通りゼロ。あまりに無知で、第二セメスターの今も、この学校を卒業してつける職業って一体何があるんだろう?ということを模索したりしている。

そんなドのつく素人がプログラミングを一から、英語で、学んで気づいたことをシェアしたい。おそらくプログラミングに限らずこれから専門的なこと

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カナダ移住のその先

カナダ移住のその先

カナダに住みたい。永住しよう。

そう思って、永住への確実なステップとしてカナダの公立カレッジへの進学を決意した。私の場合、永住するためには公立カレッジ卒業後にスキルド職種と呼ばれる仕事に就いて1年ほどカナダで就労しなければならなかった。学生をもう一度やり直すならカナダで働くことになる仕事に直結することを学ぼうと、数あるスキルド職種の中から、当時興味のあったプログラミングを選んだ。

不安な社会情

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意見を交換することの大切さ

意見を交換することの大切さ

助けあうことは難しいと前回の記事に書いた。今、私の授業は全てオンライン開講で、キャンパスに通うことがないので輪をかけて難しい。だけれど、ここのところ良い循環を生む仲間のような相手に恵まれている。

私たちのセメスターのひとつの山場とも言えるC++の授業で出会った彼は、活気のあるその授業で、私と一、二を争って発言数が多く、授業が始まってすぐに私は彼の名前を覚えた。向こうもそれは同じだったらしく、私の

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助けあうことの難しさ

助けあうことの難しさ

彼からのメッセージは突然きた。
自分はあるクラスのクラスメイトで、課題のWordファイルが開けないので送ってくれないか、と。おそらくクラスのWhatsApp(欧米ではポピュラーなLINEのようなアプリ)から辿ってきたのだろうと思われた。

課題のWord以外にも色々と文献などがその講義では同じポータルサイトを通して配られていた。親切心から、他のファイルが開けるかと訊くと、他のファイルがあるなんて知

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2022年は2022キロ歩くことにした

2022年は2022キロ歩くことにした

2022年が始まって1ヶ月が過ぎた。私は相変わらず課題に追われている。
このセメスターに入って、プログラミングについて考える課題がぐっと増えた。

プログラミングするなかでつまづくのは、多くは論理的なミス、言い換えれば抜け穴に気づけないことが多い。そんなときはずっと画面に向き合っているより、少し画面から離れて、コードに向き合い直すとふっと論理的な矛盾を見つけることができる。そんなことに気づき始めた

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2021年下半期、いよいよ留学、そして来年のこと

2021年下半期、いよいよ留学、そして来年のこと

2021年上半期は在宅勤務ばかりだったこともあって、そのほとんどの思い出が留学準備だったことは前回のnoteに書いた。下半期は、それまで勤めていた会社を退職し、その翌週には飛行機に乗って、カナダの地に降り立ち、このnoteにまとめてきたカナダでの生活が始まったのだった。

日々の生活についてはその都度noteに、第一セメスターについては下記のnoteにまとめているので、そちらを参照してもらうことに

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2021年上半期、留学準備の話

2021年上半期、留学準備の話

2021年もあと1週間を切った。2021年はカナダ移住に向けて大きく舵を切った一年だった。長くなりそうなので上半期と下半期で二つの記事にわけて振り返りをしたい。

今から一年前、クリスマスに大好きだった祖母が亡くなった。翌日に受けた留学のためのIELTSは、年末の業務で毎日遅くまで残業していて準備不足だったのも手伝い、必要なスコアには今一歩及ばなかった。

永住権との兼ね合いで、年齢的に半年たりと

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