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ことばノート

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言語・日本語に関する共感した記事と、私見、思いつきの備忘録みたいな。
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#言葉

言葉が気持ちを作る

言葉が気持ちを作る

岡田憲治『言葉が足りないとサルになる』(亜紀書房, 2010年)

ちょっと言い過ぎだと思われそうなタイトルである。本文も情熱的で、少々主観的にすぎる感があるが、それは「豊かな言葉とたくさんのおしゃべりこそが、これからの日本を救う」という筆者の主張の、筆者自身による実践に他ならない。そして読んだ者に、肯定であれ、否定であれ、言葉を使って本の内容についての自分の考え・意見を形成・表明しなければならな

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あくまで、推測の域を出ませんが。

あくまで、推測の域を出ませんが。

以前、「発表をはじめさせていただきます」という言い方が気になるという記事を書いたが、実はもう1つ、ゼミの学生が頻繁に用いる表現で気になるものがある。それが「あくまで推測の域を出ませんが」という前置きだ。他の大学や研究室ではどうかわからないが、僕の所属する研究室ではこのフレーズが便利なものと思われているのか、レポートや研究発表の結論を導くときの前置きとして使われるのをよく耳にする。おそらく「とりあえ

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#63. あなたの名前に女性の響きが?

#63. あなたの名前に女性の響きが?

名前が母音の -a で終わる人は、ヨーロッパでよく女性と間違われるらしい。

大学時代に受けていた講義で、「アキラ」という名前の初老の(すみません)先生が苦労話を話してくれた。

欧米の人たちと電話でやりとりなどしていると、名前を Akira と名乗ったとたん「女性ですか?」と聞かれるそうだ。

「いやあなた、わたしの声を聞いておわかりのとおり、明らかにわたしは男ですよ」といつも先生は返すらしいが

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