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【国ガチャ】ネパール~君がくれたもの~②【若者】

好きな国はどこですか。

30ヵ国以上旅した私が場末のスナックでよくされる質問です。
そんな時は私はドヤ顔で「日本」と答えるようにしています。
だって日本程最高な国って無いんだもん。なぜなら。

①飯が安くて旨い

余程の田舎でも無い限り、和食や中華とイタリアン。いつでもすぐに食べることができますよね。そして日本の飲食業界はバキバキの過当競争。
値段が高くて不味い店は数カ月で淘汰されます。
吉野家とか丸亀製麺ではワンコインで旨い飯が食えます。
東南アジアの国でも既に綺麗な店で美味しい飯にありつくには¥500では難しくなってきてます。
西ヨーロッパの人をサイゼリアに連れて行ったら卒倒するよ。

②公共サービスがしっかりしてる。

怪我をしたらすぐに救急車が来るし、揉め事が起きたらポリスが来てくれますよね。交通違反しても「特別扱いしてやるから賄賂くれ。」とか言われないし。
病院も待たされることはあるけどフラッと行って診てもらえますよね。
ドイツ在住の友人の話だと歯が痛くなっても1カ月後の予約しか取れないそうです。だって先生がバカンスでギリシャに行ってるんだもん。
住民票取る時も、助成金が欲しい時も、許認可を得る時も「人がいないから無理。また今度来て」とか言われないじゃないですか。
道も田舎ほど綺麗。

③治安が良い。

私が男性だからかもしれませんが、今まで日本の夜道を歩いても盗賊やギャングに遭遇したことは無かったし多分これから10年は無いと思います。
自動販売機って治安の悪い国の悪い人にとっては道に落ちてる貯金箱です。
田んぼ道にある監視カメラの無い公然と夜道を照らす光り輝く自動販売機(貯金箱)があるのは日本だけ。
都会でも新宿や渋谷で若い女性が酔いつぶれて道に転がってる国も本当に日本だけ。なんて素晴らしい国なんでしょう。

④観光地がたくさんある

綺麗な海を見たいなら沖縄へ、雄大な自然と冬景色を見たいなら北海道へ。伝統と文化を感じたいなら京都へ。アジアを感じたいなら大阪へ。山に登りたいなら長野へ。そして世界一の大都市TOKYO。
そしてほぼすべての都道府県にその土地の食べるべき名物、多様な食文化があります。
日本人のパスポート取得率17パーセントは納得の数字。
国内で完結できてしまう。外国に行く必要が無いと言われても否定する材料が無い。

この記事を見ているあなたは多分国ガチャには成功していると思う。

要するに絶賛落ちぶれ中の日本ですが、上に書いた様に日本は良い国。
基本的には五体満足で心身ともに健康体であるならば個人の努力でどうとでもなる要素がまだまだ強い部類の国であることは間違い無いです。
確実に年々生活レベルは低下していますが、高校生が一ヶ月本気でバイトすれば高級ブランドの本物の財布が買える国はまだ多くは無いです。
今後どうなるかはお察し。

ネパールと若者達の雇用

じゃあネパールではどうやねんということなのですが、フルタイムで働いても平均月給が2万円程です。
でも物価がお安いんでしょ?と思われがちですがそこまででも無い。

ネパールは海が無い内陸国。
北はヒマラヤ山脈。その北は中国の砂漠。要は人が住めない不毛の地。
そしてネパールの国土は日本と同じく大半が山々。農業にも向いてません。
南は大国インドなのでほぼ全ての物品がインドから入ってきます。
要するにインドの機嫌を損ねると全てが詰みます。
ネパールに選択肢、関税や価格の交渉権は無いに等しい。
もし信長の野望だったら5秒でスイッチをOFFするレベル。

山岳国家ネパール。
地元山形に来たような錯覚を起こした。
雲の向こうにはヒマラヤがある。(雨季で見れない)

市場や飲食店にある品物がほぼインド産、強制インド経由産なので価格が高い。
決して観光客向けとは言えないレストランでもカレーとドリンクを頼むと一人¥1000弱位はするので一回のランチで月給の5%が吹き飛びます。
庶民にとっては外食は年一レベルの贅沢。
ビールはロング缶が¥400です。
100円均一ショップみたいな安い店も無いので何の変哲も無い陶器のコップが¥300、しょうもない風呂桶が¥500。
大手のコンビニはありません。KFC以外のチェーン店は多分存在しません。日本の値段と同じ、もしくはそれより高いのでKFCは富豪のみが食べることを許されています。
家電も10年で買い替えなんて贅沢の極み。街の至る所に修理屋があります。

ネパールカレー。タルバート。
ネパール人の多くは365日朝夕カレーを食べます。
何故ならカレーしか無いから。
ABBもカレーなら週4でイケます。

そしてネパールにはエベレストに代表される観光業以外の強い産業がありません。
要するにまともな給料の仕事が無いんです。
所得と物価がバグってるので多くの庶民にとって、日本人が当たり前に享受できているサービスや娯楽は夢のまた夢と言って良いかもしれません。
ネパールの志を持った若者たちは全てか詰んでいることを悟り、国を捨て、日本、韓国、豪州、欧米などの先進国を目指します。

ということで国を捨てて(言い方)     日本を目指す若者たちの学校に潜入します。

こういったネパール人を労働力として外国に派遣するエージェントがカトマンズはもちろん、第二の都市ポカラにもたくさんありました。 

カトマンズ市内にあるエージェント「B to B Consulting」
ガイドのサロジェが経営している。

何とも言えない気持ちになったのが、ネパールの若者達は
「日本は世界最高の技術を持ち、最高の給料を得られる夢のような国」
と信じていること。う、30年前はそうだったかも、、なんか…ごめん…。

教室の様子。初めて見る日本人がネパール顔でごめん。
そして彼らは本当に日本人のように穏やかでシャイだ。好き。

先生「ABBさん、彼らの多くは初めて日本人と話すので授業して下さい。」
ABB「べつかまへんで。何か質問あるんか。ドントビーシャイ」

ネパ男子「日本にもタトゥーを入れている人はいますか?」
ABB「おるで。でもちょっと恐い人が多い思うで。」
先生「それはネパールでも同じですね。」

ネパ女子「日本にもカレーはありますか?」
ABB「安心しーや。日本には47の都道府県があるけどその全てにインド・ネパールカレー屋があんで。安くは無いけどな」

ネパ男子②「日本の女の子と付き合うにはどうしたら良いですか。」
ABB「金を稼げ。以上や。」

ネパ女子②「日本にはBTSみたいなイケメンはいますか。」
ABB「おらんことは無い思うけど東京や大阪みたいな大きい街に行くとええかもな。田舎は若い人は少ない。高齢者だらけや。知らんけど。」

その後、8人ほど日本独特の面接を教える為に。模擬面接を行った。
部屋に入る時はノックは3回。許可を得てから入室。椅子には浅く座り、前屈み気味で話す等の謎スキルを伝授。
彼らは勉強中の拙い日本語で一生懸命志望動機話していた。

「ニホンハ、タカイテクノロジーヲモッタ、アンゼンデ、セイケツナ、サイコウノク二デス。」
「ワタシハニホンデハタラキ、ギジュツヲシュウトクシタイトオモッテイマス。」

彼らは終始笑顔で夢の日本に行くことを楽しみにしていた。
希望を胸に。生活の為に。家族に楽をさせるために。
写真に写っている彼ら彼女らは1年以内には日本の工場や、電気工事会社、コンビニ、ホテル等で働くことになります。
ですがその給与は最低賃金に近い。
自分とその家族の人生が上手くいくと信じ、その少ない給与の中からネパールで暮らす家族に仕送りをすることになります。
仕送りする2万円はネパールの平均月収。
写真の中の彼らはネパールの地元ではヒーローです。
ABBが何が言いたいかというと、
もし彼らネパール人を街で見かけたら、お店で接することになったら優しくして上げて下さい。彼らはその人生を懸けて日本で働いています。

何の変哲も無いカトマンズの路上。

オーストラリアの最低時給は¥2300円+チップ。
韓国の最低時給は日本よりも高く、外国人は非課税。
欧州、米国は言うまでも無い。
日本のアニメや文化が好きなら良いけど、

「お金を稼ぎたいなら日本は辞めた方がいいよ」

と、私は彼らを目の前にすると言うことはできなかった。

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ABB
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ネパール編。続く。














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