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【医療】ネパール~君がくれたもの~④【福祉】

TOP画像はネパールの餃子「モモ」ピリ辛ソースにつけて旨いっ!!

穏やかな時間が流れる山岳リゾートポカラ。
そこに住む人々はとてもまったりしている。
歩くスピードも冗談みたいに遅い。好き。

メインストリートに鎮座する野良牛。
ヒンドゥー教徒にとって牛は神の乗り物。
太ってて美味しそうだが捕らえて焼肉はギルティーだ。

ということでポカラで1週間お世話になった宿を紹介したい。

ニューアンナプルナゲストハウス

このホテルはネパール人のオーナーのスリヤさんとその奥さんと他数名の従業員で経営されている。
スリヤさんの日本語は上手とかそういうレベルではなくて、ほぼネイティブなのでポカラに行く節約派の方、このホテルを強くお勧めします。ツアーやアクティビティもこのホテルで現地予約可能です。
何なら私に連絡いただければLINE繋ぐことも可です。

スリヤさん一家

左からスリヤさん、その奥さん、息子のラミチャネ君4歳。
ラミチャネ君は自閉症で、まだ発語が無い。
スリヤさんと奥さんは10年程前まで長く日本で生活していたが、父親からこのホテルを受け継ぐことになり、ネパールへと帰国した。
同居しているスリヤさんの父親は女子ワールドカップで日本が勝利したことを、私に嬉しそうに伝えてきてくれた。
ネパール人は本当に親日です。
当然ABBも親ネパだ。

スリヤさんは東京の飲食店で働いていた経験があり、当時ワンオペ問題で騒がれていたすき家でワンオペ深夜勤務していたという。
レストランでの店長経験もあり、スーパーいや、ハイパーネパール人だ。
(並みのネパール人というか、日本人以外の地球のありとあらゆる人が深夜の忙しいファストフード店を一人で回せと言われたら◯指おっ立てて辞めると思う。)

産経新聞ニュース(※当時のすき家ワンオペ騒動の)https://www.sankei.com/article/20140828RM37GMFWVFN4DCAMHXM6XUTDKY/

スリヤさんがラミチャネ君を紹介してくれた時、私がこれまで長い期間に渡って支援者として発達障害のある子供達と関わっていたこと、近い将来日本で障がいがある子供達の施設を作りたいと思っていることをスリヤさんに話をした。
私とスリヤさんが打ち解けるのには長い時間はかからなかった。
そしてネパールの自閉症医療の現場を知りたい、見てみたいということで、ポカラ市内に唯一の障がいのある方を対象とする医療機関へと同行させてもらった。

NPO法人Inter national Nepal Fellowship(INF)
手前のワンちゃんは番犬ではなく野良。
かわいいけど狂犬病が恐ろしいから触ったらあかん。

医療機関と聞くと、公立の病院なのかなと思ったがNPOが運営している。
ネパール政府が何にもしていないというのはマジの模様。
この機関でも色んな人が政府への文句を垂れていた。
敷地内には視覚障害、聴覚障害、自閉症、肢体不自由の方達を支援するための各部門があり、地域の中核といった印象。

EAR CENTER
様々なセクターがある。
ちなみにABBはネパール語が1ミリもわからない。

ABBには障がい福祉の現場で働いた経験が10年弱ある。
率直な印象として、意外にもと言ったら失礼な話だけど、かなり組織的で、専門知識に基づき、ちゃんとしているなという印象を持った。

日本で言うなら就労継続支援事業所(わかりやすく言うと作業所)に該当するであろうセクターもあった。

中では利用者の方が何かの作業をされている。
中には入れてもらえず、写真もNGであった。
何か作っているなら買いたかったんだけどな~

そしてラミチャネ君が通う自閉症のケアを行う部門。
彼はまだ言葉を発することができず、皮膚の感覚過敏の傾向がある。
ネパール語での会話、レッスンであったので全てを理解することはできなかったが、発音の練習、挨拶の練習、バランスボールを用いて触覚、感覚に慣れる練習等を30分程度行っていた。

バランスボールで手や身体の感覚を養う練習。
言うことを素直に聞くラミチャネ君。かわいい。

ラミチャネ君はこの施設に通い始めて数カ月。
最初は通うことが嫌で嫌で仕方がなかったんだとスリヤさんは話していたが、今はここに来ることを楽しみにしているそうだ。
これはABBの持論だが、子供達は、
「小さな努力を積み重ねて成功する」のではなく、
「小さな成功を感じるから努力できる」
のだと思う。
好きこそ物の上手なれ(だっけ?)
楽しく通えるようになったのは小さな成功。
だから努力(通う)することができる。
これからもこれからも楽しく通って欲しい。

インドの大学で学び、施設に勤めている先生。
(ブログに書く許可を取れていなかったため顔出し不可)
物凄く綺麗な人で、流暢な英語を話す。
思わずたじろぐABB。
なんか日本人的な価値観の標語が掲示されていた。

先生にABBのヘタクソな英語であれやこれや質問をしたかったのだけれど、
廊下には次の親子が待機していた。施設は慢性的な人手不足。
どこも同じだね。なんて話をしながらこの場を後にした。

ここには義足を作る工房もあった。

ABB「所でここに通うのにどの位の費用がかかるんですか。」
スリヤさん「日本円で毎月¥20000位かかります。とても高いです。」
ABB「え…、え!?」

ネパールの平均月収が¥20000程度であることは前の↓記事で書いた通り。
https://note.com/welm_support2023/n/ndbef0de9deb8

ネパールでは障がいのある子供に専門的な医療を受けさせるには平均月給と同じ位の費用が必要になる。

日本では障がいのある誰しもが障がい福祉サービスを享受でき、1割負担かつ、世帯の収入に応じて上限額が定められている。

ネパールでは障がい福祉サービスを享受できるのはごく一部の豊かな人に限られる。

次回。「ネパールの放課後等デイサービス」

放課後等デイサービスとは
wikipedia

つづく。




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