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【心理学32】PM理論とは(組織心理学、組織行動論分野、リーダーシップ論)

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はじめに

今日はリーダーシップ論の中でも有名な「PM理論」について解説していきます。

1966年に提唱された理論なのでだいぶ古いものですが、組織心理学分野では非常に珍しい日本人の提唱した理論なのでご紹介します。
どの教科書にもほぼ載っていると思うので、一応内容だけは抑えておきましょう!


1.PM理論とは

PM理論の提唱者は、三隅二不二教授です。
三隅教授は、九州大学の教授で、その後大阪大学の名誉教授にもなった先生です😁

三隅教授は、1966年に、リーダーシップ論の分野で「PM理論」を提唱しました。
その内容はかなり理解しやすい内容です。

まず、PM理論では、リーダーの「行動」に着目します。
そして、リーダーの行動には以下の2つの機能が存在するという仮説を提唱しています。

P型:Performance(課題達成)機能
M型:Maintenance(集団維持)機能

リーダーの行動を課題(目標)を達成するための機能を果たす行動と、組織としての集団維持機能を果たす行動の2つに分けて考えようというわけですね🤔

もっと実務的な言い方でいうと、目標達成のために計画を練ったり、進捗管理を行ったり、期限設定を行ったり、部下を叱責したりする行動がP型の行動です。
目標達成のために部下を管理し、統制するイメージです。
このP型の行動傾向が強い人は、目標達成にこだわる傾向が強いので、成果を上げる人が多いです。
そのため、「仕事ができるリーダー」という印象を持たれやすいです。

一方で、組織としての団結力を高めるために部下の相談に乗ったり、励ましたり、人間関係の調整活動を行うのがM型の行動です。
M型の行動傾向が強いリーダーは、部下から信頼されやすいので「人望があるリーダー」という印象を持たれやすいです。


この2つの機能のうち、どちらを重視した行動が多いのかで、リーダーを類型化しようと試みたのがPM理論です😁
P型の傾向が強い人を大文字の「P」で表現し、P型の傾向が弱い人を小文字の「p」で表現します。
同様に、M型の傾向が強い人を大文字の「M」弱い人を小文字の「m」で表現します。

PM理論は、これらの掛け合わせで、合計4類型のリーダーが存在するという理論です。

・P型の傾向が強く、かつ、M型の傾向も強い人(PM型)
・P型の傾向は強いが、M型の傾向は弱い人(Pm型)
・P型の傾向が弱く、かつ、M型の傾向も弱い人(pm型)
・P型の傾向は弱いが、M型の傾向は強い人(pM型)

図で示すと以下の画像のとおりです。

PM理論


説明はこれでほぼ終わりです🙄
簡単でしょ?

リーダーを課題達成重視か、集団維持重視かで4類型にしただけの理論です。
シンプルでわかりやすい。


2.どの類型がいいのか

上記の4類型の中で、どの類型が最もリーダーシップを発揮するのか。
類型一つ一つを解説していきましょう!


PM理論


(1)PM型


もちろん最強なのは「PM型」です。

課題達成に対するこだわりが強く、かつ、部下や同僚の人間関係にも配慮できるスーパーマンです😁
そういう人が理想的なリーダーであると考えられています。

ただ、そんな人…ほとんど見たことがないですけども🙄

理想像としては理解できますが、実際に探そうと思うとほとんどいないと思います。
仮にそういう人がいたとしたら、会社が手放さないでしょうし、報酬も順調に上がっていくでしょうから転職する理由が見当たりません。
そのため、会社内にPM型がすでにいる場合は、大切にしましょう!

そして、若手で先々マネジメント層を目指そうと思っている人は、今のうちにPM型の特徴をよく理解し、日頃から行動に注意を払いましょう。
意識するだけでもだいぶ変わるはずなので😁

理想のリーダー像


(2)pm型


一方で、課題達成傾向も弱く(仕事ができない)、かつ、人間関係にも配慮しない(人望もない)人間はリーダーには適していません。
そのため、pm型の人をリーダーに据えると失敗しやすいです😱

しかし、そういう会社が意外と多いのが現状だろうと思います。

それほどまでに人手不足なのか…
それとも途中からpm型に成り下がってしまったのか。
多くのケースは、pm型が上にいるから若手の優秀層がいなくなってしまい、人材不足がいつまでも改善されないという現象だろうと思います。

いずれにしても、pm型をリーダーにしたままだと組織そのものが崩壊していくので、できる限り早い段階で降格及び入れ替えを行うべきだと思います。
そのまま放置していると、優秀な人材から抜けていくことになります。

また、若い頃はPM型の優秀なリーダーだったけど、中年になってからpm型になってしまう人も少なからず存在します。
それが老いるということです😑
そうなってしまったリーダーを管理職に置いたままにしても良いことは一つもないので、早めに若い優秀なリーダーに入れ替えて行くべきだと思います。
それができない会社は、優秀な若手を失うことになります。

なぜ管理職になれてしまったのか



(3)Pm型


Pm型は、課題達成の意欲は強いので、業績を出す傾向があります。
しかし、人望はないため、部下から信頼されていません

このタイプのリーダーは、体育会系営業会社に多い類型で、短期的には良い業績を上げてくれます。
業績に対するこだわりが強いため、部下を叱りつけてでも強制的に目標を達成させようとする傾向が強いです。

一方で、長期的に見ると部下のモチベーションを低下させてしまい、組織は徐々に疲弊していきます。
これが離職率の上昇となって現れてくるので、時間の経過と共に良好な人材が減少していき、人材不足問題が深刻化していきます。
最終的には組織としての機能を持っていない会社になります🤔

叩き上げの体育会系リーダーに多い類型だと思うので、そういう自覚がある人は気をつけないといけません。
長期的視点に立って考えると、キャリア上もメリットがあまりありません。
一歩間違うとパワハラで訴えられたりしてその後の人生が詰みます。

せっかくP型の傾向が強いのですから、同時に部下の心にも配慮し、信頼関係を築く努力をすると良いかと思います。

ただ、一つ怖いことをお話しますと…
私の知る限り、Pm型のリーダーは「自分は人望もある」と考えていることが非常に多いです。

この類型のリーダーは、目標を達成するために部下を追いつめる傾向がありまして、その結果、周りにイエスマンが多くなりやすいので、自分の勘違いに気づけないまま年齢を重ねてしまうのです😱
最悪の場合、ナルシズムを併発してしまい、自己愛と自尊心が暴走しがちです。

自分の周りにいる一部のイエスマンたちだけを見て、自分が特別な存在であると勘違いしてしまいます。
この場合、自分を変えるチャンスすら生まれないので、変われないままキャリアの終焉を迎えます。
その間、被害者は量産されます…

遅かれ早かれ終わるタイプ



(2)pM型


最後にpM型は、課題達成能力は低いので、あまり仕事ができるタイプではないですが、部下への配慮や人間関係の構築能力には優れているので、人望はあるリーダーです。

この類型のリーダーが統括する組織自体は良好な状態が続きます。
しかし、目標を達成するために計画を立てたり、自分で戦略を練って実行するということが苦手なリーダーなので、仲良しこよしチームが出来上がって終わることが多いです。

経営管理部門などの間接部門のマネージャーとしてはたまに活用ポイントもあるかもしれませんが、営業部門の責任者には不適格だと思います🤔

ただ、この類型の人は、人間性は良いのですから、後は計画性や実行力があればPM型に変われます。
P型の能力は努力でなんとでもなると思うので、この類型にはまだ未来がある気がします👍

それに、無理をしてP型の要素を鍛え上げなくても、P型の要素が強い部下を持っていれば補完関係になるはずなので、そういうチームを作れば済みます。
すべてのことを一人のリーダーがやる必要はないと思うので、上手に組織を構築して、補完し合える組織を作れば良いと思います。

私の見解では、人望はすべての基礎です。
これがないとマネジメントなんてできないと思います。
だからこそ、M型の行動傾向は必須で、その要素がない人はそもそもリーダーとしての適格性を欠くと思っています。
その上で、P型の要素も鍛えるか、別の誰かで補完するかして組織を構築すれば、ある程度機能的になると思っています。

人望は一番大事



3.PM理論は実務で使えるのか

リーダーシップ論や組織心理学のテキストの多くで記載されているPM理論ですが、実際に実務で使えるかと言われると…
少し難しいと思います。
応用は可能でしょうけど、そのままこの理論で実務の難問が解決できるという代物ではないです。

確かに、良きリーダーがPM型であるという点は同意するのですが、実務の世界で重要なのは、PM型になる方法です。
しかし、そういうメソッド的なものは経営学・心理学の範囲外です。

そのため、分類・類型化・説明で終わってしまうので、PM理論が直接的に実務で活用できるわけではありません。
課題解決機能と集団維持機能の両方を担う人が良きリーダーであるということが何となくわかるだけです。

どうやったら課題解決能力を高められるのか、どうすれば集団維持能力を高められるのか。
その論点については、おそらく日々実務の難問に立ち向かっている実務家の皆様の方が詳しいと思います。

実務界で尊敬され、結果も出している人たちの話を聞くほうがより実践的で、役に立つでしょう😁
そういう優れた実務家に運良く会えたときに、的確な質問ができるように、課題解決能力と集団維持能力の2つの側面から質問リストを作っておくと有益かもしれませんね!



おわりに

今日は有名なPM理論について解説させていただきました。
どのテキストにも記載されているような理論だと思うので、すでにご存知の方の方が多いと思いますが、復習の助けになったら幸いです。

ビジネスの世界に入ったばかりの若手の皆様は、是非将来PM型になれるように、今のうちから日頃の言動に注意を払ってみてください😁

目標に対する逆算、計画設定、進捗管理。
同僚や部下に対する配慮や気遣い。

そういう小さな習慣の積み重ねによって良きリーダーが創られるのだと思うので、若いうちから習慣化してしまった方が有利です。
ベンチャーの世界では、若くしてマネジメントを任されることが多いので、若くしてPM型になることができるチャンスが多く眠っています。

将来経営者や組織の統括者として活躍したい若手の皆さん!
是非ベンチャーの世界へ👍

そして、ベンチャーへの転職では、SYNCAで転職活動していただけるとWARCが喜びます(笑)


では、また次回😁


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【著者情報】

著者:瀧田 桜司(たきた はるかず)
役職:株式会社WARC 法務兼メディア編集長
専門:法学、経営学、心理学
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