マガジンのカバー画像

休職日記 2022.3~

40
2022年3月から5月の休職に入っていた間の日常、感じたこと、復職後に考えたことなどを綴っています。
運営しているクリエイター

#休職中

休職日記 #34 80日間の過ごし方③

休職日記 #34 80日間の過ごし方③

全期間を通して専門家の指示には従う

ようは医者の言うことは聞きましょうという話。
私もそうだが精神の病気になるのは初めてのことで、何をどうすべきかはさっぱり分からない。医学的知識のバックグラウンドがないならなおさらだ。素人考えでこうした方がいいかもと考えたとしても、それが自分にとって良いという保証はなにもない。

この話の典型例が服薬だ。聞くところによれば、結構な割合で勝手に服薬をやめるという人

もっとみる
休職日記 #33 80日間の過ごし方②

休職日記 #33 80日間の過ごし方②

休職中期(3週間~1ヶ月半)出来ることから日常を取り戻していく

休職初期の徹底的な休息を続けていると、たまに調子の良い日が出てくる。そういう日にはきちんと家事をしたり、簡単な食事を作ってみたりと、日常生活に近いことをするようにした。持て余した時間には、体がなまらないように散歩に出かけたり、各種動画サービスで動画を見たり(とはいえ集中力はそこまで持たないので流し見だったり、1時間以下のドラマなどが

もっとみる
休職日記 #32 80日間の過ごし方①

休職日記 #32 80日間の過ごし方①

間もなく復職ということに相成った。適応障害が発症したあの日から休職の最終日までをカウントしてみたら、ちょうど80日間だった。

この80日間、noteを書くことで思考を整理し、復職のためのリハビリにも多少はなったかと思う。そういう意味でもnoteには世話になったのだが、それ以上にありがたかったのは、同じように休職を経験された方や休職中の方が書かれたnoteを読むことで「自分だけじゃないんだ」「こう

もっとみる
休職日記 #31 定時退社

休職日記 #31 定時退社

復職前には慣らし勤務をするのが決まりらしく、仕事という訳ではないが定期的に出社して、事業所内にあるシェアスペース的な場所で時間を過ごしている。やっていることも単に自学自習なのだが2か月強、勝手気ままな生活を送っていた人間にとって9時~5時ですら拘束されるというのは、なかなかしんどいもので、帰宅後はひとまず横になるという状態が続いている。こんな状態で復職なんて本当に大丈夫なのかという不安は正直あるが

もっとみる
休職日記 #30 初めての転職イベント

休職日記 #30 初めての転職イベント

以前から書いているように復職に向け、ひとまず動いている。しばらくは今の職場で続けるつもりだが、やはりメンタルで休職に至ったこと、そして以前から「ずっと、この仕事は続けられない」と考えていたことを踏まえれば、転職についてきちんと考えるチャンスではある。
ただ、どうやればいいのかよく分からないので、ひとまず転職イベントなるものに初めて行ってみることにした。

私服OKとのことだが、念のため久しぶりにス

もっとみる
休職日記 #29 睡眠の可視化

休職日記 #29 睡眠の可視化

以前、眠れなくなっているというお話をした。入眠剤が処方されているので入眠はできるのだが、中途覚醒や早朝覚醒がひどいという趣旨だった。
あれから幸いにも症状が改善して、今では中途覚醒もだいぶ収まり、朝7時くらいまで眠れるようになってきた。
正直「○○をして、眠れるようになった」という類いのことは特にない。単に病気の改善の結果、睡眠も改善したというお話なんだろうと思う。ただ、その改善の補助として役立っ

もっとみる
休職日記 #28 休職原因と向き合う

休職日記 #28 休職原因と向き合う

慣らし勤務が続いている。始業時刻までに会社に出てきて、あとは産業医から出されたワークだけして、自学自習をしろとのこと。(時間になったら、そそくさと帰る)
ただ、たかが2か月、されど2か月で「〇時~〇時まで(本来の業務時間よりは短い)は会社にいなければならない」と時間で拘束されるのが意外と苦痛ではある。

しかも、この慣らし勤務中にやっているワークというのが、休職原因の振り返りと再発防止策の検討とい

もっとみる
休職日記 #27 下世話な話②

休職日記 #27 下世話な話②

休職直後、ありとあらゆる欲がなくなった。食欲も落ちたし、人とも会いたくなかった。出かけたくもないし、テレビも本も見たくなかった。
幸い、食欲は1週間程度で戻ってきたし、1か月もすると人とも会いたくなったし、出かけたくなったし、本も読むようになっていた。ただ、一つだけなかなか戻らない欲があった。性欲である。

四捨五入すれば確かにアラサーだが、一応まだ20代の男性だ。流石に減退するには早いはずだ。だ

もっとみる
休職日記 #26 下世話な話①

休職日記 #26 下世話な話①

診断書が高い。診察料自体は健康保険が適用されるし、そもそも診察というサービスを享受しているので、そこはまあ多少かかってもしょうがないなという気になる。
だが、診断書だ。百歩譲って保険が適用されないのは、まあ良い。それ自体に何らかの利益を享受するわけでもなく、会社から求められているから書いてもらうものが実費負担なのがどうにも解せない。しかも、いつもは保険適用という甘い汁を吸っているから、診断書の領収

もっとみる
休職日記 #25 久しぶりの会社

休職日記 #25 久しぶりの会社

気が付くと休職に入ってから2か月が経った。4月の中旬から下旬ごろには、日常生活は全く問題なく送れるし、それなりに物事に対して意欲も湧いてきていたので主治医の診察の際に復職の話を切り出してみた。主治医としては、GW明けに復職に向けて動き出すというイメージだったため、やや早い印象を持ったようだが「まあ、そういうことなら」ということでOKをもらい、会社に復職の相談を開始した。

ただ、思った以上にここか

もっとみる
休職日記 #23 盗み聞き

休職日記 #23 盗み聞き

学生街の喫茶店ほど居心地の良いものはない。比較的空いているなら、なおさらだ。休職して良かったことなどほとんどないが、数少ない利点として、そういう混雑から解放された良い場所を利用できることというのは間違いなくあるだろう。流石に経済的な理由もあるので頻繁にそんな贅沢をすることは出来ないが、たまの贅沢としては至高の時間である。

先日も例のごとく、神保町の純喫茶で入手したばかりの古書をパラパラと眺めなが

もっとみる
休職日記 #22 白い街

休職日記 #22 白い街

昨日の雨空とはうって変わって晴れ渡った空、日差しはもはや春の物というよりは夏のそれだ。昨日は、家から一歩も出なかったので、運動がてら今日は少しだけだが近所を出歩く。
強い日差しによって照らされた街は、なんだか白く感じる。白い世界、ビルとビルの谷間、確かにそこに立っているはずの自分が、現実の世界にいるのか、幻の中にいるのか、よく分からない気持ちになる。不思議な感覚だ。

休職も間もなく2か月経とうと

もっとみる
休職日記 #21 耳の話

休職日記 #21 耳の話

東京に戻ってきてからは、比較的穏やかな日々が続いている。いろいろなことに対しても気力が湧いている。
ただ、ここ数日の天候不順には流石にまいってしまう。これは、適応障害云々というよりは生来の気象病もどきのせいだろう。前にも書いた気がするが、雨の日などはやたらと気持ちが落ち込む。幸いにして頭痛等はないので、天気痛というよりは気象病、あるいはその一歩手前といった症状というか、特性があるようだ。おかげで今

もっとみる
休職日記 #20 “ゆとり”と生産性

休職日記 #20 “ゆとり”と生産性

昔の本を読んでいると、昔の「ゆとり」に驚くことがある。
内田百閒などは、自由気ままに列車旅行をし1週間ほど東京を不在にすることも度々である。これは別に百閒先生のような大御所だから出来るのかといえば、そうでもなさそうだ。まだ、特に有名な著作を出せていなかった頃の志賀直哉なんかも3週間、城崎で湯治ができるというのも、よくそんな時間が作れるなあと思ってしまう。志賀直哉も、わりとぼんぼんだったらしいので、

もっとみる