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休職日記 #33 80日間の過ごし方②

休職中期(3週間~1ヶ月半)

出来ることから日常を取り戻していく

休職初期の徹底的な休息を続けていると、たまに調子の良い日が出てくる。そういう日にはきちんと家事をしたり、簡単な食事を作ってみたりと、日常生活に近いことをするようにした。持て余した時間には、体がなまらないように散歩に出かけたり、各種動画サービスで動画を見たり(とはいえ集中力はそこまで持たないので流し見だったり、1時間以下のドラマなどが中心)、仕事に関係しない短めのエッセイなどを読んだりした。ようはエネルギーをそこまで使わない好きなことをするようにした。

この時期、趣味である旅行にリトライしたことがあるが、ここでもエネルギーを使いすぎないよう留意した。以前からの私のおでかけスタイルは、日中にこれでもかと予定を詰め込み、動き回り、宿は寝るだけというものだった。しかし、今はそんな旅行をしようものなら、くたばるのは分かりきっていたので、方針を変え宿でゆっくりするスタイルにした。群馬の山の中の温泉宿で1泊2日だけ、特に宿から出ずにゆっくり温泉に浸かったり、部屋で本を読んだりを繰り返したのは、なかなか良かった。きちんとリフレッシュになったので戦略は大成功だった。

ただ、特に調子の良い日に、調子に乗っていろいろしてしまうと、これが心身にそれなりの負担になり、翌日はきちんとくたばることもある。そうなったら、やはり無理せず寝ておくのが良い。この調子の波には辟易するが、そこはもう割り切るしかない。

眠れないのが苦痛

もう一つ、この時期に辟易したのが不眠である。クリニックで入眠剤は処方されていたので、寝付けるは寝付けるのだが、夜中に何度か目を覚ましたり、やたらに夢を見て、寝たのか寝れていないのかわ分からぬまま目を覚ます。すると時間は、まだ5時など異様に早い時間だったりする。二度寝しようとするが、寝付けないのでやむなく起き上がるという日々が続いた。これは結構、きつかった。

適宜、主治医に相談し、処方された薬を調整るのものの、あまり改善はしない。仕方がないので「寝なくて良いなら起きてる時間を有効に使ってやろう」というぐらいのスタンスに変えた。朝が有効に使えると捉えると、存外早朝覚醒も悪くないと思えてくる。実際、振り返ってみてもこの時期の不眠には時間薬が最も有効だったと思うので変に「寝なければ」と思わなかったのは正解だったと思う。

休職後期(1ヶ月半~)

熱中できることをする

この頃になってくると調子の良い日のほうが増えてくる。ただ、相変わらず仕事のことは考えてしまうことは多い。考えないようにしようと思って、考えずに済むなら楽だが、残念ながらそんな器用な人間ではない。

では、どうするか。脳の処理を仕事以外のことに集中させるしか方法はない。この時期は、仕事に関係しない好きなことに時間を使うようにした。趣味の調べ物をするために図書館に出かけたり、入手した資料を見たり、それをまとめたりといったことをした。

もちろん、私はそういうことが好きな人間だからそれをしたわけで、何をするかは適宜、カスタマイズしてもらえれば良い。それなりに回復してきた段階においては、ある程度、好きなことを好きなようにすれば良いと思う。

規則正しい生活を意識

このくらいの時期になってくると、流石に気の向くままに生活から、きちんと規則正しい生活を送ることは意識した方が良いと思う。一定の時間に起きる、一定の時間に寝る、一定の時間に食事を取る、日中は活動量を増やすといったことだ。

まあ、相変わらず早朝覚醒は続いているので朝起きることはある意味、造作もないことだと思うので、あとは夜寝ることや日中の活動量を増やすことは意識した方が良いのではないか。自分も、このあたりになってくると1日につき5,000~10,000歩くらいは出歩くようにした。

また、身の回りのことも問題なくできるようになってくるので、この時期あたりから私は”味噌汁”を作るようにしていた。基本的に三食、家で食べるので汁物は欲しい。せっかくならと思い、スーパーで根菜やきのこを買って来て、3食分程度の具沢山味噌汁を作るようにしていた。

具沢山の味噌汁というのは、いいものだ。言うまでもなく、栄養面でも悪くないし(塩分が気になる方は、それだけはご注意を)、何より心がほっとする。
調理も出汁の素を入れた水を沸かして、切った具材を入れて、火が通ったら味噌をとくだけ。簡単だし、具材だけ事前に切って用意しておけば、さらに楽だ。失敗することはまずない。加えて、料理をすることも人を無心にさせるので、そういう意味でも良いと思う。

場所を変えてみるのも手

この時期、実家への帰省と旅行を合わせて1週間ほど家を離れたこともあったが、これも良かった。

私の場合、今の家は生活の場であり、かつテレワークをしていたために仕事の場でもあった。適応障害の発作に襲われたのも、この家だ。どうしても、仕事のこと、病気のこと、将来のことを考えてしまう。記憶と場所というのは、わりと密接につながっている。一時的でも場所を変える、環境を変えると嫌な記憶から無理やり引きはがしてくれるので、一つの手として有用だと思う。

このくらいの時期になると、それなりにエネルギーを使うこともできるようになってくるので、遠出してみるのも悪くない。実家でも良いだろうし、温泉宿で湯治をしてみても良いと思う。
あと、復職の話が出てくると、まとまった時間を気ままに使えるということはなくなっていくので、遠出しておきたいなら、このくらいの時期がチャンスだと思う。

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