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休職日記 #29 睡眠の可視化

以前、眠れなくなっているというお話をした。入眠剤が処方されているので入眠はできるのだが、中途覚醒や早朝覚醒がひどいという趣旨だった。
あれから幸いにも症状が改善して、今では中途覚醒もだいぶ収まり、朝7時くらいまで眠れるようになってきた。
正直「○○をして、眠れるようになった」という類いのことは特にない。単に病気の改善の結果、睡眠も改善したというお話なんだろうと思う。ただ、その改善の補助として役立ったかなと思うのものはある。睡眠アプリだ。

眠れている・眠れていないというのは所詮は、起床時の肌感覚だ。
起きてみて、何度か起きた記憶があるとか、寝た気がしないとかで「眠れなかった」と認識し、逆に起床時に中途覚醒の記憶がなかったり、疲れが取れたような感覚であったりすれば「よく寝れた」となるに過ぎない。
ただ、いかんせんそういう薬を飲んでいるがゆえに夜の記憶が曖昧で、起きてみて感覚としては寝た気がしないのだが「途中で何度か起きたような気がするんだけどなあ・・・」と寝れなかったという確証が持ちづらかった。

睡眠の状況をきちんと可視化しようと思い、睡眠アプリを導入してみた。
この手のアプリ自体は何種類もリリースされており、アプリによって無料でどこまでの機能が使えるかなど違いがある。ただ、いずれも「起きやすいタイミングで起床アラームを鳴らす」というのが、アプリのメインの目的だ。アプリはこの目的を達成するために、睡眠のリズムを計測する。
健康な人間の場合、一晩のうちに深い眠りと浅い眠りを交互に繰り返し、明け方には浅い眠りが多くなり、起床に至るというのが通常のパターンだ。アプリは、この眠りの深さを寝返りの頻度等で計測している。

私の狙いは起床アラームというよりは、この睡眠リズムの計測機能である。すなわち、一晩あるいは一週間で、どのように寝ているのか、中途覚醒している場合は、どのくらい起きているのかをデータで把握したいと思ったのだ。

最初に適当な睡眠アプリを導入してみたのだが、計測の精度があまりよくないのか、肌感覚とデータがあまり一致しなかった。また、アプリ更新の都合なのか、確かに就寝時にアプリをセットしたにもかかわらず、翌朝見てみると計測がされていないという事象が何度か発生した。
こりゃダメだと早々に見切りをつけ、別のアプリに変えてみた。こちらは肌感覚とデータが合致しているし、セットしたのに計測されていないという事象も発生しなかったので使い続けた。
アプリを使ってみると「あ、こんなに中途覚醒していたのか」「昨夜は結構、寝れていたんだな」というのがデータで示されるので、自分の睡眠の状況を客観的に把握できる。また、診察でも睡眠の状況は必ず聞かれる質問でもあるので、その点でも役に立った。

冒頭に述べたように、別に睡眠アプリそのもので眠りが改善するということはない。ただ、睡眠という主観的な評価に左右されがちなものを、客観的に評価できるツールがあるのは存外、役立つのだ。

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