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休職日記 #30 初めての転職イベント

以前から書いているように復職に向け、ひとまず動いている。しばらくは今の職場で続けるつもりだが、やはりメンタルで休職に至ったこと、そして以前から「ずっと、この仕事は続けられない」と考えていたことを踏まえれば、転職についてきちんと考えるチャンスではある。
ただ、どうやればいいのかよく分からないので、ひとまず転職イベントなるものに初めて行ってみることにした。

私服OKとのことだが、念のため久しぶりにスーツに袖を通し、ネクタイを締める。会場はビルの大きめの1室、20~30ほどの企業・団体がブースを出しており、そこを回れとのことだ。アプリを使って受付をして、いろいろと書類を受け取る。会場内は、夕方ピーク前のスーパーといったところか、そのくらいの人出だ。若年層にフォーカスを当てた転職イベントなので、参加者の年齢層は自分と同程度だ。案の定、私服の人も少なくないが、フォーマルな格好をしている人のほうがやはり多めとの印象を受けた。

椅子が2つほど置かれたブースをいくつか回る。正直、この手のイベントは立ち居振る舞いが難しく感じられ、正直苦手だが、あらかじめ話を聞いてみたいと思っていた企業・団体ブースで席が空いていたところから行ってみることにした。
どこでも、基本は担当者の方とマンツーマンで喋ることになる。まず、こちらの履歴が書かれた書類を渡して、やり取りが始まる。ほとんどのブースで「なぜ転職しようと?」「転職活動の期間はどのくらいと考えていますか?」と聞かれる。情報収集が主眼だったのと、すぐに転職をというふうに考えているわけではないので(表現はもちろん選ぶが)馬鹿正直に答える。
担当者の方は、その話を受けて会社や採用についての説明を始める。一通りの説明が終わると、こちらから質問を少しして、それが落ち着くと席を離れるというのが一連のパターンだった。
話を聞いてみたかったブースを回り終わったら、せっかくの機会だからと思い、あまり考えていなかった業界・会社のブースにも行ってみることにした。各担当者の方も手持無沙汰だと会場を徘徊している人間に声をかけて、ブースに誘導するので、それに従う。
職を求める側も様々だが、人を求める側も様々だ。中には「現在、離職中ですか?」などの質問が来るブースもあれば、こちらの書類を見て「いや、この経歴でうちはもったいないよ」と明け透けに話してくださるブースもあった(これはこれでありがたいなと思う)。

会場でもう一つ印象的だったのは、人気の企業・団体だ。あらかじめ話を聞いておきたいなと思っていた"団体"があったのだが、そのブースの脇に異様に人がいる。説明待ちの列だと気づくのにしばらく時間がかかった。その団体は、確かに20代くらいに転職を考え、特にワークライフバランスを重視しようと思っている層には真っ先に思いつく業界だ。ただ、その人気がこのように可視化されると「おぉ、ここに申し込むとなかなか熾烈な競争が展開されるな」と思い、つい及び腰になってしまう。

3時間程うろうろして、会場を後にした。月並みな感想だが「いろいろな会社があるんだなー」というのはよく分かった。結局、具体的なアクションに結びつくような収穫はなかったのだが、当初の目的は達せられたのと、自分の市場価値は、そこまで低く見積もらなくてもいいのかなという自信は持てたので足を伸ばした意義はあったかなと思う。

その日は、久しぶりの革靴で足が痛くなったこともあり、さっさと帰宅した。意義は感じたが、やはりそれなりに疲れはしたのだろう。今はもう少し自分と向き合って考える必要がありそうだ。

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