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休職日記 #21 耳の話

東京に戻ってきてからは、比較的穏やかな日々が続いている。いろいろなことに対しても気力が湧いている。
ただ、ここ数日の天候不順には流石にまいってしまう。これは、適応障害云々というよりは生来の気象病もどきのせいだろう。前にも書いた気がするが、雨の日などはやたらと気持ちが落ち込む。幸いにして頭痛等はないので、天気痛というよりは気象病、あるいはその一歩手前といった症状というか、特性があるようだ。おかげで今日は大したことは何もできなかった。

悪天候にも弱いが、最近音にも過敏になっていると感じる。こちらも元からなのだが、私は「聴覚情報処理障害」持ちだ。
大仰な名前がついているが(実際不都合も多いのだが)ようは騒がしい場所では聞き取りたい情報が聞き取れないという症状がある。音としては聞こえているのだが、意味のある音声情報として頭に入ってこないのだ。これはあくまで他に騒がしい音、ノイズがある環境下でしか起きない症状で、例えば静かな家の部屋なんかでは全く問題なく聞き取れる。静かな環境で行うので聴力検査も全く問題がない。
どちらかというと、聞こえすぎるという表現の方が適切で、聞き取りたい音も聞き取らなくてもいいノイズもいっぺんに聞こえてきてしまう。
以前から、そこまで強いわけではなかったのだが、ここ最近は特に騒音(聞き取りたい訳ではない音)に堪えられなくなっている。例えば、電車の走行音なら別に構やしないのだが、同じ車内で赤ちゃんに泣かれると結構しんどい。もちろん、赤ちゃんは泣くのが仕事だし、それを親がすべてコントロールできるわけではないことは知っている。誰も悪くない。可能なら、私も「おぉ、元気でいいねえ」ぐらいに構えていたのだが、ここ最近はなぜか耐え難いのだ。適応障害等と何らかの関係があるのかどうかはよく分からないが、事実そういう状態だ。

気象病も一説によると気圧変化が要因であるという。そして、気圧の変化は内耳で感じ取る。聴覚情報処理障害含め、どうも耳が弱い特性があるのかもしれない。確かに飛行機に乗ると必ず耳が痛くなるし、降りた後も耳に水が詰まったような感覚がその日中続く。

ストレスが耳に来ることは以前もあった。
社会人になって半年以上過ぎた頃だったろうか。別に飛行機に乗ったわけでもないのに、耳の詰まり感があった。数時間とか、1日という単位で収まるのであれば以前もあったことなので気にしなかっただろうが、その時は3日は続いたので、これは流石にまずかろうと思い、耳鼻科にかかった。診断は「低音障害型感音難聴」という、これまた仰々しい名前である。ようは、低音を聞き取る聴力だけが低下するという病気だ。低音だけ聞き取れないと、耳の詰まりとして認知されるらしい。幸いそのときは処方された薬を2~3日飲むと改善した。
だが、3か月ほどした時、再び症状が表れて、このときも同じ薬をもらったのだが、1週間経っても改善しなかった。今度は「メニエール病」かもしれないという診断になった。
メニエール病ならご存じの方も多いだろう。メニエール病は多くの場合、ひどい頭痛も併発するのだが、たまに頭痛がないバージョンもあるらしく、自分はそれではないかと言われた。処方箋に新たにまずい水薬が加わった。水薬の処方後は幸いにして1週間強で症状が収まったのだが、水薬の服用が結構、苦痛だった。

こうやって振り返ると、今のある種の聴覚過敏も、耳が弱いという私の特性に由来するものなのかもしれない。これは耳鼻科にきちんとかかったわけではないので、あくまで推測だ。
適応障害も改善してきているので、そのうちこの耳の症状も収まってくれればと祈るしかない。

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