見出し画像

本に栞を挟むような、小さな光。

今日は子どもの授業参観だった。

ときに予測してないところで
輝く光のようなものに出会う。
夜、寝る前のひととき。
ノートを広げ、今日あったことを思い返す。


午前中は上の娘の授業を参観、
午後は下の息子の授業参観を終え、
そのまま息子と共に下校した。

途中、息子は友だちと遊び、
寄り道しまくり、遊び放題。

同じ時間に娘も下校してるということを
すっかり忘れていた母。

帰宅して、ふぅーっと一息。
コーヒーを呑み、
30分後、ようやく動き出す。

「さて洗濯物でも入れるか」
と立ち上がり、庭に出ると、
そこには
ランドセルを置いて立っている
娘の姿が。

「えっっっ!」

予想外の光景に母は驚く。

「帰ってきたけど、お母さん
いないからここで待ってた」

娘は無表情。

「ええ???ええーーーーっっ」

そうだった!!!
一緒の時間に下校してたんだった!!!
なんてこったぁ!!!

寒い日に、庭でひとり30分以上、
待ってた娘。

「ごめん、ごめん、ごめん、ごめん」
ごめんの10乗、私は謝り倒した。

娘は
「ううん、大丈夫」と一言。

怖い。怖い。怖い。怒ってるよね。

しかも娘は友だちの家で
遊ぶ約束をしていたらしく、
家に置いてあった娘の携帯には、
何度もその友だちから
電話がかかってきていたらしい。

あー、遊びにもいけなかった…のね。
マジ、ゴメン、、、。

だがしかし。
その後、娘は一切
わたしを非難してこなかった。
愚痴の一言だって言ってこなかった。

めちゃくちゃ怒ってのことかと
思っていたけれど、そうじゃない。
その後、普通に学校であったことなどを
楽し気に話しかけてくるのだ。

どうやら本気で、怒ってない。

ねえ?あーた。

神なの?

その後、習い事で娘を
車で送るときになってママは
恐る恐る聞いてみる。

「ママのこと、怒ってないの?」

「あー…」と娘は言い、

「もうママってばあ、
しっかりしてよーん」

と甘えた声でクスクス笑った。

普段は、反抗期真っ盛りで
ちょっと冷めた感じの娘だけど

彼女の奥底に宿る"無条件の優しさ"
に触れることができた気がした。

家に帰ってくれば、ひとり反省。
参観もあってか、身体は疲れている。

黙々と洗濯物をたたんでいたら
どこからともなく
はらりと紙飛行機が飛んできた。
息子だ。

「ひらく」と書かれた文字。
開いてみれば

”マッサージ店 オープン

あなたはこっていますか!
ぜひごらいてんしてください。

(息子の氏名)店長 ※1日1回」

読んだ瞬間、大笑い。
疲れも反省も、一気に吹き飛んだ。

息子の優しいユーモアが
嬉しくて愛しくて
なんだか泣きそうだった。

その後、息子は1分ほど
肩をマッサージしてくれた。

「ありがとう、気持ち良かったな」
と言ったら、息子は照れまくり
「恥ずかしい」
と布団に顔を伏せた。

時が経てば、子どもたちと
こんなやり取りをしたことなんて
きっと忘れてしまうだろう。

とても些細なことだ。
なにげない日常の
なにげないやり取り。

でもその中に確かに宿るのは、
眩しい神性、愛である。

本に栞を挟むように、
いつでも思い返せるように。

大切にしたい。

そう書いたノートを閉じ、私は
お布団に潜り込んだ。

この記事が参加している募集

子どもに教えられたこと

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?