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【SLAM DUNK GI】40話「基礎が大事」

ウインターカップ敗退後、

進路が決まらなかった三井寿だったが、
安西の推薦で大学時代の教え子が監督に就任するCBAリーグ、川部製作所のトライアウトに合格した。



CBAリーグは企業バスケット連盟が運営する。

実業団からなり選手は会社員である。

新たなバスケット人生が始まったと同時に社会人の仲間入りを果たしたのである。

すなわちそれは社員としての勤務を意味する。

午前は勤務にあたり午後から練習の時もあれば、午後まで勤務し夜間練習という時もざらにある。

これが実態だ。

高校時代の授業とは違う疲労や責任が発生する。

そのサイクルに慣れるのにも一つの乗り超えるハードルとなる。


「高校時代のようにはいかねえな。授業なんてサボってたのも同然だったが、そうはいかねえ。」三井


勤務中

「三井君、練習の時間だろ? もうあがっていいよ。」
「あっ!  すみません。 練習後、仕上げますので。」

練習


「三井!! イージーだぞ!! そんなシュート外すな!!」

星山監督の激がとぶ。


入団1年目のルーキーイヤー三井は、公式戦出場0でシーズンを終えた。
早速、壁にぶつかったのである。




シーズンオフ、三井は安西の下へ報告と相談をした。


「そうかね。三井君、私は君に謝らないといけない。」安西

「えっ 何ですか?(実は推薦してなかったとか??)」三井


「湘北の台所事情もあった。シューターもいなかったからね。2年のブランクがあったのにも関わらず基礎トレーニングの積み重ねをせずに公式戦に出場させた。」安西



「いや!? それは俺が どうしようもなかったバカだっただけで、、、。」三井



「ちょうど今の三井君の年齢だった。大学時代の教え子でね。」



「将来有望だった選手だったがまだまだ粗削りで、私は基礎からみっちりと学ばせようとしたが、受け入れてもらえず、自分勝手なプレーに終始したあげく、私の下から離れた。」安西



「??? それでその選手は?」三井

「花は開かなかったよ。」安西



安西の大学監督時代の教え子である谷沢龍二。

安西の指導方法に疑問を持ち、無断でアメリカ留学したが、現地で安西の教えの重要さを痛感し、

薬物に手を染めたのか?と疑われるような交通事故死してしまう。



この事実は伏せたが、

基礎の重要性を三井寿にも説いた。



「三井君、2年間を無駄にしたと思い、最上級生となり焦りも後悔の念もあっただろう。」

「時間もなかった。しかし今は焦る必要なんてありませんよ。」

「CBAリーグは大卒選手がほとんどで、高卒選手は稀だ。」


「三井寿、

ルーキー。一番の下級生なんですよ。ほっほっ」安西


「先生、、、!」三井


三井はこの時から基礎体力、技術、戦術を1から鍛え直した。



「元々、俺なんてセンスだけでやっていたようなもんだ、、、、、。サボったぶんまだまだのびしろがあるはずだ!やらなきゃいけないことが山ほどあるんだ!」三井



翌年。20歳シーズン、
CBAリーグデビューを果たし、得点も記録。


この頃から三井はシーズンオフになると報告と相談を兼ねて安西を訪ねることがルーティンとなった。


入団3年目、21歳シーズンは公式戦の約半分は出場を果たし、CBAリーガーとして板がついてきたと実
感した。



4年目、22歳シーズンには持てる得点力を発揮し、主力として大半の試合に出場。
平均得点を19点台に乗せ得点ランキングにも名を連ねるまでに成長した。
毎年残留争いしていたチームを中位に押し上げる原動力となる。



三井の入団と同時に就任した星山監督4年目に三井の成長と共に中位で終え、上昇の期待が膨らむ5年目にチャンスが訪れる。

5年目、23歳シーズン、

リーグ戦とは別のCBAカップ戦。

一発勝負のトーナメント戦では、しばしば番狂わせが起きやすい。

組み合わせの妙もあるし、リーグ戦と平行し戦う難しさもある。

リーグ戦を重視して戦うチームもある。

実際、サッカーJリーグでも2部のチームが決勝進出を果たしたり、リーグ戦では残留争いをしているチームが優勝したケースもある。

星山監督の下、
リーグ戦では早々の残留を決めカップ戦へ切り替えてタイトル獲得に照準を合わせていた。


川部製作所は決勝戦へコマを進めたのであった。

相手も同じような状況のチームで周囲からは地味な決
勝戦と揶揄されていたものの、選手にとってそんな周囲の雑音等、関係ない。



「リーグ戦も早々に最低ノルマはクリアした。チーム力は確実にレベルアップしている。が常勝軍団になるためにもタイトル獲得は重要になる。勝つぞ!!」星山


決勝戦が始まった。


(続)

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