【SLAM DUNK GI】45話「三井寿にしか見られない光景」
裏天王山を三井寿のブザービーターで劇的な逆転勝利を納める。
「三井!!」「三井君!!」「三井さん!!」
仲間の声が連呼される。
「み つ い! み つ い!」
「三井 完全復活だーー!!」
サポーターの歓声も鳴りやまなかった。
「ここまで苦しい試合が続いていましたが、内容は悪くなかった。この勝利でチームも勢いにのっていけると思います。引き続き応援よろしくお願いいたします。」
星山監督のインタビューで締めくくった。
試合後、興奮冷めやまない三井は恩師、安西に勝利の報告に電話をかけた。
「もしもし! 安西先生! 俺やりました! 勝ちましたよ!」
「!?・・・・・」
「えっ!? なんで!!
なんで、、だよ、、、 。」
「安西先生、、、、、、。膝も泣いてますよ、、、、、、。」
「なんでかなぁ、、、、、膝、、、いてーよ、、、。」
安西光義
急死。
突然の訃報だった。
後日、葬儀が行われ、最後のその姿を目に焼けつけた。
「安西先生、、、、、。三井寿にしか見られない光景があるって、、、、、、、、。」
「こんな光景だけは、、、、、、、見たくなかった、、、、、、ですよ、、、、、、。」
三井は一目を憚らず泣いた。
三井はその後、コンディションと相談しながら、フル出場、限定出場、休養をとりながらシーズンを戦
った。
開幕連敗スタートとなった川部製作所もなんとか残留を決めシーズンを終えた。
そしてシーズンオフのルーティンとなっている安西への報告を今年は安西の墓の前で行った。
「安西先生。はは 膝痛いです。でも膝が決め手というわけではありません。」
「三井寿、25歳、バスケ引退します。」
「これまでご指導、道を与えて下さり感謝しかありません。ありがとうございました。」
「三井寿にしか見られない世界、この光景も、、、いつか笑って話していいのですよね?」
「日本の未来ある子供達に、、、、、。」
「三井寿、小学教師になろうと思います。」
安西はかつて三井が2度目の手術の見舞いに訪れた際、三井寿にしか見られない世界、光景を伝える事
で回りにも影響を与えることができ自分自身も強くなれるはずだと語った。
栄光と挫折、歓喜、MVP、はったり、挫折からの復活、怪我、嫉妬、嘘、焦り、自暴自棄、不良、暴力、恩師の言葉、涙、恥、プライド、仲間、リハビリ、逃避、大逆転、信頼、過去の自分、後悔、裏切り、罵声、罵り、、、、。
そして恩師の死という言葉が加わった中での決断だった。
現在。
「あっ もしもし あ-宮城か。勉強してんだよ。何の用だ?」三井
宮城リョータは、バスケフェスティバル
「Desafiante」の試合、
メンバーについて話し、メンバーに誘った。
「まじか!? その日って?!」三井
「(安西先生。
三井寿にしか見られない光景
には続きがありそうですよ!) 」
「やるだろ?」宮城
「たりめーだぜ」三井
バスケフェスティバル「Desaflante」が開催されるこの日は、
安西光義の一周忌なのである。
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