【SLAM DUNK GI】121話「いまやれること」
河田雅史、23歳シーズンJBAリーグデビュー。
開幕戦から勝利で飾り、開幕ダッシュを駆けた。
「河田雅史海外挑戦プロジェクト」と題しクラウドファンディングによる支援、資金調達も同時にスタート。
チームを離れることが規定路線であり、さらに日本代表入りを拒んだとも言える河田の選択にルームショー埼玉のサポーターや日本国民に一定数、懐疑的な目を向ける者もいた。
しかし河田はひたむきにプレーをした。そしてそのプレーは高水準であった。
またプロ志向のJBAリーグのスポンサー社長として新田裕一が発言した河田雅史というコンテンツを手に入れたと言ったようにファン感謝祭、イベント企画にも力を入れ、そこでの収益の1部も資金として蓄えられた。
オールラウンドな河田雅史の魅力的なプレーは初期に懐疑的な目を持っていたサポーター、国民にも徐々に受け入れた。
「河田のプレーはスカっとするよな!」
「センターなのにスリーポイント決めた時には度肝を抜かれたぜ!」
「なんか、河田さんってかわいくない!?」
「最初からチームを離れるなんて決めてる奴なんか、ドライな奴だと思ったけど、ファンサービスもいいよな!」
流川楓のような甘いマスク、ルックスがなくとも河田雅史の人気は徐々に定着し、時折黄色い声援さえ獲得すると同時に規格外のプレーに子供達の人気があがっていった。
ファン感謝祭での一コマ。
「どうしたら河田選手のように、大きくて上手い選手になれるのですか?」
バスケット少年が質問した。
「最初から大きいわけじゃない。大きくなったのは後からだべ。今やれることを全力でやるべ。」河田
「今やれることを全力でやる。」
この言葉はバスケット少年ならず、大人のファン、サポーターの心にも響いた。
ルームショー埼玉は、上位に食い込むこともあれば、中位、下位に甘んじることもあった。河田雅史を獲得し迎えたシーズン。
1つの芯ができた。
河田雅史は新人王を獲得する活躍で、新田裕一との公約通り優勝を果たした。
この優勝の経済効果は大きく「河田雅史海外挑戦プロジェクト」を後押しした。
連覇を目指すべく迎えるシーズンオフ、河田と新田は会食をした。
「河田さん。予想通りの活躍と公約通りの優勝、素晴らしいですね。」新田
「ありがとうございます。目標がはっきりしているのでやりやすいですね。」河田
「クラウドファンディングのほうも順調に支援者が増えているよ。」新田
「ホントですか!?よかった。」河田
「たくさん資金があった方がいいからね。僕もヒットコンテンツを製作しないとな(笑)」新田
「おら、新田さんの曲好きですよ。」河田
「はは ありがとう! そうだ河田さんの応援ソングでも作ろうかな?(笑)」新田
「ぜひ おねげいします!」河田
そこには夢に向かっていく二人の姿があった。
河田雅史、24歳シーズンが開幕した。
目標は連覇、そしてプロジェクトの成功だ。
河田に2年目のジンクスという言葉は無縁だった。開幕ダッシュを成功させルームショー埼玉は上昇気流に乗った。
シーズンも半ばを過ぎた頃 河田は新田にプロジェクトに動きがあったとのことで呼び出され会談をした。
「河田さん、海が見えてきましたよ。」新田
「ホントですか!?」河田
「河田さんが、今やれることを全力でやってきた成果だよ。」新田
河田雅史が選択した海外挑戦を見据えたJBAリーグでのプレー。
スポンサーには優勝を求められた。
今やれることを全力でやってきた河田雅史を待ち受ける海とは?
「河田雅史海外挑戦プロジェクト」も半年後に迫った。
続