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スキが100を超えたもの

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スキが100を超えたものだけ集めました。皆さんが読んでくれたこと、ほんとうに嬉しいです。(ほぼ100もいれちゃう)
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#精神疾患

大人になんかなるなよ、死ぬなよ、

大人になんかなるなよ、死ぬなよ、

「大人にならなくていいのに」そう悲しそうに、何気なく先生は言った。少し暑くなった病室に、静かな風が吹く。春の終わりの匂いがした。



昨日、初めてのメンタルクリニックへ行った。東京から引っ越したせいで、新しい病院を探していたからだ。「3ヶ月後になっちゃうんですけど…」予約時にそう言われた時は絶望したけれど、なんとか騙し騙しこの日を迎えた。精神科は、ほんとうに空いていない。今日死にたいのに!今日

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午前3時のティータイム

午前3時のティータイム

午前3時のティータイム。お気に入りの音楽をかけながら踊る夜。紅茶からはローズとカモミールの香りがして、その隣にはアルフォート。たった100円で幸せになれるなら、安いもんだとかじりつく。

世の中には「幸せになる方法」が溢れてる。痩せること、可愛くなること、素敵な男を捕まえること、お金持ちになること。毎日SNSにはそんなメソッドが流れてきては、わたしたちを狂わせる。濁ってしまう目つき、乾いてゆくここ

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泣きながらご飯を食べた事があるひとは生きていけます

泣きながらご飯を食べた事があるひとは生きていけます

生きることは食べること。
食べることは生きること。



こないだの未遂騒動からしばらく、わたしは何も口にできなかった。何を食べても戻してしまうし、食べることに全然前向きになれなかった。だって、食べたら生きてしまうもの。

3日ぶりに口にしたのは、あたたかいうどんだった。わたしは讃岐のにんげんで、うどん県と呼ばれる地で生まれた生粋のうどん好きだ。そんなわたしがうどんですら食べられなかった3日、ま

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「レンタル障害者」の炎上について、うつ手帳持ちの私より

「レンタル障害者」の炎上について、うつ手帳持ちの私より

私が障害者手帳を取得してから、ちょうど一年が経った。

そんな中、ある人の"レンタル障害者手帳持ち"という、"レンタルなんもしないひと"をもじったツイートがバズった。

レンタル障害者手帳持ちというアイデアは、障害者手帳を持っていれば、手帳を持っている本人と介助者は、美術館や映画が割引になることを売りにしたものだ。
(ちなみに介助者が何名まで割引されるかは、場所によって違う)

このツイートについ

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夏の終わり、永遠に"普通"になれない私たち

夏の終わり、永遠に"普通"になれない私たち

夏の終わりに瞬いたのは、まるで花火のような愛だった。

「初乗りはいくら?」と聞かれた先日。タクシー待ちをしていたわたしに声をかけたのは、青の宝石を胸元につけた、腰の曲がったおばあちゃん。どうやらおしゃべり好きのおばあちゃんらしく、わたしが質問に答えても永遠に話しかけてくる。暑さでイライラする毎日、タクシーも来なくて気分は最悪。めんどくさいな、なんて少し思ってしまう。

おばあちゃんは「あなたのワ

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