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次世代様式のシゴト

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#知財

知財マーケットは成立するか

週末、米国で主催されている勉強会に参加する機会があり、IP Exchange Marketについての議論があった。当方も21世紀に入って弁理士になりたての頃に日本版のMarket設立に参画したことがあったが、文化が違いすぎていて、時機も尚早すぎた(いまでもそうかも)ので、途中で立ち消えになった。ただ、その時に得た知識や経験を活かし当時はまだ特許事務所では(いまでもそうかも)誰も扱っていなかった知財

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知財制度の考察

下記セミナーにパネリストとして参画しました。

http://www.tmd.ac.jp/tlo/information/event/2020/jinzaiyosei_tokubetu.pdf

恩師からのお誘いだったのですが、抗生物質を研究していて、法務修士を修了した実務家であり、TRIPSとも関係深い活動もしているので、まさに、時機を得たテーマにしゃべることができました。

そこで気づいたのは

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20年ぶりの再会

あるヴァーチャル会議に参画し、その後ネットワーキングのため、ブレークアウトルームに強制的に分けられた6人のグループに20年前に知財実務を習った先輩・元上司がいた。すっかり初老の風貌で一瞬わからなかったがウェブ会議の利点である文字情報による氏名表示で彼と分かった。先方はすぐに分かったようであった。短い会話を楽しんだが、世話になったことのお礼を言うと、先方は、そういうこともあった感じで遠慮気味。20年

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未来志向と顧客主義

最近、当方の技術分野(といってもあるいみ守備範囲は広いので、いろいろあるが)でも標準技術の議論をすることが頻繁にある。将来技術標準・規格化をにらんで、特許出願戦略をしようというのである。

マーケティングでは、顧客主義と未来志向という観点で議論がされることがあるが、このような話は、未来の顧客・ステークホルダをどのように規定していくかを想定するものである。

コンセプト出しから、出願戦略を練ること、

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戦略と戦術

知財案件のサポートをしていると、話が食い違うことがよくある。戦略の話をしているのに、戦術の細かい議論を持ちかけられることなどだ。

あくまでも一つの視点ではあるがWikipediaでは「戦略とは、一般的に特定の目的を達成するために長期的視野と複合思考で力や資源を総合的に運用する技術、科学である」、「戦術とは、作戦・戦闘において任務達成のために部隊・物資を効果的に配置・移動して戦闘力を運用する術であ

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