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個人的な栞(しおり)として皆さまの作品をピン留めしております。ヒマなときに見てもらうと、ひょっとしておもしろいかも。
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2019年5月の記事一覧

島尾ミホ『祭り裏』解説(text by 樋口良澄)

島尾ミホ『祭り裏』解説(text by 樋口良澄)

 2019年4月25日、幻戯書房は島尾ミホさんの中短篇小説集『祭り裏』を刊行いたしました。元々、1987年に刊行された同書を、島尾ミホ生誕百年にあたる本年、石牟礼道子さんによる当時の書評など新たな資料を加え復刊したものです。
 弊社刊行の島尾ミホさんの本は、長篇小説『海嘯』、エッセイ集『愛の棘』に続き三冊目となりますが、本書は刊行時「小説家としての本格的開眼」「最高傑作」と高い評判を受けながら、こ

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三島由紀夫VS東大全共闘 伝説討論会を文字に起こしました

三島由紀夫VS東大全共闘 伝説討論会を文字に起こしました

戦後の日本を代表する作家
三島由紀夫。

自衛隊の駐屯地で
割腹自殺を遂げる
1年半前の1969年5月。

三島由紀夫は
ある討論会に出席しました。

その討論の相手は…
「東大全共闘」です。

天皇主義者でありつつ
戦後の天皇制には
批判的だった三島と

過激な学生運動をリードした
東大全共闘。

「極右」と「極左」
両者による
伝説的な討論会の
一部を収めたフィルムが
TBSの倉庫に眠っていま

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「作家になる」とはどういうことか?

「作家になる」とはどういうことか?

「小説、書いてみたいんですよ」
 飲み屋かなにかでたまたま話すことになったおっちゃんのひとことに、ある作家はこう返したという。
「じゃあ、あなたが持っているそのiPhoneで今から書き始めたらいいじゃないですか」
 今日の話は、いってしまえばこのやりとりのことを何度も繰り返すだけだとはじめに書いておく。



 社会人1年目のとき、ものかきになるための「社会経験」として会社に入った。会社に勤めた

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