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ち あ き
2022年2月23日 05:50
冷たい雨の降る土曜日。立春も過ぎたというのにほんものの春が来るのはまだ、幾分先のことみたいです。*やって来たのは一軒のカレー屋さん。気分まで塞ぎがちなこんな日は刺激的なスパイス料理に力をもらおう作戦です。外壁に這う深みどりの蔦は屋根の方まで登っています。店内は昭和ふうの装いでラジカセから、歌謡曲が遠く懐かしく流れてきます。カウンター席に女の人がひとり。あとはテ
2022年2月12日 06:29
ふた周りほど年上の、私のお友だちの話です。その人を思い出すと、真っ先にたんぽぽみたいな笑顔が浮かびます。丸いショートカットにくっきりな二重、親しみやすい雰囲気で、くりぃむ色が似合うその方は「文代さん」といいます。*便箋を探しに地元の工芸品でもある和紙を求め、和紙屋さんを訪ねたときのこと。紙漉き機や大釜のある工房に並んで古民家を改装した店舗がありました。中には葉書
2022年2月5日 06:43
桜は枝の先にぷっくり蕾を膨らませている。徐々に日脚が伸びていって夕暮れの空を眺めるのが楽しい。青果店の店先には真っ赤な苺が、ちらほらと。春が、ゆっくりと近づいてくる気配がする。*「美しい日本の季語」という本を開いている。ページをめくるたびに現れる季語はどれも新鮮に感じられ表現の巧みさに感動する。昔の人たちは日の光に合わせて生活のリズムをつくったり、雨や風の細や