見出し画像

【レビュー】『力不足を感じた2023年のホーム最終戦』~第41節ファジアーノ岡山VSブラウブリッツ秋田~


試合結果

2023 J2 第41節
11/5 14:03K.O. @シティライトスタジアム
岡山(0-2)秋田
45+2分 畑潤基
54分 齋藤恵太

スタメン

マッチレポート

初志貫徹の秋田と精彩欠いた岡山

岡山のホーム最終戦は、不甲斐ないものになった。秋田の堅守速攻に屈して、0‐2と完敗。9千人が駆けつけたサポーターは肩を落としてスタジアムをあとにした。

岡山は昇格の可能性が消滅し、秋田は残留を確定させて迎えた今節。“何か”が懸かった試合ではない。しかし、勝利を目指す姿をサポーターに見せる。プロとしての意地を問われるような試合で躍動したのは、アウェイチームだった。

3連敗中の秋田は開始直後から勢いよくゴールに向かっていく。前線にロングボールを放り込み、2トップが起点を作りながらセカンドボールを拾って押し込む。ロングスローも多用し、相手ゴール前への進入回数を増やした。

迫力のある秋田の攻撃に対し、岡山は今季限りでの退団が発表されたヨルディ・バイスを中心に迎撃する。そして、ビルドアップでペースを取り返すことを試みるも、秋田の整備された守備網を崩せない。自陣でボールを保持すると、秋田のプレスの圧力を受ける。輪笠、仙波、田部井が中央から攻撃の糸口を探ったが、しっかりと封鎖されており、押し返されてしまう。末吉と高木がサイドでボールを持つと、常にダブルチームで対応されて突破できず。ボールは持てるが、前に進めない閉塞感が漂う。八方塞がりの中、防波堤が決壊した。45+2分、ロングスローの混戦から最後は畑に強烈なミドルシュートを決められる。GK堀田は反応するも、弾き出せなかった。

1点を追いかける後半、岡山はルカオと雄大を投入して反撃に出る。48分には古巣戦の輪笠がミドルシュートを放ち、徐々にゴールに迫った。しかし、秋田のカウンターの餌食となってしまう。54分、田中雄大のキープと鈴木の縦パスでテンポよく前進し、ボールはPA手前のチアゴ・アウベスに渡る。しかし、背番号7はシュートを打ち切れずにロスト。すると、抜け出した齋藤にループシュートを決められた。

追加点を許した岡山は次々と選手交代を行い、配置も変えて最後までゴールに向かった。しかし、セットプレーのチャンスは生かせず、シュートを打つことができない。最後まで秋田の壁を打ち破れなかった。

堅守速攻を初志貫徹した秋田が、4試合ぶりの勝利を掴んだ。岡山は攻守に精彩を欠き、力負けした。

コラム

勝敗を分けた、攻め切る力

岡山は攻め切れなかった。今節に放ったシュート数は3本。今季最も少ない数字である。

では、攻めることができなかったのか。答えはノーだ。立ち上がりこそ相手の圧力を受けて劣勢を強いられるも、15分過ぎからはボールを握る。そこにはゴールを目指す意志があった。しかし、シュートを打てなかった。

整備された秋田の守備網を前に、中央では輪笠、仙波、田部井が急所を伺い、サイドでは末吉と高木が突破口を見出そうとする。ただ、どれも効果的に働かなかった。封鎖された中央を崩すアイディアに乏しく、相手ブロックの手前で横と後ろへのパス交換に留まる。サイドでは数的不利を徹底的に作られ、打開できなかった。

“頼みの綱”チアゴ・アウベスの不調も響いた。何とかしてボールをつないでも、エースはボールタッチが大きくなり、簡単にボールを失う。背番号7は秋田が作った檻を脱出できなかった。

攻め手を欠いた岡山は選手交代で立て直しを図る。しかし、ルカオと木村の推進力も秋田の強度に抑え込まれ、最後までゴールを脅かせなかった。

一方の秋田はボールを保持する時間こそ短かったが、マイボールになると、ロングボールを使って確実にゴールに迫った。そして、手数をかけずにシュートを打ち切った。

攻撃の目的はゴールを奪うこと。方法論はチームの数だけ存在し、完璧な正解はない。しかし、シュートを打てなければ、勝利の可能性は低くなる。攻め切る力が勝者と敗者を分けた。

この記事が参加している募集

スポーツ観戦記

サッカーを語ろう

読んでいただきありがとうございます。 頂いたサポート資金は遠征費や制作費、勉強費に充てさせていただきます!