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ブルーカラー(職人など)は金の卵?イギリスでは年収1200万円でも鉄道運転士が集まらない!

過去に、アメリカでブルーカラークールの風潮があることを記事にした。これには、アメリカ独特の文化もあるかもしれない。アメリカでは、日本よりも、「肉体的に強い」ことが尊重される。例えば、ジョックとクイーンビーだ。アメフト選手とチアリーダーがアメリカスクールカーストの頂点だ(チアリーダーもかなりの体力を要する)。そのため、意外にもブルーカラーの地位は低くない。店員にも敬意を払ってチップを渡す。カスハラして「客は神だ」と偉そうにする日本とは大違いだ(アメリカだとカスハラしたら射殺される危険もある)。

ここでも書いたが、職人の女性は、YouTubeでも自身の仕事を紹介して、年収3000万円を稼ぐらしい。また、以前も書いたが、アメリカの一流企業(アクセンチュアやIBM)が大卒(学士)を採用の要件から外すようになってきた(一部職種だけかもしれないが)。

イギリスでは、鉄道運転士が、年収1200万円でも集まらないらしい(FTより)。鉄道の自動運転も研究が進むが、万が一の時に人がいないと大惨事になるため、まだ現在は運転士が必要なのだ。

韓国でも、ブルーカラー再評価の動きがあるらしい。

肉体労働者を意味する「ブルーカラー(blue-collar)」という言葉は、1920年代に米紙の求人広告で使われ始めた。襟(collar)の色で職業を区分したのだ。当時、米国の肉体労働者たちはジーンズに青のシャツを着ることが多かった。かつては不況に見舞われると、ブルーカラーからスケープゴートになった。企業が真っ先に「生産削減」カードを使用するためだ。しかし、時代が変化を遂げたことで、ブルーカラーの社会的地位も変化している。

英国経済専門紙「エコノミスト」は、高齢化に伴う生産人口の減少、AI技術で代替し難い肉体労働への再評価などにより、ブルーカラーの価値が大幅に上昇し、「貧富の格差」が拡大していると報じた。また、コロナ禍が事務職にはリストラ旋風を巻き起こした一方で、ブルーカラーには災い転じて福となった。在宅勤務の拡散とともに住宅維持・補修需要が急増したことで、配管工、溶接工、大工、造園士などの年俸が上昇したのだ。米国では熟練配管工の年俸(約1億2000万ウォン=約1270万円)が修士号取得者の平均年俸(1億1500万ウォン=約1220万円)を上回った。

韓国でも、「サオジョン(45歳が定年の意)」や「オリュクド(56歳まで職場に通えば泥棒)」という言葉に象徴されるホワイトカラーの弱点が浮き彫りになったことで、ブルーカラー職に乗り換える青年が増えている。名門大学を卒業して社会福祉士として勤務し、壁紙職人に転業したある女性は「努力した分だけ技術力が向上し、成長する面白さがある正直な職業」と胸を張った。アイドルグループとして活動した後、ペイント塗装工へと転身した30代の男性は「長くなるほど技術力が増し、私が働いた分だけ補償が与えられるので、満足度は120%」と笑みを浮かべる。

各種ソーシャルメディア(SNS=交流サイト)では、ブルーカラーの職業について紹介する動画が人気だ。再生回数100万回を超えるコンテンツもざらだ。青年たちはこうした動画を通じて、日給42万ウォン(約4万4000円)の特高圧ケーブル作業工のように高所得のブルーカラーが多く存在し、清潔な作業環境で仕事を行っているほか、定時出勤・定時退勤のワーク・ライフ・バランスも整っているといった点に驚きを隠さない。定年がなく、汗を流した分だけ正当な補償を受け取るというブルーカラーの長所も注目されている。

朝鮮日報

もちろん、韓国の学歴差別や職業差別は酷く(SKY以外は二流以下の大学、など)、まだまだ社会的風潮が変わる必要があるが、その兆しは見え始めてきたようだ。韓国は大学進学率が高すぎるため、ブルーカラーが人手不足になり、人材需要が高まっているのかもしれない。

東大などの一流大学を卒業しても、意外と稼げない。しかし、高級メロンやイチゴの農家、高級魚や貝の漁師は年収1200万円以上稼ぐ人もいる。もちろん、台風などの災害に弱いリスクはあるが。海外寿司職人も、年収1000万円以上稼げる(英語は話せる必要がある)。

一流大学理系卒のホワイトカラーは、頭だけが動いて手が動かない(外科医は例外)。そのため、そこそこ賢くて手先も良い高専の求人倍率は10倍にもなる。手先の器用さはまだまだロボットでは人間にかなわない(産業用ロボットは定型作業は精密だが、臨機応変に動けない)。狭い場所をぶつからずに移動できるのも人間の強みだ(例えば、手術の現場は多くの看護師がいる中で医師が手術を担当する)。大工や鳶職も細い場所を綱渡りで動いて作業できる。

ブルーカラーの人手不足は非常に大きな問題だ。社会インフラを維持できなくなる。ブルーカラーへの偏見を無くして、女性も男性も働きやすい環境を整えて、人を集めるべきだろう。

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