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君の事

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日常に追われて、時々忘れそうになるので。 大切な人との出会いを記録します。
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デートは3日後

この日は平日で木曜日

土日ということは、2.3日後?

2回目のデートは
そんなに詰めてするものなのか?

わからないけれど
特に予定もないし
断る理由はなかったので

「是非」

と返事をし、
また連絡しますと言い別れた。

帰りの車内で考えた。

さて、なぜだろう

なぜ次のデートに誘われたんだろう

楽しそうにしているようには
見えなかった。

からかわれているんだろうか。

ドッキリなの

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オニオンフライ

初めましてのご挨拶をして
寒かったので早々にお店に入った。

私は緊張していた。

居酒屋では
何を食べたいかとか
苦手なものを聞いてもらって
適当に丁度いい量を頼んでもらえるのが
おそらく殆どの女性が理想とする
スマートな男性の対応だが

ここでも彼は違った。

メニューを見て
自分の食べたいものを選んでから

何食べますか?

と聞いてメニューを渡してくれた。

私は緊張で
あまりお腹が空いて

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Tシャツ

10年ぶりに
憧れの人に会って
最初に思ったのは

Tシャツにチョップ

って書いてる。

だった。

彼は少し離れたところから見ても
わかるぐらいの大きさの字で

チョップ

と書かれたTシャツを着ていた。

わからないけれど
女の人と初めて会って
ご飯に行く場面で
このTシャツをチョイスする人は
かなり少数派だと思う。

別にダサい訳ではない。
似合ってない訳でもない。

ただ
今回は初めて異

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スタンス変更

向こうの仕事終わりに
居酒屋で会うことが決まった。

お互い田舎の実家暮らしで
家と家が離れているため
各々がマイカーで
現地集合になったので
ノンアルコール居酒屋

緊張の初対面で
お酒の力に頼ることができないのは辛い。

しかし
前にも述べたように
LINEのやり取りを通して
私の部長への気持ちが少し変わっていた。

なんとか気に入られたい!
から
会ってみて
合わなさそうならやめておこうに変

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早期決戦

やり取りを初めて1週間ほど経つ頃に

ご飯でも行きませんか?

とLINEがきた。

わかる。

私は部長を知っているけれど
部長は私を知らない訳で

会ったこともない人と
連絡をとるのは
気がのらないだろうし

高校生じゃないんだから
いつまでも
LINEだけのやり取りを
続けている場合ではない。

1度会ってお話ししてみるのが
30手前の私達にとって
最善で最速である。

会ってみて
なんか違

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難問

しかし
よくよく考えたら
現状、私には
失うものが何もなかったし

一生関わる事がないはずだと
思っていた人と
あわよくば
お友達になれるかもしれない。

それだけでも十分だ
という結論に至り

私は憧れの部長と
連絡をとることになる。

初めましてから始まって
何回かLINEのやり取りした感想は

あ、この人、違うかも
だった。

なんだろう

コミュニケーションの取り方が下手なのか
私に興味が

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葛藤

夢みたい!
こんな偶然ってある!?

で再会して
恋に落ちれば
少女漫画や映画になりそうな
女子が憧れる展開だが

実際は少しずつ違う。

まず、これは偶然ではない。

友人は高校の同級生で
私が部長に憧れていた事を知っていた。

友人はたまたま共通の友達を通して
数年前から部長と友達だったらしい。

部長も長年付き合っていた彼女がいて
他府県にずっとお住まいだったそうだが

数ヶ月前に家庭の事情

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部長

一緒に見ていた軽音楽部の友達に
あの人は誰かと尋ねると
軽音楽部の3年生の部長だ
という情報が得られ
ライブが終わるまでずっと
私は部長を目で追い続けた。

当時最先端だったドコモのガラケーの
粗すぎるカメラで
ライブの動画を撮っていたので
帰宅後もニヤニヤしながら
何度もその動画を見た。

私はそのお気に入り動画を
何人かの友人に見せたが
あまり良さを理解してもらえないことが
大半だった。

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一目惚れ

高校1年生の1学期
とても素敵な人を見つけた。

ほとんどの生徒が
自転車通学時に学校指定のヘルメットを
しっかりと着用して登校するような
田舎の中学に通っていた私は

ほんの少し都会に出たくて
大半の同級生が行く
自転車で通える近くの高校ではなく
電車を乗り継いでいく
少し離れた高校に進学を決めた。

私の中学から同じ高校に行ったのは
ほとんど話したことがないような
まじめな同級生1人だけだっ

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出会いの場

初めての婚活パーティーは
ストレスでしかなかった。

会場に着いた段階で
全体を見渡したけれど
私が求めているような人はいなくて

横にいる友人も
私と同じ顔をしていたので
無言でアイコンタクトをとって
早急に切り上げることが決まった。

人見知りの私にとって
興味のない知らない相手と話すのは
想像以上にストレスで

初めのうちは相手に合わせるよう
頑張れたが
途中から相手への興味のなさが
モロに

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減点項目

長い間恋を初めていなかったので
新しい相手の探し方がわからなくて
友人に相談した。

友人も彼氏がいなかったので
一緒に婚活パーティーに行くことになったが

そうなってくると
プロフィールの
職業欄が
完全に足を引っ張ってくる。

28歳
趣味なし
無職

こんな女を
嫁にしたい人なんてきっといない。

慌てて就職活動を始めた。

一生独り身でいることも考慮し
長く続けられそうな
福利厚生のしっか

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お一人さま

1人の私がまず行ったのは

就職活動ではなく
1人で生きていくための準備だった。

長い年月を彼と過ごしていたので、
私は1人で
ご飯を食べに行ったことがなかった。

運転もほとんど彼に任せていたので
自分で運転して行ける範囲が
職場とかスーパーとか
生活に必要な最低限の場所しかなく

買い物に行きたいのに
映画を見に行きたいのに
連れて行ってくれる人がいないのは
とにかく困った。

なんとかしな

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それからの事

両親は2ヶ月弱で出戻った娘を
何事もなかったかのように
普通に迎え入れてくれた。

私の部屋は変わらずにあったし
持って行った荷物も少なかったので
引っ越しの片付けはすぐに終わり

まるで私は
少し長めの旅行にでも
行っていだぐらいの感じて
なんの違和感もなく
以前の日常に戻った。

年の瀬に祖父が亡くなった。

私が帰ってくるのを待ってたんだよと
母は言った。

葬儀や片付けで
バタバタした年末

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優先順位

彼は私が許すとでも
思っていたのだろうか。

ない。

絶対にない。

私はタバコを許さない。

タバコをやめてくれたことが
愛されている証だと思っていた。

私は愛されていなかった。

彼に別れを告げた

彼は泣いていたが
最後まで
タバコをやめるとは言わなかった。

いつから彼の優先順位が
変わっていたのだろう。

全く気が付かなかった

けれど、よく考えてみたら
8年も一緒にいて
プロポーズ

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