葛藤

夢みたい!
こんな偶然ってある!?



で再会して
恋に落ちれば
少女漫画や映画になりそうな
女子が憧れる展開だが

実際は少しずつ違う。






まず、これは偶然ではない。


友人は高校の同級生で
私が部長に憧れていた事を知っていた。

友人はたまたま共通の友達を通して
数年前から部長と友達だったらしい。


部長も長年付き合っていた彼女がいて
他府県にずっとお住まいだったそうだが

数ヶ月前に家庭の事情で地元に戻り
彼女と別れて
30歳を目前に独り身らしく
絶賛彼女探し中で
合コンや街コンに積極的に
参加されているそう。


そんな最中、
わずか2ヶ月足らずで同棲をやめ
出戻ってきた私が
部長に憧れていたことを思い出し
なんとなく声をかけてみた
とのことだった。


ちなみに友人的に
部長はナシらしい。

完全に友達にしか見られないそうだ。





本来なら食い気味に
「紹介して!」
となるはずのパターンだが
私は少し迷っていた。



だって
ない
私の人生でこの展開はありえない

うまくいくはずがなく思えた。




部長に再会することにも
少し抵抗があった。

思い出というものは
だいたい美化されている。


10年の歳月は
人にかなりの変化をもたらすので

私の知っている憧れの部長が
劣化している可能性も
おおいにありえる。

髪が薄くなっていたり
太っていたり
かなり老け込んでいたりしたら
高校生の時の
一目惚れのキラキラした思い出まで
失ってしまうことになる。

それは悲しい。



また、私は部長に
嫌われたくなかった。


きっと多分絶対
部長は私の事など知らない。

ということは私への感情は
"無"
以外のなんでもないはずだが

交流を持ってしまう事で
もしかしたら
嫌われる事だってあり得る。

いやだ。

無よりも嫌いの方が悲しい。




あと、
積極的に行動しているのに
数ヶ月も彼女が出来ていない点も
なんだか怪しく感じた。

私がいうのもなんだが
なにか欠落している部分が
あるのかもしれない…。





かなり難しい決断だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?