書きたいことを書けばいい
先日からちょっとずつ巡回中のTheTokyoToilet。この1年間、私は16すべてのトイレを巡回してきました。駅という立地、近くに住む住民、国道を走るドライバーなど有名建築家やデザイナーがどんなUXを見て、何に考慮し、どんなデザインをしているのか考察してきました。「出るまで考えてみる」と決めると見えてくるものってやっぱりあるんですね。そして、これを機に改めて巨匠は巨匠なのだと実感しました(知らなかった人もいるんだけど)。
ところで、今回の記事でTheTokyoToiletに関する連載は終了しようかなと思っています。え、どうしてかって?それはもちろん、TheTokyoToiletの本発売やら関連映画(PERFECT DAYS)の公開があったからです。私が考えずとも、皆さんの手の届くところに答えがあるので….私がわざわざ解説するまでもなくなってしまったのです(笑)
言わずもがな、私もTheTokyoToiletの本を読みました。当たり前ですが、私が書いたこと以上のいろいろな情報が本には載ってて本当に面白い。例えば、あの透明な『はるのおがわコミュニティパークトイレ』では中のものが綺麗に整頓・配置されてる必要があるのでそこに拘っているとか。坂倉さんの『西原一丁目公園トイレ』は、利き手にも配慮した左右対称的な設計のトイレを2つ設計しているとか。自分で気がつけなかったのが悔やまれる。
また、安藤忠雄さんは本の中で、日本の良さを「綺麗で清潔で礼儀正しいところ」としていて、トイレはその象徴だとおっしゃっています。それを読んで私は「たしかに、トイレットペーパーを使ったら切れ端を三角にする」なんてこと日本人にしか思い浮かばないだろうなと、今は無き懐かしの風習に思いを馳せたりしていました。あと面白かったのが、ワシントンハイツのディペンデントハウスを模したトイレを作ったデザイナーのnigoさんがデザインをする前にしっかりトイレ機能に関する講習受けてたなんて情報。あれ、ちゃんと真面目でした(ちゃんと失礼)
言わずもがな、PERFECT DAYSも鑑賞済み。簡単に説明すると役所広司さん演じるトイレ清掃員として働く平⼭のお話。一見つまらない同じ日々の繰り返しを過ごす主人公は幸せなのか?という内容。おそらく撮影当時に建設済みであっただろうトイレは一通り映っていた気がします。さらにこの映画、豪華俳優陣で構成されており、平⼭の姪っ子のにこちゃんが超かわいいので絶対見てください。多様化する社会の中で人が何にどう感じるかは本当に分からないし、安易な推測で決めつけてはいけないと再認識。UXを考える上でも気をつけなくちゃなと改めて感じました(ちゃんと真面目)
映画を見ながら、自分が「このデザインはあのトイレのだれでもトイレの中だな」と分かるレベルになっていることに気付き、感動。伊達に(ほぼ)週1で記事書いてないぜ!!ということですが、TheTokyoToiletはいったん終わり(…と言いつつも、PERFECT DAYS関連の展示を年明け見に行きます)新年度からはまた別のフィールドワークについての記事を書きたいと思います。次回からもぜひ楽しみにしていてください!
2023年、たくさん読んでくださってありがとうございました。引き続き2024年もよろしくお願いします!良いお年を〜
追録 おやつは世界を救う。
It's a Sweet World. 甘いものがなきゃやってられない。今回のお供は『ハイハイン』。初心忘れるべからず。