ついていく点Q | デザインコラム連載中

東京のデザイン会社にてUXデザイナーとして修行中。世界が自分中心に回ればいいなと思って…

ついていく点Q | デザインコラム連載中

東京のデザイン会社にてUXデザイナーとして修行中。世界が自分中心に回ればいいなと思っていたけれど、最近になって「そんなことはありえない」ということをちゃんと理解するようになりました(遅い)。日々思うこと、したことしたいこと、色々配信中です。

マガジン

  • スイーツUX

    甘いものについてUX的観点からゆるーーく分析してます

  • サインデザイン研究

    サインデザインをする上できっと1番大切なことは『目的に応じて機能していること』だと思っています。『目的に応じて機能していること』とは、ユーザーが図らずも目的地に辿り着けるよう『そうさせる』『仕向ける』ということです。そんな『仕掛けのサインデザイン』があれば「ちょっとしたイノベーションをデザイン業界に起こせるのでは」と言う淡い期待を抱いてしまったこのわたし。半人前にも満たない、ただのヒヨッコの小さな野望を叶えるべく連載しています。

最近の記事

合成着色料はうまい。

最高気温が40度に迫ることも多かった今年の夏。わたしは夏バテ…なんて影もなく、暴飲暴食を繰り返す日々を送っていた。お祭りに行ったって、フルーツ(チョコバナナ)や氷(かき氷)しか食べないという健康志向な人間であるのに、なぜか体重計の数字は天井知らず。今思えば、タ二タが写す非常に正確な数字をみては悲鳴をあげる毎日だった。もちろんその所以に心当たりなどない。「世の中にはまだまだ理解し得ないことが沢山ある」と深く首を傾げた2024・summer。 わたしが理解できないことといえば、

    • ひやし飴は飴なのか

      誰もが人生で1度は遭遇するであろう、ご当地グルメに関する話題。関西に馴染みのあるメンバーが多い弊社では先日『ひやし飴』というものが話題にあがった。関西の方では「お盆に祖父母の家にいくと必ず勧められたあの一杯」らしいが、生粋の浜っ子であり、生まれてこのかた横浜から出たこともない私は、飲んだことは勿論、聞いたこともさらさらなかった。 冷やした飴?そもそも、あったかい飴なんてない。 異様にレトロに彩られている、飴を名乗る何か。ひやし飴というか溶かし飴なのでは?ちょっと雑に貼られた

      • Dango in a bottle.

        先日同僚宛に、世にも奇妙な『ボトルスイーツ』なるものの差し入れがあったので、何食わぬ顔で私も1ついただいた。どうやら最近の団子は瓶の中でホルマリン漬け、ではなくみたらし漬けにされて売られているらしい。それはもう、私の知っている団子の姿ではなかった。幼稚園の頃には『だんご3兄弟』小学生時代には『花より団子』が一成を風靡し、団子に育てられたといっても過言ではない私ですら想像しえない有様。一体どうしてこうなったのか。 たっぷりのみたらしとたっぷりの生クリームに埋まった団子、ボトル

        • あれもこれもパンケーキ

          このまえ和カフェに行った時に私は餡子が上にのったパンケーキを注文した。パンケーキは、予測不可能な個人的ニーズ(和の気分にも洋の気分にも)応えてくれるので本当に大好きなのだけれど、それが運ばれてきてすぐに私はハッと気がついてしまった。「あれ…どら焼き…?」小麦と卵が主な原材料になっている、かつそれに餡子なんてのってしまえば、それはパンケーキと呼ぶべきか。それともどら焼きと呼ぶべきなのか。この2つは何をもってしてそれらを名乗っているのか。どこまでがパンケーキでどこからがどら焼き?

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        • スイーツUX
          6本
        • サインデザイン研究
          32本

        記事

          当たるもカヌレ、当たらぬもカヌレ

          なんのこっちゃと思うかもしれないけれど、私の所属する会社の社長はいまエクセルシオールのカヌレに非常にお熱である。 正直にいうと、私はあまりカヌレというスイーツに積極的に食指が伸びたことが20数年の人生なかであまりなかったので、社長が「めっちゃうまいねん!」と語るその山岳状の物体にそこまで心を傾けたことはなかった。 ちょうどいいのでこいつも分析してやろうとおもう。 まず、子(社長)曰くカヌレにはギャンブル性があるとのこと。区分的にカヌレは焼き菓子だが、焼き上がってから店頭に陳

          当たるもカヌレ、当たらぬもカヌレ

          ボディポジティブ、ティラミス

          「マリトッツォを題材にUXについて語る」なんていう奇襲をはかったつい先週。twitterでは「何を言っているかわからない」なんてコメントも頂いたのだが、先の記事で培った "何か" をもとに、今週も平然とティラミスのUXについて語ろうと思う。 そもそもティラミスはケーキなのか、なんて疑問が私の頭をよぎる。ケーキといえば食べる時はフォークに限るけど、ティラミスを食べる時はスプーンを差し出されることが多い。果たしてそれをケーキと呼んでもいいのか。 そういえば、ティラミスはいつもだ

          ボディポジティブ、ティラミス

          マリトッツォとは自由である

          悠々自適にUX研究していくことにした私(詳細を知りたいって人は第32Qを見て)。初回ではまず一世を風靡したあの『マリトッツォ』について書いていく。「マリトッツォのUX?」私も今の今までよく分かっていない。 まずはじめに、マリトッツォというものは人間の欲望を引き出すのに最適な形をしている。パンとクリームが1:2:1の割合で綺麗にツライチになったその姿を前に、いったい誰が平常心を保っていられるだろうか。生クリームをひっそりと中に忍ばせてしまうようなシュークリームにはない貪欲さ。

          なかなか世界は変えられない

          2024年、「せっかくここまでサイン設計とやらを考察をしてきたのだから次は、プロがどういうサイン設計を良いとするのかを見てやろう」ということにした私。今回の記事では『大丸有地区サインデザイン』にフォーカスする。大手町・丸の内・有楽町で大丸有らしい。日本の一軍。 実は私が、大丸有地区に実際に足を運ぶ以前から目をつけていたのが『大丸有地区 サインデザインマニュアル』というもの。 https://www.tokyo-omy-council.jp/pdf/sign_design.

          やっぱり大は小を兼ねる

          2024年もあくせく執筆作業を開始。30記事を超えてついに『執筆』なんてカッコつけ始めた私ですが、今年も何卒お手柔らかにお願いします。 年末にもお伝えしたとおり、The Tokyo Toiletのサイン設計ないしUXに関する考察記事は一旦終えたのだが…何を書こうか。何を書こうか。結構悩んだ結果、「せっかくここまでサイン設計とやらを考察をしてきたのだから、じゃあ次はプロがどういうサイン設計を良いとするのかを見てやろう」ということに(偉そう)  調べてみるとどうやら、日本サイン

          みんなで歩けば怖い。

          あけましてございます!正月休みの余韻に浸っていたらいつの間にか1月も後半に…今回は、そんな私の正月ボケ解消記事になります。 みなさん、今年も何卒おてやわらかにお願いします! そうは言いながらも、あっち行っては迷い、こっち行っては迷い。何とかここまでリサーチを重ね記事を更新し続けている私。この素晴らしい(?)活躍の裏には切っても切り離せない存在がいて、それが点Oと点Pです。(参考:【秘話】日常に潜む迷宮。全てはここから始まった。) 不運にも『方向音痴』と言われる不治の病を生

          書きたいことを書けばいい

          先日からちょっとずつ巡回中のTheTokyoToilet。この1年間、私は16すべてのトイレを巡回してきました。駅という立地、近くに住む住民、国道を走るドライバーなど有名建築家やデザイナーがどんなUXを見て、何に考慮し、どんなデザインをしているのか考察してきました。「出るまで考えてみる」と決めると見えてくるものってやっぱりあるんですね。そして、これを機に改めて巨匠は巨匠なのだと実感しました(知らなかった人もいるんだけど)。 ところで、今回の記事でTheTokyoToilet

          何かしらの何かが住んでそう

          先日からちょっとずつ巡回中のTheTokyoToilet。今回はマーク・ニューソンがデザインする裏参道公衆トイレをご紹介する。淡い緑(プロからするとパールグリーンとでもいうのか)がとても印象的なこのトイレ。なんかこういう色見たことある…って思ったら自分のiMacと同じ色だった。ちょっと親近感。 裏参道公衆トイレがある場所は高架下であり、駐輪場と駐輪場に挟まれるシティー&アングラ感が漂っている。そのためか、トイレ自体はコンクリート作りにも関わらず妙に緑(パールグリーン)が効い

          タップダンスを踊りたい

          先日からちょっとずつ巡回中のTheTokyoToilet。今回ご紹介するのは、TheTokyoToiletプロジェクトへ海外から参戦しているマイルズ・ペニントンさんの幡ヶ谷公衆トイレ(今は東大の先生になったので日本に在住)。ペニントンさんは、こんな私でも聞いたことがある、デザイン・イノベーション・ファームTakramのロンドン事務所長もを兼務している。紛いなく権威……(怯) そんなペニントンさんがデザインしたのは『…With Toilet』、公衆トイレが地域コミュニティの中

          まさに、名が体を表している

          先日からちょっとずつ巡回中のTheTokyoToilet。今回ご紹介するのは初台とか参宮橋の近くにある藤本壮介さんの西参道公衆トイレ。お恥ずかしながら初めて聞いた藤本壮介さんという人。「デザイナーといえばこんな人だろうな…」って思い浮かぶイメージそのままの人だった。日本橋にあるT HOUSEとかいちいち無駄を削ぎ落とした、洒落たデザインをしているらしい。 親戚に千利休とかいる?そのうち私もQ HOUSE とか作ってほしい。 私が個人的に住みたい街No.1の初台にシンボリック

          私の言い分を裏付けるバックの奴ら

          The Tokyo Toiletの考察に関する記事がすこしずつ皆様に読まれてきているようで嬉しい限りです。ありがとうございます。 実は私、社会に出るまでに美術教育をちゃんと受けていない(まぁばれてるだろうとは思ってる)。そんな私が自分の創作物を不特定多数に向けて発表するためには、ある種根拠がなくても『自信』と『後押し』というものが必要でして…。その2つの元になった文献をいくつかここでドローしておこうかなと思います。 ちょっと関係あったり、結構関係あったり、あんまり関係なか

          私の言い分を裏付けるバックの奴ら

          ただのファンですが何か?

          先日からちょっとずつ巡回中のTheTokyoToilet。今回ご紹介するのは美人がすぎる田村奈穂(nownao)さんデザインの東三丁目公園トイレ。芸術一家に生まれ、自身もイケてるデザインで数多の受賞を重ね、さらにはバイリンガルで顔も良くてって……前世でどんだけ徳を積んだらそうなれるのか。狂うほどに妬ましい。 最近私のミューズとなった、前述した通りのアジアンビューティースーパーウーマンである田村奈穂さんが手掛けたトイレはなんと恵比寿のほそーーーい線路脇にあります。まさに狭小ト