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まさに、名が体を表している
先日からちょっとずつ巡回中のTheTokyoToilet。今回ご紹介するのは初台とか参宮橋の近くにある藤本壮介さんの西参道公衆トイレ。お恥ずかしながら初めて聞いた藤本壮介さんという人。「デザイナーといえばこんな人だろうな…」って思い浮かぶイメージそのままの人だった。日本橋にあるT HOUSEとかいちいち無駄を削ぎ落とした、洒落たデザインをしているらしい。
親戚に千利休とかいる?そのうち私もQ HOUSE とか作ってほしい。
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私が個人的に住みたい街No.1の初台にシンボリックなトイレができました。駅からちょっと外れた場所でだって、イケてる人がなにやら集まってイベントなんかしてるので、なるべく下を見ながら歩いていた私。そんな時にふと視界に入ってきたのが、あの白い塊=藤本壮介さんのトイレだった。
蒸し暑い夏の真っ昼間、それに出会うまではずっとドス黒い地面を見ていたもんだから、私の目は焼け死んだ(かと思うほどに白かった)。最近ドラマの1シーンでちらっとこのトイレが映っていたのだけれど、このトイレの印象が強すぎて、そのドラマの細かなシーンを思い出すことは難しい。それほどにビジュアル系だった。
でも、なぜなのだろう。こんな強烈な見た目をしているのに、それがトイレだとわからないなんていう人はほとんどいないと思う。トイレのサインが、下に深く湾曲した手洗い場から見えているから?いやいや、多分それだけじゃないんだけど…
なんでだろうか…
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そういえば…この白いビジュアル、どっかで見たことありませんか。乳白色で流線型で。そうそう、このビジュアルすべてが『トイレ』そのものに見えてくるのは私だけでしょうか?色も形もどこか便器っぽい。それでいて、外に水の流れるあの感じ。あの蛇口だってトイレの上の手洗い場の蛇口にしかもうみえない。あれ、もしかして私は大変なことに気がついてしまったのではないだろうか?(聡明)
実は正直、このトイレは完全に「制作者のエゴでデザインされてる、オシャレすぎてよく分かんないやつでしょ?」と思っていた私。この場をお借りして深く謝罪します!ごめんなさい!
藤本さんが意匠でデザインしたのは自身の持つエゴ(ただのカッコいい)だけではなくて、トイレそのもの。トイレという概念を分解し再構築している。だから奇抜な見た目をしていても、それがトイレだと誰もが気がつくことができる。それって、すごくない?すごくない?!私は今、けっこう感動している。
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私たちの意識下に訴えかけるトイレっぽさは、あくまでトイレを連想させてくる要素なので、あの公衆トイレならではの不快感には直結していない。その技巧が『デファクトスタンダードから外れているのに「思ったとおり」な見た目をしている(?)』を実現しているんです。皆様はもうお気づきかもしれないですが、デファクトスタンダードを構成するものはなにか?なんて疑問が私の頭をチラチラしてくる。深い…やっぱデザイナーってすごい(涙)!
『器・泉』と名付けられたこの公衆トイレ。なんか聞いたことあるって思ったら、デュシャンの『噴水(泉)』(便器を横に倒しておいて泉と呼んでいる作品)に辿り着いた。え…泉ってこういうことなの??藤本さんはこんな余興を私達にあえて残してくれているのか。それって私はもうすでに彼の手のひらの上だったってことじゃ…ちょっと悔しい。けど、もうそれでもいい。
いや、それがいい!
追録 おやつは世界を救う。
It's a Sweet World. 甘いものがなきゃやってられない。今回のお供はロッテの『味のしない?ガム』。ロッテがなにやらふざけ始めていた。
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