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世の中どうよ

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世の中、社会、不満もありましょう。憤りもありましょう。ほっとするニュースがあればいいですね。自分もその中に確かに存在する、その世の中。少しでも別の視点があれば、シェアしたいなと思…
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2022年10月の記事一覧

ハロウィーンとケルト文化

ハロウィーンとケルト文化

偶々開いた本(『ケルト神話・伝承事典』木村正俊・論創社・2022)によると、ケルト社会では、10月31日までが夏で、半年後に冬が終わる、つまり、季節は当初二種類しかなかったのだという。但し、一日のサイクルはユダヤでのように、日没で終わるものだったため、10月31日の日没後は、冬の始まりということになる。
 
ケルト文化では、異界と現実界、つまりあの世とこの世とは往来が可能と考えられており、死者の霊

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コスモスと特攻隊

コスモスと特攻隊

休日を利用して、キリンビール福岡工場のコスモス園へ出かけた。3年ぶりの開催ということで、平日にも拘わらず、人々で賑わっていた。花園での飲食を禁ずるとしておけば、そう人と接触するわけでもない。広々とした花畑に、しばし夢の国にいるような気持ちを懐くことができた。
 
すぐ傍に、大刀洗平和記念館がある。もともと個人が始めたものを、いまは町立という形で、大きな設備のものにした。ちょうど小学生たちが、社会科

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統一協会とキリスト教界

統一協会とキリスト教界

国会中継に、つい見入ってしまった。首相は、統一協会問題で激しく責められている。前日に、解散請求のためには刑事罰が必要だと説明していたが、この日は、民法における不法行為も可能だという見解に修正した。非常識な献金を、信仰という名目で払わされた信者ないしその家族などの被害者を救済するという建前で、国会が一つになり、統一協会問題に立ち向かう道を作りたかったのであろうか。自民党内部への追及を少しでもかわした

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『死刑について』(平野啓一郎・岩波書店)

『死刑について』(平野啓一郎・岩波書店)

話題になっていた。真っ白な表紙のデザインがいい。真っ白な心で頁を開くとよいだろう。死刑については一般に、賛成と反対と意見がわりとはっきりしているように見えるが、どちらの考えの人も、まずはよく聞いてみよう、という意味だ。
 
本書では、賛成の立場を「存置派」、反対の立場を「廃止派」と称しているので、私もそれに倣って記すことにする。
 
2019年開催の、大阪弁護士会の講演会の記録をもとに、2021年

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お金の問題

お金の問題

私自身、経済観念がない。いや、誤解を招く言い方だ。浪費するという意味ではない。生活の切り詰めについては、大学時代にとことんやった。京都に行かないといけない、との思いだけで家を飛び出したみたいな恰好になり、親には申し訳ない気持ちばかりがあった。できるだけ学費の安いところを選んだし、住まいは古くてもよいから極力実費を抑えられるところにした。自炊が原則だった。食費は1日400円というノルマを課した。昔だ

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家庭教師などのこと

家庭教師などのこと

まだあの頃は、家庭教師の仕事があった。京都ならでは、だったのかもしれない。家庭教師を、名だたる大学ではない凡庸な学生に頼む、というのも不思議ではある。家庭教師のニーズがあることについて、考えるところはあるが、軽々しい邪推で偏見を呼んではいけないので、呟くことはしないことにする。
 
大学からの紹介で、すぐに下宿を決めた。古い建物だった。自炊ができて、空間があり、家賃が安いとなると、満足だった。もち

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歴史と現実の背後に神が在す

歴史と現実の背後に神が在す

もし、逆らえない権力者がいたとする。その要請に応じて兵として召集され、戦争で命が消費されていくのだとしたら、現代人は堪えられないかもしれない。教育がかなり行き渡っていることが、その背景にあることは間違いないだろう。為政者は、時に教育を厭うものだった。思考する人間が多くなると、容易には操れなくなるからだ。知恵がまわる者が、簡単に多くの人間を操ることができた時代、ひとは権力者の道具でありただの機械のよ

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