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こころ

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ひとのこころ、見つめてみます。自分のこころから、誰かのこころへ。こころからこころへ伝わるものがあり、こころにあるものが、その人をつくり、世界をつくる。そんな素朴な思いに胸を躍らせ…
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2022年6月の記事一覧

何が言いたいのか

何が言いたいのか

この人は、要するに何が言いたいのか。京都人は、それを察知する文化をもつため、その能力を身に着けている。素朴に、ひとの言うことを表面の意味で受け取りはしない。
 
さすがにぶぶ漬けをいま言う京都人はいないかもしれない。でももしもあれば、それは単なる「帰れ」では済まされない嫌みをこめて言われている、という覚悟でいる必要があるだろう。箒を逆さに立てもしないだろう。だが、日常の様々な場面で、本音を直接言わ

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沖縄

沖縄

差別は、自分はしていない、と言える者はいないだろう。「つもり」ならまだ分からないでもないが、きっぱり言い切ると、その人はもはや信頼の置けない人間だということを天下に示すことになるだろう。
 
私も、絶対にそんなことはしていない、などと言うつもりはない。ただ、こと沖縄については、そのようなことは決して言わないだろう、と思えることがある。実際に聞いた言葉である。
 
「沖縄には、米軍施設の7割が押しつ

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父の日に寄せて

父の日に寄せて

父の日は、母の日ができたから仕方なく、という通説があるが、どうやらそうでもないらしい。アメリカの教会がやはり始まりらしいが、父母を敬えというイスラエルの教えは、人間の心の中でむくむくと頭をもたげてくるものなのだろう。但し、アメリカにおいても、祝日のような扱いにするには、母の日のようにすんなりはいかなかった模様である。
 
父親というのは、子どもがいてこそそう言われるのだが、母親に比べると、実感が伴

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シン・ウルトラマン

シン・ウルトラマン

誕生日を結婚記念日としてくれたのは、妻である。小さな民家のつくりの教会での結婚式の日、梅雨の最中にその日はカラリと晴れた。
 
ここのところ、毎年、その日か近くの日に、共に休みをとって、ランチに出かけることにしている。私の平日の休みが偶々この時期にあることから、その日に合わせて都合をつけてくれる妻に、ひたすら感謝である。
 
今年はその日、妻の見たかった映画を観る朝から始まった。「シン・ウルトラマ

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カムカムに学ぶ聖書の真実

カムカムに学ぶ聖書の真実

2022年春に放送は終了したが、『カムカムエヴリバディ』の評判がいい。最初は戦争が絡み、どうしても暗く悲惨な印象があり心配されたが、後から思えば、それがどれほど必要な始まりであったかも分かる。秀逸な作品であった、と多くの人が認めるドラマであった。
 
ラジオ英語会話の平川唯一の祈りが、まるでそうさせたかのようであった。もちろん、そのラジオ番組が、ドラマのとおりの狸囃子の歌で“Come, Come,

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体育の授業の真実

体育の授業の真実

妻の人生を変えた出来事は、もちろん神との出会いが第一である。
 
地の果なるもろもろの人よ、
わたしを仰ぎのぞめ、そうすれば救われる。
わたしは神であって、ほかに神はないからだ。(イザヤ45:22, 口語訳)
 
12歳の少女に投げかけられた聖書の言葉が、神の言葉として、その心を捕らえた。そこから、十字架のイエスと出会うのは、もう既定路線のように備えられたものとなっていた。
 
その後、マザー・テ

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挨拶

挨拶

(6月から、聖書協会共同訳を標準にします)
 
   ささやかな平和
 
 マンション生活の特徴の一つに、やたらご近所さんと顔を合わせるというのがある。
 たしかに深い交わりは少ないかもしれないが、いつも見る顔と頻繁に会い、あげくは狭いエレベーターで二人きりになるということもしばしばである。
「こんにちは」「しつれいします」
 その場だけのつきあいではあるが、あいさつは欠かせない。子どもの中には、

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