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お笑いの話。9話。

落語家の師匠により場が収まった。

すると落語家の師匠にこう言われた。

『いやあ助かりましたよ』

『ナイスアシスト』

『あの掛け声がなかったらどうなっていたことか』

いやいや、師匠の噺のおかげですよ。

師匠の噺で場が収まりました。

『いやいやありがたいことです』

『けど、いざ落語の時代は終わりと言われると少々へこみますね』

『最近では落語の途中で噺がすっ飛んでしまいまして』

『古典落語ではそんなことはないのですが』

『ああ、古典落語っていうのは』

師匠のさらにお師匠さんから教わる代々引き継がれる噺ですよね。

『こりゃたまげた。お若いのに御存じで』

『落研。落語研究会だったのかい?』

そうではないですけどお笑い始めるなら落語も勉強するべきだと思いまして。

『そうかい。そうかい。なるほど』

『ところで相方はいないのかい』

相方はいないです。

前はいましたけどいざ事務所所属の時、相方はお笑いは安定しないからって解散しました。

『それはすまないことを聞いてしまったの』

『ワシにも相方というかライバルはいたけどやめてしまってね』

『その人は真打ちにたどり着いたけど落語の人気は低迷』

『そのままやめてしまってね』


『と、おっと、ワシは何を言っているんだ。落語家なら明るい噺をしなくては』


『まあ、そんなところでって、どんなところだよって噺だけど舞台も終わったことだしさっさと帰りますか』

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