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失敗をした男の子が起こした奇跡の大逆転!教員生活、ベスト3に入る感動の物語!

あなたの考える、「失敗」とは何でしょう?

 今日は理科の実験中に失敗をしてしまった子がどうやってそこから、「学びにつなげ大逆転」を起こしたのかをお伝えします!

このエピソードは正直、教員生活の中でもベスト3に入るくらい感動した出来事でした!

そして私は改めて、失敗ってなんだろう?と考えるようになりました。
昔は、
薬品をこぼしてしまう。
器具を割ってしまう。
実験が予想とうまくいかない。
など、これらの経験を子供は失敗と言って悔しがることが多かったです。器具を割る子供を怒鳴りつける先生も目にしました。気持ちはわかります。

今回は理科を通して失敗とは何か?改めて考えるきっかけになっていただければ嬉しいです。

 6年生の男の子が、
水溶液の単元で誤って
私にクエン酸をぶちまけたところから
話は始まります!

先生ありがとうございましたの「た」と
同じくらいのタイミングで
私の黒ズボンの左足部分全てが
真っ白になるくらいザーッと見事にかかりました!

「先生ごめんなさい!」

きっと怒られると思ったのでしょう。
彼はやってしまったことに驚き、
どうしようどうしようと不安な
表情でオロオロしていました。
普通の先生ならどうすると思いますか?
またはこれを読んでいるあなたならどうでしょう?

「気をつけて運ばないからこういうことになるんです!だいたいあなたは、、、、、」

と厳しく叱りつけますか?

実はこのパターンは真面目な先生に多いです。
理由の1つは
完全に頭に血が上り、単純に怒りの感情で言っているパターンです。もう1つは
他の子供達も同じ過ちをしないようにしたいのであえて厳しく叱る。
そんな理由ではないかと考えます。
また怒鳴らないにしても、

「どうしてこうなったのか考えてごらん、自分で最後までしっかり片付けるように」

と、起こしてしまったことを問いただして
子供に振り返らせる先生もいるかもしれません。

自分で汚してしまったものをきちんと片付けさせる。間違いではないと思います。

しかし、これは本当に
「子供が意思をもって、悪いことをした時」
は効果があるかもしれません。

しかしわざとではない時に子供を叱りつけるのは、大人側の余裕の無さの問題だと思います。

授業時間内に計画をしていて、このパプニングが原因で全体の学びが遅れてしまう!と、あせりますよね。わかります!

やることがあって気持ちに余裕の無い時に、ものをこぼされるとついイライラしてきつくいってしまう。こんなことはよくあることだと思います。
よくわかります!私も昔はそうでした。

しかし、今は、こういう時に絶対子供を叱りつけません。
むしろチャンスと思います!
そして「ラッキー!」
と頭の中でほくそ笑みます。

この出来事を、
どう「笑い」や「学び」にもっていこうか、
そっちに全力フル回転で考えます!
こうしているとイライラする気分はどこかに飛んでいきます。一度試してみてください!

これは繰り返すほどに効果があります!

 今回私がどうしたかと言うと、
「おーい見て!先生の左足真っ白になったちゃったよーう!」
とふざけた声のトーンで皆に見せました!
その時点で笑いは起きます。
そして
「これ何の粉??」
と聞くとクエン酸と答えるので、
「それならいいよ!綺麗になるから!」
と言いました。

オロオロしていた彼が、ハッとした顔になり、
「どういうことですか?」と言います。

そしてクエン酸の袋の裏を見て、アルカリ性の汚れを落とす働きがあることに気づきました。

ここからが彼のすごい才能です!!

彼は
「じゃあ、床の汚れが何性なのか調べたいです!」
と言って床の汚れを採取し、試験管に移し、紫キャベツ液を使って、なんとその液性を調べたのです!

そしてそこにクエン酸水を入れて汚れが分解できるのか、確かめ始めました!

うまくいかなかったので今度は、アルカリ性の重曹水を使って確認しました。すると、とてもよく汚れが落ちました。

こうして彼は床の汚れが酸性だということを発見したのです。これはNHK for schoolと言う教員がよく使う番組でも同じ実験がされています。

それを彼が自ら気づき謎解きしたのです。
6年生ってこんな力があります!
このすごさ伝わりますか?!

彼はそれまで今回の研究テーマを何にしようかずっと悩んでいました。
そこで起こったこのクエン酸ぶちまけ事件。

それは、はたから見ると失敗かもしれません。運の悪い出来事かもしれません。

しかしそこから身近な不思議を見つけ出し、
自分で問題を作り、
自ら解決しようと思考の流れを働かせ、
謎を解き明かすという大逆転を起こしたわけです!

まさに失敗は成功のもとです。
運を味方につけました!


そして、まだ終わりません!
ここからが本当にすごいです!!

単元終わりに、研究成果を発表したいチームは、発表をすることになっています。

彼を含むその男の子チーム3人が、この経験をエピソードにしてスライドショーにまとめて発表したのです。

私にぶちまけたクエン酸のくだりからです。そこを面白おかしくスライドにして表現して、
その失敗から今回誰も取り組んでいない内容の
発表につなげました!

それはもう他の子供達から大絶賛を受けました!

その発表のスライドの内容も驚嘆しました。
内容が楽しすぎて
「もう一回見たい!」
と言う声があがりました!
彼らはなんと一回の授業中に2回発表をしました。

こんな発表の光景は
今まで見たことありませんでした!
まさに奇跡としか言いようがありません!

私は日本のどこを探しても、
こんなことをできる小学生はいない!
と誇りに思いました。

そして、自分が3年間育ててきた子供が
ここまで成長を遂げたことに
喜びと感謝の気持ちを伝えました。

そして私がこつこつと積み上げ、
やってきたことは間違いなかったことを
彼らが証明してくれた瞬間でもありました。

彼らは失敗は失敗ではなく成功への道を切り開く第1歩であることに気づいてくれたのです!

今では、誰かが何か失敗をすると
「おい失敗だ!それ後で使うから写真に撮っとけ!謝罪動画も撮るぞ!」
と誰かが言います!

大変嬉しそうにその様子を記録するのが当たり前になりました!これは嬉しすぎる出来事です!

これからの人生失敗をしたとしても、
そこから何か生み出せないかと
試行錯誤していけば
それはもうすでに
成功への道へ歩きはじめているのでは
と感じさせられる姿でした!

そんな大切なことを子供達から教わりました。
私が迷わず前に踏み出そうとしているのもこの子供達のおかげです。

本当に感謝しています!おかげで、今度オープンする探究横丁にくる子供達の理想の姿がもう既にイメージできています!


このように、理科を通して、
子供達は生きていくために大切な力を身につけようと、日々成長しています!

こんな才能の塊の子供達と楽しいことがこれからできるのかと思うと私もワクワクしています!

実はその子達が作ったスライドも用意しています。大変価値が高いものだと考えていますので、

今後どこかでしっかりとした場面でお見せしたいと思います!

Instagramもやっていますので個人的に関わりたい!面白い!と思った方はこちらで交流しましょう!

と言うわけで、今日のテーマは
失敗って本当に失敗?でした!

ありがとうございました!

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