破天荒な父。僕の結婚式
僕と父親の、破天荒で少し笑える話です。
■■■ 僕の結婚式 ■■■
僕の結婚について父はいつもの細い目をさらに細めて喜んでくれた。
父は昔から「自立せよ」「人に頼るな」と口癖のように言っていたから、僕が一人前に家庭を持つことが嬉しかったようだ。
その流れで結婚式をするという話をしたら、父は急に不機嫌になった。
「人前でさらされるようなことは父ちゃんは嫌いだ」
頑固な父を説得するのは大変だったが、大好きなスイカバーをいくつか差し出して、なんとか出席してもらうことになった。
この頃から父は体調を崩しており、結婚式の締めのスピーチをするのが困難だったので、僕がする段取りにしていた。
式が始まると、多くの人がわざわざ自分のために時間をかけてくれたことに僕は感謝し、乾杯の挨拶で歓喜の涙がでてしまった。
僕は最後のスピーチで、今まで接してくれた友人、会社のすばらしい同僚、優しい母、最高の父に自分の想いを伝えた。
僕のスピーチを聞いた親戚が、「しっかりしたお子さんですね」と父に話していたようで、父は終止ニヤリとしていたらしい。
帰り道、あれだけ結婚式を嫌がっていた父が「結婚式もいいものだな。今日は最高のお酒を飲めた」と呟いていたそうだ。
この日は僕が初めて父に親孝行できた日だと思った。
結婚式からは人への感謝を学んだ。
続く
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