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うつわマガジン2019

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#春

ちょっとブレイク「春の土鍋」タンポポちらしのポタージュ

ちょっとブレイク「春の土鍋」タンポポちらしのポタージュ

冬のバターナッツと春のタンポポがスープの中で出会ったら

冷暗な場所で冬のあいだ保存していた古参バターナッツかぼちゃと、庭の新人タンポポが出会う。春の新タマネギも仲介役で。出会いというものは、理想から現実の味にかわる瞬間だ。

「バターナッツのポタージュ」
Cocciorinoの土鍋(白)

かれこれ15年~16年くらい、山梨の個人農場に野菜の宅配をおねがいしている。彼らの有機農法(一部自然農法)

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ちょっとブレイク「春の土鍋」グリンピースごはんと、てやんでぇ

ちょっとブレイク「春の土鍋」グリンピースごはんと、てやんでぇ

「きらいな食べものものがない」先日、家族でこんな話をした。特別おいしい食事をつくっているわけではない。

我が家は、手がゆずれる人(決して時間があるわけではない)が、冷蔵庫にあるもの(食材を買いにいくこともある)でごはんをつくる。食べさせている、させられているという感覚はなく、むしろ、みんなの好みの味を知ることができる。

誰もつくれなかったら買う、外食に出るなど。しかし経済的に考えると、忙しくと

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ちょっとブレイク「春の土鍋」蕗のおすまし

ちょっとブレイク「春の土鍋」蕗のおすまし

「ココロニ」の下で会いましょう去年の春、蕗の葉の下に住む人に会いに旅に出た。アイヌ語で蕗は「ココロニ」、下は「ポック」、人は「ウンクル」。つまり、ちいさな神様「コロポックル」なのね。

民族博物館では「熊送り」(イオマンテ)のことを知って神の国を信じた。子熊を大切に飼育し、大きくなったらお土産を持たせて神の国へ送るというアイヌの儀式。

気づくと、蕗の群生地で真剣にコロポックルを探していた。

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ちょっとブレイク「春のうつわ」八重の山吹

ちょっとブレイク「春のうつわ」八重の山吹

天寿というものがあって、人はいつか旅つわけで。遠くて近いところへ。親をはじめ、生きるものはさようならと手をふってゆく。

意図せずに、新しく元号がかわる前の日、義理の両親の家は引き払われた。

分け枝をして我が家のちいさな庭に植えた山吹。もう15年くらい経つだろうか。なにかを告げにきたかのごとく、今年も我が家のちいさな庭に、静かに低く咲いていた。

彩度を落とし控えめに光を透く桜。それと同時季に咲

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ちょっとブレイク「春の土鍋」くるっと半回転でポタージュに

ちょっとブレイク「春の土鍋」くるっと半回転でポタージュに

追いこみ仕事があるため夕食がめっきり遅い。けれどしっかり夕食は、玄米と子持ちカラフトシシャモ、おからにひじき、春野菜の和風スープ。多めにつくり残ったスープは朝食で和のポタージュに、くるっと半回転。

世の中の風潮から、ちょっぴりあたらしい気持ちで工房の回転イスにすわる。狭小工房では自動車整備士が使うような丸いイスで絵付けするテーブルとロクロを移動している。いや、移動というほどの距離でない。床を一歩

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ちょっとブレイク「春の土鍋」新生姜のヨモギごはん

ちょっとブレイク「春の土鍋」新生姜のヨモギごはん

土鍋で炊く新生姜のヨモギごはん

我が家の春の十八番。コッチョリーノのミニ土鍋に研いだ1合弱の米、新生姜の千切り、塩少々を入れて炊き、さっと湯がいて刻んだヨモギをあえるだけ。

土鍋ふたの煙突から煙が出たら極弱火で13~15分。ヨモギごはんのときは香りを活かすためにいつも入れる昆布はなし。ヨモギを片手ひとたばぶんくらい摘んで、さっと茹でアク抜きして水気を絞ったら細かく刻み、炊けた生姜ごはんにまぜる

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